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体の内から何かが溢れてくるようで、私の鼓動を脈打った。
「初めまして、月深(つぐみ)ちゃん」
後ろから差す夕日が貴方を照らして、私の頬を赤く染めた。
「月深ー!朝だぞー」
朝から騒がしい兄の声。ほんっと、無駄にデカい声
「分かってるって!律月(りつき)兄ちゃんうるさい!」
そう言って、私は廊下を音を立てて走り抜ける。
「行ってきます!」
私は、今日も光差す外へと駆け出した。
「セーフ!」
教室の扉を開けて私は叫ぶ。
「アウトだ!お前な〜、今月何回目だよ!」
担任が呆れたような、怒ったような顔でこっちを見てくる。
「んー、3回目?」
「5回目だ!後で職員室な!!」
今日は朝からこんな大声を2回も聞く羽目になるは…ついてないな
「ドンマイ、月深」
親友の麗楽(うらら)が楽しそうに私に手を振る。
「麗楽ー、さては楽しんでるなー?」
「バレたか」
歯を見せて笑う麗楽は誰よりも輝いている。
「麗楽ー、ちょっと来てー」
隣のクラスの新本くんだ。麗楽、知り合いだったんだ
「はいはーい、ちょっと待ってー」
麗楽は、私に行ってくるね、とだけ言い残して彼の元へ行った。
幸せそうな顔…。麗楽は…ううん、2人ともお互いが好きなんだろうな。相手がいなきゃ生きていけないって顔してる。
「…いいなぁ」
同じ学校で恋愛なんて私にとっては夢のまた夢だろう。
…今日は早く帰ろう