— 勇斗と付き合ってた2年間幸せだったよ —
俺と勇斗は3年前まで付き合ってた。
お互いに支えあってメンバーの脱退や加入の苦楽を乗り越えていくにうちにかけがえのない存在だって気づいて二人で色々考えて悩んで誰にも言わないけど恋人だった。
誰に言えなくても勇斗と過ごす日々は幸せだった。引っ付き虫で空気感だけでも俺にちゃんと特別だって伝えてくれてたから。
それが変わってきたのはいつだっけな。
勇斗からのスキンシップが減って、プライベートでも会う時間が減って、でも、しかたないって自分に言い聞かせて。
M!LKとしても俳優としても仕事が忙しくって、俺なんかがわがまま言って迷惑かけたら駄目だって。
本当は甘えたい気持ちもぐっと堪えてた。けど、一回入った亀裂は目に見えないだけでどんどん広がってったみたい。
「仁人、俺ら別れよ。」
「っ…」
勇斗から唐突に告げられた別れの話。
でも、なんとなくわかってた。だって俺見ちゃったから。
勇斗の家から勇斗と寄り添うように出てくる柔太朗を。
「てか、別れよってのもおかしいか!あーっと…普通の距離感に戻ろうぜ。メンバーの」
勇斗がなに言ってんのかも、どういうことかもちゃんとわかる。
勇斗のことを考えたら俺は頷くしかないんだ。
笑って、ちゃんと笑って。
「わかった。勇斗がそういうなら、戻ろ。俺らしか知らないことだし」
ちゃんと、言えた。
「ん、悪いな」
「勇斗はなんも悪くねぇよ」
うん。勇斗は悪くない。しかたないことだから。
「じゃ、俺帰るわ。…これからは、メンバーとしてよろしく」
「おう」
一人で家まで帰っていつかはこんな日がくるってわかってたのになと大きくため息をつく。
溢れそうになる涙を目を瞑ってじっと耐える。
泣いたら、駄目だ。だって勇斗に迷惑がかかるから。
気丈に振舞え。
『はやとがしあわせならそれでいい』
コメント
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やばい無理切ない切ない、 吉田の事泣かしたらダメだろ佐野!!