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数日後。
Mrs. GREEN APPLEのスタジオ。
リハーサルが終わって、メンバーたちはそれぞれ片付け中。
でも元貴の様子がおかしい。いつもより顔色が悪く、動きが鈍い。
ソファに座り込んで、額に手を当ててる。
【滉斗】「元貴、大丈夫?なんか顔真っ青じゃん」
【藤澤】「熱でもあるんじゃね? レコーディング近いのに無理すんなよ」
【元貴】「…うん、ちょっと…気持ち悪いだけ。すぐ治るよ」
滉斗が心配そうに近づいてきて、元貴の隣に腰を下ろす。
手を握る。
【滉斗】「…嘘ついてるでしょ、。
朝から食欲無いって言ってたじゃん吐き気?」
元貴、視線を逸らして小さく頷く。
【元貴】「…うん。朝起きたら、なんか…胸がムカムカして。匂いもキツく感じるし…」
滉斗の目が少し見開く。
すぐに立ち上がって、
【滉斗】「ちょっと来て、外で話そう」
二人でスタジオの裏口から出て、誰もいない階段の踊り場へ。
扉を閉めた。
【滉斗】「…まさか、ってレベルじゃないよね、」
【元貴】「…え?」
【滉斗】「妊娠、じゃない、?」
涙がじわっと浮かんで、唇を噛む。
【元貴】「…わかんない。でも…生理、来てない。2ヶ月くらい…」
「検査買ったけどまだ…やってない」
【滉斗 】「……今日帰ったらやろ。」
【元貴】「…うん、」
帰って。
【元貴】「ただいま、」
【滉斗】「一緒にやる?」
【元貴】「先、ご飯作るね、」
【滉斗】「いいよいいよ! 」
【元貴】「だめ、作るの、」
【滉斗】「…わかった。」
キッチン。
「はぁ…っ…はぁ……っ、」
夜ご飯を作る途中。
でも、元貴はシンクの前に立ったまま、顔をしかめて息を荒げている。
「…っ、げほっ、げほっ…!」
急に喉の奥がむずむずしてきて、
元貴はシンクに両手をついて前かがみになる。
胃がひっくり返りそうな感覚に耐えきれず、
「おえっ…! おええっ…!」
ゴホッ、ゴホッ…
食事の残りと胃液が混じって、
ジャーッ…とシンクに吐き出される。
酸っぱい匂いが広がって、元貴の目から涙がぽろぽろこぼれる。
【元貴】「…はぁ…はぁ…っ、げほっ…!」
おえっ…おええっ…!
もう一度、胃が痙攣するように締めつけられて、
透明な胃液が糸を引いて落ちる。
吐き終わって、元貴はシンクに額を押しつけるようにして、 肩を震わせながら息を整える。
そこへ、滉斗がリビングから慌てて駆け込んでくる。
【滉斗】「元貴!? どうしたの…!」
滉斗がすぐに元貴の背中に手を回して、
優しくさすりながら髪をかき上げる。
元貴の額に冷や汗がびっしり浮かんでいて、
唇が青白い。
【元貴】「…ごめん…急に…おえっ…って…
げほげほ…止まらなくて…」
滉斗が元貴を支えて、ゆっくりダイニングチェアまで連れて行く。
座らせてから、冷たい水とタオルをすぐに持ってきて 口元を優しく拭いてあげる。
【滉斗】「…無理しないで。ゆっくり息して。
水、少しずつ飲んでみて」
元貴が震える手でグラスを受け取って、
ちびちび飲む。
でも、まだ喉の奥がむずむずして、
小さく咳き込む。
【元貴】「…げほっ…まだ、気持ち悪い…
コーヒーの匂いだけで…おえっ…ってなる…」
滉斗が元貴の隣に座って、 手を握る。
【滉斗】「…最近、毎日こんな感じ?
朝起きてすぐ吐きそうになるって…」
元貴が弱々しく頷いて、涙目で滉斗を見る。
【元貴】「…うん。夜中も起きて…トイレでげほげほ…って。 なんか、変だよね…風邪? やっぱり…」
滉斗が元貴の頰に手を添えて、
優しく目を覗き込む。
【滉斗】「…やっぱり妊娠、かもしれないよ。
生理、来てないよね? 2ヶ月くらい…
吐き気、匂いに敏感になるの、全部当てはまる」
【元貴】「怖い…」
【滉斗】「…検査、してみる?」
【元貴】「…しよっかな」
【滉斗】「一緒にやる?」
【元貴】「…いい、かな、」
【滉斗】「わかった、待ってる」
数分後
【元貴】「…もうちょっと待ったら出るって、」
数分後。
バスルームのドアが開いて、元貴が出てくる。
手には検査薬のスティックを握りしめてて、指先が震えてる。
【元貴】「…滉斗、見て…」
滉斗がソファから立ち上がって、すぐに元貴のそばへ。
優しく肩を抱いて、二人で一緒にスティックを覗き込む。
二本の線。
くっきり。
【滉斗】「……陽性、だ」
元貴の膝がガクッと折れそうになる。
滉斗が慌てて支えて、ソファに一緒に座らせる。
元貴の背中を優しく撫でながら、耳元で囁く。
【滉斗】「…ね、息して。ゆっくり、な」
元貴、涙がぽろぽろこぼれて、滉斗のシャツをぎゅっと掴む。
【元貴】「…本当なんだ。俺の中に…赤ちゃんがいるんだ…」
【滉斗】「うん。本当だよ。俺たちの子」
滉斗が元貴の頬を両手で包んで、涙を親指で拭う。
目が少し潤んでるけど、笑顔で。
【滉斗】「怖い?」
【元貴】「…うん。すっごく怖い。でも…なんか、嬉しいのも…いっぱいあって…」
【滉斗】「俺もだよ。怖いけど…こうやって泣いてるの見たら、もっと守りたくなった」
元貴が滉斗の胸に顔を埋めて、震える声で。
【元貴】「…産みたい。滉斗の子なら、絶対産みたいよ…」
滉斗の腕に力がこもる。
強く、でも優しく抱きしめて。
【滉斗】「…ありがとう。元貴、ほんとにありがとう」
額に、鼻先に、唇に。
何度も優しいキスを落とす。
【滉斗】「これから病院行って、ちゃんと確認しよう。男の妊娠って珍しいけど…専門の先生、探して一緒に通うから」
【元貴】「…うん。一緒に…ね?」
【滉斗】「当たり前だろ。全部、俺がそばにいる」
滉斗が元貴の手を取って、そっと自分の平らなお腹に当てる。
元貴のお腹に重ねて。
【滉斗】「ここに…俺たちの子がいるんだな。まだちっちゃいけど…ちゃんと生きてる」
元貴の目がまた潤んで、笑顔になる。
【元貴】「…名前、考えなきゃね。男の子かな、女の子かな…」
【滉斗】「どっちでも可愛いよ。元貴似なら、きっと天使みたいになる」
【元貴】「ふふ…滉斗似なら、かっこよくて優しい子になるよ」
滉斗が元貴の髪をくしゃっと撫でて、
【滉斗】「今日はもうゆっくりしよう。吐き気ひどい時は、俺が背中さすっててやるから。寝る時も、ずっと抱きしめてるから」
【元貴】「…甘えちゃうよ? いっぱい甘えちゃう…」
【滉斗】「甘えて、いっぱい。俺、全部受け止めるから」
2人はぎゅっと抱きつく。