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#AI共同作品
猫の小判
250
らむね
181
#文スト
翠
105
「…本当に、龍は現れるんですか…?」「まぁ、そうだろうな。」
二人がいたのはとある倉庫、コンテナの中にある木箱に腰をかけ、無音の時間を過ごしていた。
「少し話をしようじゃねぇか。」
「⁈」
「俺も貧民街の出なんだ。まぁ、お前らとは少し訳が違うがな。」
「そう…なんですか。でも、やつがれと貴方は全く違う。仲間にも、“龍の被害で物資不足になり子供なんぞ穀潰しになるだけだから”…と見放され、やつがれは銀も守ることができず、明日を生きる余地すらない。」
体育座りで丸め込み、顔を覆った。
思い出すのは信じていた仲間の…親や兄のように思っていた人たちの、最後の声。
『ここから今すぐ去れ!!お前たちなど、ただのお荷物だ!!』
今でもはべりついている。
「銀にまで迷惑をかけてしまった…、銀に、妹にまで迷惑をかけるというならば、いっそ、龍に襲われて死んだ方が…」
月が紅くその場を照らしている。
「沙汰、そろそろってとこかな。」
ガタンッ!!!
「⁈」
ビクッと思わず反応してしまう。
「今……そこで物音が!」
「あゝ、そうだな。風で何かが落ちたんだろ。」
「人喰い龍だ!やつがれを…やつがれを喰い…に‼︎」
「まぁ座れよ龍之介。龍はあんな処から出てくんのか?違えだろ。」
「どうして分かるんだ‼︎」
焦りからか、口調も既に敬語が抜けていた。
「俺には少し引っかかるところが幾つかあった。」
カタリ…と木箱から腰を上げる。
「一つ、その龍とやらを銀は目撃していないこと。
二つ、貧民街のグループでは、共通するいくつかの暗黙のルールがある。“如何なる理由があろうとも、年長者は下の者たちを必ず優先的に守らなくてはならない”。だというのに、子供だという理由でお前たちは…いや、お前は追い出された。」
「何を言っているんだ…」
ドクンッ…鼓動の音が聞こえる。
「お前が街に来たのが二週間前。」
ドクンッ
「龍が街に現れたのも二週間前。」
ドクンッ
「お前が鶴見川べりにいたのが四日前。」
ドクンッ
「同じ場所で龍が目撃されたのも四日前。」
ドクンッ
「国木田が言ってたろ。『武装探偵社』は、異能の力を持つ輩の寄り合いだと。巷間では知られていないが、この世には異能の者が少なからずいる。」
ドクンッ
「その力で成功する者もいれば--」
ドクンッ
「失敗し身を滅ぼす奴もいる。手前だけが知らなかったンだよ。」
ドクンッ
「いや、自覚はあったか。銀にだけは見せないようにっていう本能だったのかもなァ。その点、お前のお仲間さんらは龍の正体に気づいてたんだろ。だが、教えなかった。いい仲間を持ったな。お前に化け物のレッテルを貼らなかったんだ」
「ハァッ、ハァッ、あ゛あ゛ああぁぁー」
「お前ももう気づいてんだろ。手前も『異能の者』だ。現身に飢えた黒龍を纏う強き刃の異能者--」
言い切る前に、鋭い刃が中也を攻撃するように飛んでくる。それだけではなく、無差別にあたりを攻撃していき、コンテナの壁や木箱を壊していった。
(龍の正体は“着ている服を刃に変える能力”か…いや、それだけじゃねぇな。本人は意識していないみたいだが、空間断裂の能力もあるみてェだ。)
衣嚢に手を入れた状態で、一歩、二歩と下がっていき、ついに壁に背がついた。
ふと目をやると、既に倒れている龍之介が見える。龍が襲ってくるかもしれない事、自身の正体がその龍自体であるかもしれない事という二つの恐怖が襲ってきたのだ。仕方ないことなのかもしれない。
「悪いが、ここらで死ぬのは流石に嫌なんでな。」
フッと息を吐く。そして、
「手前じゃ俺を殺せない。」
中也が衣嚢から手を出し、龍…黒い刃に触れると、赤い色があたりを照らした。
グシャッドッ!!
その瞬間に、地面へとのめり込む。
「俺の異能は触れたものの重力のベクトルと強さを操る。手前の赤ちゃん異能には勝てねぇよ。」
負荷が耐えられなくなったのか、自然と倒れた龍之介の元へ行き、ただの服に戻った。
「おい中原!」
扉が開くと同時に、同僚の声が響いた。
「遅かったじゃねーか。龍なら捕まえたぜ?」
「!その小僧…じゃあそいつが!」
「あゝ、龍…正確には違うみてェだが、俺らが追ってた奴で間違いない。異能を発動してる時の記憶がなかったんだろう。」
「全く…次から事前に説明しろ。肝が冷えたぞ。」
そう言いながら、内ポケットから紙切れを取り出した。
“十五番街の西倉庫に龍が出る。逃げられぬよう周囲を固めろ”
あの時中也が渡した紙にはこう書かれていたのだ。
「おかげで非番のやつまで駆り出す始末だ。みんなに酒でも奢れ。」
彼がそう言うと現れたのは、三人の男女の姿…。
「なんだい怪我人はなしかい?つまんないねェ。」
与謝野晶子--能力名『君死給勿』
「はっはっは、なかなかできるようになったじゃないか中也。まあ僕には及ばないけどね!」
江戸川乱歩--能力名『超推理』
「でも、このヒトどうするんです?自覚はなかったわけでしょう。後、妹さんも。」
宮沢賢治--能力名『雨ニモマケズ』
「どうする中原、一応区の指定幻獣だぞ?」
国木田独歩--能力名『独歩吟客』
「もう決めてんだ。」
中原中也--能力名『汚れつちまった悲しみに…』
しゃがんで倒れた龍之介を抱き上げ三人のもとに振り返ると少し笑った。
「こいつはうちの社員にする。」
「はぁぁぁぁぁぁぁ⁈」
倉庫内に国木田の叫び声が響いた。
コメント
5件
原作での1話までが終わった!すっごい!なんかすっごい気持ちい(変態) 銀ちゃんが事務員になってナオミとキャッキャうふふするのが想像できる・・・
ああ、第5話、すごく熱かったですね…!中也さんの鋭い推理と問い詰め方が、まるで読んでるこっちの心臓までドキドキさせてくるようなリズムでした。龍之介が自分自身の異能=龍だと気づく瞬間の絶望と、その後の無意識の暴走…切なかったです。でも最後に「うちの社員にする」って言い放つ中也さん、かっこよすぎますよ。国木田さんの叫びでちょっと笑っちゃいました(笑)。