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樹side
俺の電話だけ取ってくれるんじゃねーのかよ
さすがの俺でも内心焦ってる
北斗が集合時間になっても現れなくて5分
いくら売れっ子俳優だからといって遅れたことなんて1度もない真面目なやつ
みんなが電話したり連絡する中、返信がないから俺が送ったら出てくれるんじゃないかっていう少しの期待も込めていたのに虚しく無機質な音が鳴るばかり
きょも「樹らしくないよ…大丈夫だってすぐ来るって」
違うよ、俺は遅れていることに対して焦ってるんじゃなくて、何があっても唯一電話に出てくれる北斗が出てくれないから何かあったんじゃないかって..
こーち「もしかしたら携帯の電源切ってるのかもね」
樹「…そうだといいけど」
立ったり座ったり、飲みたくもないお茶を注いでみたりと、そわそわしながら待っているとマネージャーが困った顔をしながら来た
樹「なんか北斗から連絡あった?」
「いや…連絡と言うか一応来られたんですけど撮影は中止ということでお伝えに来ました」
樹「は?どういうこと?」
人間って心配すると本気で眉毛下がるんだな。色々考えすぎていらん発見までしちゃったし
「朝から体調が良くなかったみたいで…」
樹「北斗今どこ?」
「…多分まだトイレにいらっしゃるかと」
気持ち悪いのか…
樹「おっけ、ちょっと行ってくるわ」
こーち「なんかあったら呼んで〜必要なものは用意しとくわ」楽屋を飛び出して外から1番近い
トイレを探せばビンゴ。一つだけしまっている個室があった
樹「北斗…いる?」
俺の呼び掛けに返事はなかったけど空気が揺れる感じがあったから多分その中に入ってるのは北斗。なんでわかんだよって感じだけど俺まじわかるからね?笑
樹「大丈夫そうになったらでてきて、外にいるから」
もし気持ち悪いんだとしたら吐いてる音とか絶対に聞かれたくないだろうから外で待ってるよってところだけ強調して言っておいた
さすがに15分過ぎても出てこなかったらドア破壊するけど
携帯を開いてみればこっちの準備はおっけーってジェシーから連絡が入ってた
色々と返信したり携帯をいじっていたら後ろからすっごい弱々しい声で「じゅり…」と呼ばれるから、まじビックリして振り向けばこれまたビックリ
樹「お前大丈夫か?…いや大丈夫じゃないか」
血通ってる?って言うくらい真っ白な顔してる北斗
目も潤んでて肩で息してるからなんで来たの?って思うほど
北斗「ごめん樹…携帯……通知来てたけど開けなかった」
そりゃそうかまさかこんなになってるとは思っていなかったからさ…ちょっと北斗の状況考えられたら良かったな
樹「謝んな、お前無理してくることなかったよ、それ」
とにかく、トイレから出てきたから楽屋に行って休ませるか
北斗「…ねぇじゅり」
樹「どした」
北斗「…ささえてほしい……」
樹「ぁあ、気付かなくてわりぃ」
前傾姿勢になってる北斗の腰に手を回せばいつもの体温よりも高かった
これ相当無茶してんなぁ
樹「北斗も掴まれ、全体重かけて大丈夫だから」
北斗「じゅり…おれる」
樹「折れねぇよそんなヤワじゃねぇ」
こんな時にまで俺の心配すんなし…
頑張って俺に頼らないで歩こうとしているのは分かった、だけどそれが出来ないくらいにしんどいんだろうね
段々と俺にもたれ掛かるようになって俺もほぼ引きずってるようなもん
樹「熱朝からあった?」
北斗「…ん」
樹「気持ち悪い?」
北斗「ん…、とても…」
樹「他に辛いところは?」
北斗「…いまは、ない」
とりあえず熱と気持ち悪さか
前もこんなことあったなー、多分これは休んで熱を下げることが一番かな
きょも「あ、帰ってきた」
こーち「やばくね?それで仕事やろうとしてたの?」
楽屋に戻ればみんな目をまん丸くさせて北斗のことを見てる
樹「そうらしいわ、多分めっちゃ吐いたし熱も相当ある」
こーち「マネージャーに車だしてもらって病院行った方が良いよそれは、俺付き添うし」
髙地の提案に皆頷くけどただ1人首を横に振る北斗
けど北斗の言うことは今聞けねぇや
樹「強制連行」
北斗「じゅりの、ばかぁ」
樹「おーおー、なんとでも言え?お前に暴言吐かれても絶対に連れていくからな」
俺じゃおんぶできないからってジェシーがおんぶしてくれてるけど足掻きまくって降りようとするけど無理じゃん?
ジェシー「いくら力のある北斗でも体調が悪いと別だね〜」
北斗「じぇし、うるさいっ」
足バタバタさせたり手でジェシーを押したりしてるけどダメージ0のジェシー
なんなら赤ちゃんを見るような表情で微笑んでる
それもそれでこえーよ
ジェシー「樹も来るっしょ?」
樹「おれぇ?」
でも北斗が小さな声で来て…っていうから俺も行くことにした
こーち「樹になんか言われたらメンタルサポーターの俺が慰めてやるからな」
強制的に病院に担ぎ込まれた北斗は点滴を付けられて眠ってる
体調の悪さに車酔いが加わって吐いたり泣いたり大騒ぎだった
メンタルサポーターも頑張ってたけど体調の悪さをどうにかすることが出来ないから撃沈
俺も撃沈
真っ赤な顔見ると早くどうにかしてやりたいけど…
樹「あ、おきた」
こーち「ほんのちょっと寝られたけどどう?」
北斗「…よくわからない」
泣いてる?って錯覚起こすほど潤んだ目
北斗「じゅり、こーち…て、握って」
樹「ふはっ甘えたちゃんなの?」
北斗「うるさい」
潤んでるんじゃなくてやっぱり泣いてた
けど俺らが手を握ってやればちょっとだけ嬉しそうに口角上げるから俺らでも北斗の心に寄り添うことは出来んだなって
なんか嬉しかったりする
樹「この後お前ん家いくから、髙地が」
北斗「樹はこないの…?」
来て欲しいみたいだよって髙地が語りかけてくるからさ
樹「いきます、行かせてください」
行くことになったとさ笑
早く良くなるといいな