・登場人物は全てオリジナルのキャラクターです(一次創作)
・BL要素を含みますが、やらしい描写は無いです(多分)
・設定などがぶっ飛んでいることがあると思いますが、お見逃しください()
それでもいいという人は、どうぞ↓↓↓
「…」「…2つ聞くんじゃなかったのか」「…いや、もう…うん…分かった…、聞くよ…」まさかの黒幕が俺って…。結構クるものがあるけど、とりあえず聞きたいことを聞こう。
「…ヴォルテって奴、知ってるか?」「もちろん知ってる。俺の指導者だ」「…ん?」「さっきお前が言ってたじゃないか、反逆者のグループの指導者って。あれは俺じゃなくて、ヴォルテだ。俺はあいつのサポートをしてるだけに過ぎない」
…つまりは、だ。この世界では、〈この世界の俺 vs この世界の兄貴&ヴォルテ〉っつー構図になってるってことか?…うわぁ…。この世界の俺、どうしたん…。闇堕ちか…?「あぁそれと、ヴォルテならすぐ「ヒイラぁ〜ただいまぁ〜」「…噂をすれば」「え?誰かと話してんの?…っ?!」「待てヴォルテ、」「何でこいつがここにいんの?!」「だから落ち着け、」「ヴォルテー、俺は確かに大斐だけどー、この世界の指導者じゃないよー」「はぁ…?!」
ということで、説明タイム。あ、ついでに会話をスマホで録音することにした。2人にスマホに興味を持たれたけど、説明してる時間がないって一蹴した。半分はホント、半分は面倒だから。てへ。
「…で、俺政府当局から逃げてるわけよ。んだから、逃げてるうちにここに迷い込んだっていうか」「もしかして、あの壁の穴を抜けてきたの?」驚いたようにヴォルテが言う。「うん、何で?」「…あの街にいる人たちって、そもそも壁に近づけないんだよね。だからあの穴からここに来た人は初めてでさ」「例の紋章の力か」「まぁね」「…ん?待てよ、じゃ何でお前らはこっちに来れてるんだ。そもそも、あの穴は誰が…」「分かった、順番に説明する」すかさず兄貴が割り込んでくる。「あの穴は、俺とヴォルテで掘ったんだ。いや、正確には、仲間たちと掘った。とてつもない時間を費やしたんだが、ついこの前完成したんだ」「そうなんだ、作り終わったあとに逃げてきて良かったわ。それで、利用目的は?」「情報収集だな。政府当局の建物の構造とかを知りたくて」「でもお前らじゃすぐ見つかっちまうだろ、背中の紋章で」「あ、俺たちのこと知らないんだっけ。俺たちは所謂 ‘エラー’ を起こした人間なんだ。この区域にいる人間は全員そう。みんな政府当局のコントロール下から外された人達だよ」ヴォルテが話を繋ぐ。俺は次々に流れ込んでくる情報の量で頭が痛くなってきた。
「…なら…、‘エラー’ を起こした人達が連れてこられるのがここということか?」「そう。‘エラー’ を起こすと、色んなことから解放される。まず、一日の行動が制限されることがなくなる。次に、他人のことを認識できるようになって、会話ができるようになる。それから、背中の紋章の権限がなくなる。あとは、表情が豊かになったりするかな。だけど、強制的にここに連行されて、政府当局から完全に見捨てられるんだ」「…なるほど。1つ質問なんだけど、背中の紋章の権限がなくなるってのは?」「例えば、店が使えないとかエレベーターに乗れないとか、部屋のドアを通れないだとか」「…なるほど、つまりあの街ではもう暮らせないってことか」「そういうことだ」
「あれ、いつの間にかサイレンの音が消えてる」「お前を追いかけるのを諦めたんだろ」「じゃあ…逃げきれたってことか…」「そういうことだな」「…ふぅー、疲れたぁ〜」ドッと疲れが出てきた。今になって心臓がバクバクしてることに気づいた。切羽詰まり過ぎだろ俺…。「まぁゆっくりしていけよ」「うん、そーする」スマホの録音を止め、電源を落とす。「兄k…ヒイラ、それにヴォルテ。俺のこと、信用してくれる?」2人は顔を見合わせて、肩をすくめた。「今更だ」「うん。それこそ、最初は指導者本人が変な演技をしてるのかと思ったけどね。でもそれはないって分かったし」「…俺が聞くのもなんだけど、何で違うと思ったの?」「何もかもがあの人とは違う。雰囲気も佇まいも。それにもしあの人本人なら、あんな風に俺如きに捕まらないだろう」あんな風、っていうのは、最初に兄貴に拘束された時のことだよな。まぁ確かに、この世界の指導者っていうくらいなんだから護身術くらいは知ってるだろうけど。「わざと捕まったっていう可能性は考えないの?反逆者グループについての情報を聞き出すためにとかさぁ、…あっ」なんで自分が不利になるようなこと言っちゃってんだよ俺!信用得るどころか疑心暗鬼にさせるじゃん!
冷や汗をかきながら2人を見るも、兄貴もヴォルテもジト目で俺を見てた。「あの人は自分の墓穴を掘るようなヘマはしないだろ」「それもそーだし、俺たちの情報を目的とするなら指導者本人が出向いてリスクを負うことにメリットがないじゃん」「…それもそーね…」
ふう、とため息をつく。そして体勢を直して、2人に向き合う。
「俺に、お前たちの反逆を手伝わせて欲しい」「…」「俺は元々、この世界に革命を起こしたくてここに来たんだ。つまり仲間が欲しかった。そこで偶然お前たちと出会った。もうこんなん、手を組めと神様に言われてるようなもんじゃん。だから協力させてほしい」
数秒間の沈黙。それを破ったのは兄貴だった。
「俺は構わない。だが他の者がどうか分からない」「…他の者っていうのは、お前たちの仲間のことだよね」「まぁでも、決定権は俺が持ってるから。いいよ、大斐。協力しよう」「え、みんなに確認しなくていいの?」「別に今じゃなくていーじゃん?それにみんなも分かってくれるよ。俺たちがすぐ、お前とあの人は別人だって分かったみたいに」「…そっか。ありがとう。じゃあ、よろしくね」「うん。歓迎するよ、大斐。じゃあとりあえず、場所を移動しよう。もっとちゃんとした拠点があるから」「おっけー!ついてくから案内よろ!」
ダクラ。心配するなよ。俺はちゃんと、仲間を見つけたからな。
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