○○○○○年 ディース国のアデライト家に第4王子として生まれたその子は、ブィルド・アデライドと名付けられた。
ブィルドは、幼い頃から悪魔に好かれていた、悪魔と話したり、悪魔と遊んだりしているうち使用人や父、兄弟に気味悪がられ避けられる様になった、けれどただ一人ブィルドに寄り添ってくれる者がいた、その者の名前は、サリア・アデライド、ブィルドの母であった。
「大丈夫ですよ、何があってもお母様が守って差し上げますからね。」
そう言うのがサリアの口癖だった、ブィルドもそう言ってくれる優しい母の声が大好きだった。
5歳のある日、ブィルドが大好きな母の部屋に訪ねると、父の大きな声が聞こえた、
「お前があんな子を産まなければ!」
そういった後、バチン!と言う大きな音が聞こえると共にサリアが床に流れ伏した、
手が当てられた所をよく見ると赤くなり腫れていた、それを見たブィルドの中で何かが切れた、
ブィルドの周りが赤い光に包まれると共に爆破した、
どんどんと悪魔がブィルドの周りに寄ってくるとブィルドの胸に悪魔の羽の紋が出た
、そしてブィルドに集まっていた悪魔が暴れ始めた、
ブィルドの力が暴走してしまっていたのだ、
「ブィルド!ブィルド!」
必死に名前を呼ぶ母の声が聞こえる。
「ブィルド!ブィルド!お願いよ!落ち着いて!」
悪魔が暴れる中母は、泣きながらブィルドに抱きついた、
少し経って少しづつブィルドは、自我を取り戻していった、
「ヒック…っはぁっ…」
ブィルドの泣き声が聞こえた、ブィルドは、傷だらけの母を見て、
「ごめんなさいっ…ごめんなさいお母様っ…」
と何度もく繰り返していた、
「いいえ…ブィルドが戻ってくれたからもう良いのよ。」
そういって抱きしめてくれた母の手は、微かに震えていた。
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