コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
気がつくとあったかい布団の中で寝ていた
体を起こしここがどこなのか思考を巡らせた
ガチャリ
ドアが開き目の前から誰かが部屋に入ってくる
それはナツメさんだった
ナツメ あっ!起きたらだおくん!?
らだお さっき起きました
らだお てかなんで俺はここに…?
ナツメ 本署でらだおくんが倒れてたから勝手に連れてきちゃったんだけど……ダメだったかな…?
らだお 倒れた……?
らだお そういえば……俺って何してたんだっけ?
ナツメ 僕が見つけて時はらだおくんデスク前で倒れてたけど……
らだお ……
らだお えっと…
らだお 確か仮眠室で寝ようとして……でも寝れなくて
らだお それで仕事したんだ
らだお そしたらいつの間にか寝ちゃってて椅子から立ちあがろうとしてぶっ倒れたんだっけ…?
話を聞いたナツメさんは青ざめた顔で俺を見た
ナツメ ら…らだおくん………
ナツメ 一つ聞いてもいいかな…
らだお なんすか?
ナツメ 休んだのって…いつ?
俺はしばらく考えた
結果数週間前から休んでいないという事実が発覚してしまった
それを話すや否やナツメさんは俺のほっぺたをつねった
らだお 痛いです痛いですっ!ナツメさんっ
ナツメ なんで休まないのー!!
らだお 痛いっ痛いですって!!!
ナツメ らだおくん体調治るまでぜーったいに!帰さないからね!!
そう言いながらも俺のほっぺたをつねる
マジで痛い
地味だけど痛い
らだお 痛いっ痛いー!!!
しばらく経っただろうかナツメさんはやっと俺から手を離した
俺の両頬は共に赤くなっていて瞳にはうっすらと光り輝くものが見え隠れしていた
ナツメさんは俺の正面に立って言った
ナツメ らだおくんが休めなくなったのって僕が原因だよね……
その言葉に俺はなんとも言えなかった
そうだって言いたくないけどそうなんだろうってどこかで思っている自分がいた
だから俺は顔を伏せ黙り込んでしまった
少ししてナツメさんの暖かい手が俺の頬に触れた
そして俺の顔を上にあげた
ナツメさんの綺麗な瞳と目が合った
ナツメ ごめんねらだおくん
俺に謝るナツメさんはどこか辛そうだった
ナツメ 僕が抜けて大変だったよね
そんなことない
別にナツメさんのせいだけじゃない
そう言いたかったのに俺は言えなかった
ただ唇が震えるだけで声が出せなかった
ナツメさんは俺を抱きしめてくれた
ナツメ 僕はもう君の先輩ではないけれどそれでも少しくらい……今ぐらいは先輩でいさせて
そう言いながら俺の頭を優しく撫でるナツメさんの手は懐かしかった
昔……ヘリを教えてくれてた時も時々こんな風に俺のことを撫でてくれてたっけ
俺はいつからか泣いていた
泣く俺をいつまでもいつまでも優しくナツメ先輩は包んでいてくれた