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#グロテスク
観測者l!!@暑すぎて溶けた☆
38,248
#mmmr
菜津/natsu
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「んぇえぇ…そんなにたべられないですよぉ〜」
_賑やかな教室の中、1人眠る少女がいた。
「ちょっとぉ、椎名ちゃーん!!?もう学校終わるよ〜!!?」
「んぇえ…?」
「はっ!!?私いつまで寝てた!?」
椎名と呼ばれる少女はがくっと起き上がり、慌てた様子で教室をきょろきょろ見渡していた。
「…5時間目から寝てたよ!6時間目も爆睡!」
「えぇええ!!?」
椎名の友達であるクラスメイトの女子がため息をつく。
「もう、早く帰る準備しな〜?」
「ごめんなさ〜い!!」
2人は、夕焼けに照らされながら河原あたりを歩いていた。
「椎名ちゃん、最近疲れてる…?どうしたの?なんか。」
心配そうに聞く友達に、椎名は能天気そうに答える。
「え〜?いやぁ、なんでなんだろう?でも私…こういったゃなんだけど、しょっちゅう寝ちゃってるからなぁ〜…」
風が、椎名達の髪を揺らす。
「あんま気にしなくていいよ〜?」
どこまでも能天気そうな椎名は、笑いながらそう答えた。
…今は3月だ。
進路について真剣に考える友達と対照的に、椎名は、何も考えられそうになかった。
「にしてもさぁ、次って高3でしょ?怖くない?」
「え、それな〜?」
「りーちゃんは進路決まったの?」
そう聞く椎名に友達は楽しそうに答える。
「そうだなぁ〜、私は大学行こっかなぁ〜、色んな研究に興味あるし!」
そう言ってにっこりと笑った。
「え〜!りーちゃんが大学!?めっちゃいいじゃん〜も〜」
椎名はそう言って友達の手を両手で掴んでゆらす。
「ね、そういう椎名ちゃんは進路決まったの?」
友達は、率直に聞く。
その問いに、椎名は夕陽を見ながら少し考える。
息を吸う音が、微かに聞こえる。
「え〜、私?」
「あんまりかなぁ…。」
「…私、将来何したいのか…わかんないんだよね〜。」
「え〜!?椎名ちゃんってこう見えて頭いいし、なんでもできそうなのに〜!!」
そう言って
「え〜!?そんなに褒められても困るよ〜!」
夕焼けに、2人の笑い声が響く。
さみしい夕焼けを彩るように。
「ばいばーい!椎名ちゃん!ちゃんと休みなよ!」
「ばいばーいりーちゃん!大学頑張ってね〜!応援してる!」
「へへ、ありがと!」
互いの笑顔が、夕焼けに溶けていった。
___
夜、椎名は、本を読んでいた。
ただの文字の羅列だ、だがそこに、無限とも言えてしまいそうな解釈と、物語が広がっている。
(無心で読むもよし、考察するもよし…)
(やっぱり、本って面白いなぁ〜。)
椎名は考える。
(…りーちゃん、すごいなぁ)
(もう進路、決めてるんだよね。 )
(…ふふ、見習わないと。)
雪の残る3月前半の夜。
進路なぞ何一つ考えないまま、椎名は本の文字をただ眺めていた。
そして、10ページほど読んだのち、静かにアライグマの描かれた可愛いしおりを挟み、テーブルライトを消す。
椎名はゆっくりと布団に潜り込み、電気を消すと。目を閉じた__。
少し開けられた窓から寒い風が入り込み、コトン、と何かが揺れた。
___
椎名は、目を覚ます。
相変わらず取れぬ疲れに辟易としながら、眠い目をこすって、開けていた窓を閉めた。
「…さむー…3月って感じするなぁ…。昼は暖かいんだけどねー。」
あくびをして、立ち上がる。
「ちょっと椎名〜?今何時だと思ってるの? 」
呆れたようにため息をつくのは、椎名の母親であった。
「えー、7時半?」
「ちょっと〜、結構ギリギリじゃない?昨日何時に寝たの?」
「夜の10時くらい〜!」
「え、9時間も寝たの!?」
「うん〜、そうかも?でも疲れてるんだよね〜。」
「はぁ…まぁそんな日もあるか…。ちょっと最近多いけど…。」
「ゆるして〜。 」
椎名は再度あくびをしながら席につき、既に仕事に出かけた父の忘れ物をよそに、自分の朝食を口にする。
父の忘れ物を見つけた母が驚いた顔をする。
「あっ、お父さんまた忘れ物してる!!もう…電話してくるから、ちゃんと学校行っててね。」
母親はため息をつきながら、リビングを出て行った。
「りょうか〜い…ふぁあ…」
「…顔洗おっかなぁ…」
誰もいないリビングで、独り言を呟く。
「ぜーんぜん疲れ取れないな〜。」
危機感の強い人なら焦るのかもしれない、だが椎名は支障がないからと、特に気にしたことはなかった。
顔を洗ったのち、鼻歌を歌いながら準備をしていた。
学校は面倒だ。だがりりがいるので、すごく苦痛という訳でもない。
良くも悪くも、今の椎名は”普通”と言える。
「やばっ、もう45分じゃん!!行かなきゃ!」
椎名は急いでスクールバッグを手に、慌てて家を出る。
いつも通り潰れそうなほど人の多い電車で暑苦しい思いをし、なんとか駅から学校までの道を走るだろう_
そう、思っていたのだ。
だが、今から走ろう_そう思った途端突然知らない人に話しかけられる。
「あ、あの、昨日はありがとうございました!」
自分よりも歳上であろう女性だ。
「えっ?」
女性はそれだけ言うと、そそくさと去っていく。
椎名は、30秒ほど完全に身体が止まっていた。
「…き、気味悪いなぁ…って、やばいやばい!」
腕時計が8時を指し、あと少しで遅れそうだと焦っていつもより少し早く走った。
「ぜぇ……はぁ……」
椎名は教室の入口付近で、今にも倒れそうなほどの息切れを起こしていた。
「もう…椎名ちゃんったら、またギリギリなんだから…」
最終的に着いたのは8時10分ほどで、本当にあと5分と言ったところで遅れていた。
「あ、あぶなかった…つか…れた…」
椎名は目を細め、大きく口を開けたまま下を向いていた。
「もっと早く出ればいいのに〜…」
りりがやれやれと言った様子で、椎名の手を取る。
「ほら、席つこ?」
りりはそう言って、椎名の席まで案内する。
りりの天使みたいで綺麗な銀髪が、風で揺れる。
「あり…がと…ぜぇ……はぁ……」
りりの左斜め前の席が、椎名の席だ。
そこにつき、授業の準備をしたのちに、すぐ机に突っ伏して眠る体勢に入ってしまった。
「もう、椎名ちゃんったら…。」
そんな椎名にりりは呆れながら、自分の席に座ると、机に頬杖を着いた。