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「ごちそうさまでしたー!」
食器を片付けながら、ゆあんくんが伸びをする。
「いやー、うりの飯うまかったわ」
「だろ?」
うりが得意げに笑う。
「ほんと、美味しかったです」
ヒロくんも静かに頷いた。
「またお願いね、うり」
のあさんも優しく微笑む。
にぎやかで、穏やかな時間。
——さっきの違和感なんて、なかったみたいに。
「じゃ、今日はどうする?」
誰かの一言で、話題が変わる。
「買い物行かない?食材とか足りないし」
「いいね、それ」
「俺も行くー!」
次々に声が上がる中。
「もふは?」
うりが何気なく聞いた。
「俺も行くよ」
もふくんは、いつも通りの優しい声で答える。
そのまま準備をして、みんなで外へ出た。
―――
街中は、いつも通りの賑わい。
「ねぇ、あれ見て!」
「ちょっと寄っていこうよ!」
楽しそうな声が飛び交う。
そんな中。
「……あ?」
うりが、ふと足を止めた。
その視線の先。
少し離れた場所で、言い争いをしている人たち。
「やめろって言ってんだろ!」
「うるせぇな!」
荒い声が響く。
周りの空気が少しだけ張り詰める。
「どうする?」
ゆあんくんが不安そうに聞く。
「……別に、関わらなくていいんじゃない?」
誰かがそう言いかけた、その時。
うりが、一歩前に出た。
「ちょっと」
低い声。
さっきまでの明るさとは違う。
「やめとけよ」
その一言だけで、空気が変わる。
「……は?なんだお前」
絡んできた男が睨みつける。
でも。
うりの目は——
「……」
一瞬だけ。
鋭く、冷たくなっていた。
「うり」
後ろから、もふくんの声。
「やめよ」
静かな声だった。
でも、その一言で。
「……ちっ」
うりは視線を外す。
「……悪い」
そう言って、何事もなかったかのように戻ってくる。
さっきの雰囲気は、もうない。
「大丈夫?」
のあさんが心配そうに聞く。
「ん?全然」
いつもの笑顔。
明るい声。
でも——
「……」
もふくんだけは、何も言わなかった。
ただ静かに、うりを見ていた。
「行こっか」
その一言で、また歩き出す。
にぎやかな会話が戻る。
いつも通りの空気。
でも。
「(さっきの、何……?)」
ゆあんくんは、小さく思う。
そしてもうひとつ。
「(もふくん……なんで止めたんだろ)」
答えは、まだ出ない。
ただ。
2人の間にある“何か”だけが——
少しずつ、見え始めていた。
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