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🎈「はぁッッ、」
危機一髪だ。間に合ってよかった…。
「神代ー、初っ端から遅れるとかなしだからなー。」
🎈「へ、?、間に合って…」
「ないぞー、1分遅れ、な!」
い、1分!?!?
「先生〜、厳しすぎ〜。」
「そうだ、そうだ。神代がイケメンだからってさ。」
「うるさい。転校生だろうと容赦しないぞ。ってことで神代、放課後居残り、な?」
🎈「はっ!?」
「おいおい、転校初日だぞ!?」
流石にあんまりでは!?!?1分ぐらい良くないかい??
「てなのは嘘で。書類渡したいから寄っていってくれないか。」
🎈「あ、」
「最初からそう言えば良いじゃーん」
「先生、おもんない。」
な、なんだ。肩を落としてほっとする。流石に初日から居残りなんてごめんだ。
「分かったな?、席に着け〜。」
そして僕にとってこの学校初めての授業が始まったのだった。
2、3限も終わって4限目。4限目は体育だった。それもサッカーボール。僕、あんまり好きじゃないんだけどな、。スポーツ自体好きでは無い。だけど、これが終われば…。
「神代くん〜、着替え行かない?」
🎈「え、あぁ、」
「身長大きくて羨ましいなぁ、」
🎈「そ、そんなことないよ」
急に話しかけられた子と一緒に男子更衣室へと向かう。
🎈「よかった、更衣室分からなかったんだ。助かったよ。」
「あぁ、そうだったね。それと、僕の名前。僕は小野原。体育は苦手なほうなんだよね」
🎈「え、苦手なのかい!?僕も同じさ」
名前覚えられたらいいな。あんまり、人の名前覚えるのは得意じゃないし。興味が湧いたらスラスラ覚えられるタイプなんだけど。
「ねぇねぇ、神代くんさ。答えたくなかったら答えなくていいんだけど…」
🎈「ん?どうしたの?」
「もしかして、Subだったりする?」
喉からかひゅっと音がする。突然聞かれて動揺が隠せない。嘘…。バレたのか?、どこから。そもそも誰にも伝えてない。母さんは保健の先生だけに伝えたと言っていた。まさか、保健の先生が?、嫌だ。この学校ではああやってならないようにって。
“あはははっ、どこまでいってもSubだな”
“お前は用済みなんだよ”
“抗えない、人間としてのゴミ笑笑”
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
…..くんッッ!!
「神代くんッッ!!、大丈夫!?!?」
小野原くんの声に、はっとする。いつの間にか気を失いかけていた。
「大丈夫!?、ごめん、聞くべきじゃなかったねッッ、」
🎈「いや…大丈…夫だよ…」
そうだ、一旦落ち着こう。別にバレたわけじゃない。僕のことを知るやつなんてこの高校にはいないんだから。
🎈「すまないね、朝から気分悪くて」
「大丈夫なの!?授業休む、??」
🎈「いや、大丈夫だよ。全然。」
はぁ、心配させてしまったな。それに答えないと疑われる可能性がある。大丈夫だ、何度も練習はしたし。
🎈「質問の答え、言ってなかったね…、。」
「む、無理に言わなくても良いんだよ?」
🎈「いや、僕はDomだよ、」
落ち着け。落ち着け。まずい、震えてきた。自分が思っているよりも過去のことがこびり付いている。かき消して。そうだ、誰もしらないんだ。大丈夫だから、、。
「やっぱり!」
🎈「え、?」
「いやぁ、見た時からそんな気がしてたんだよねぇ。身長高くて整ってて。僕の偏見だけどそんな気がしてたんだぁ。いいなぁ、神代くんの相手。絶対に最高だもん!!」
予想外の返答に戸惑いが隠しきれない。もっと、嘘だろとか疑ったりするはずなのに。小野原くんを見る限り、そんな風には感じなかった。ひとまず、安心する。
🎈「お、小野原くんは?」
「僕?、僕はねぇ…」
「はい、ストーップ。」
手が上から伸びてきて、彼の口が塞がれる。身長は僕よりも低いものの、そこそこあって大きい部類だと思う。
「んむ、」
「遅いと思ったら何しての」
「んんん!!、野村くん、やめてよっ!!」
みるみるうちに小野原くんの顔が赤くなっていく。おや、これは…
🎈「野村…さんですか、」
「ん、転校生か、」
「もー!せっかく話してたのにさ!」
「はぁ、、分かってないな」
「はぁ??、僕が誰と話そうが勝手でしょ!」
いやぁ、僕にはイチャイチャしてるようにしか見えないなぁ、。これは知ってる範囲で考えると…
「ちゃんと、制服は着こなした方がいいぞ」
「いやいや!ブーメランっ!」
「こーっれ」
🎈「…ッッ、」
野村くんが小野原くんの首元を触ると何かがキラリと輝く。Collar…??。近くにいたけど何も気が付かなかった。オレンジ色の首輪。周りが少しずつ赤くなっていく。
(Collarとは、DomとSubの関係成立の証として、DomがSubに送る首輪のこと。)
「ちょっっ/// 」
「1限目からずっっと見えてるけど、もしかしてわざとだったりするの?笑」
「わざとなわけ!///」
あぁ、。何故かこの関係が羨ましいと感じてしまった。2人が物凄く幸せそうに見えて。
「ってことだから。お前がDomだろうと渡さないよ?」
🎈「…それが目的かい?」
「親しそうに話してたからさ。」
やっぱり”嫉妬”か。
「野村くん!、神代くんにはもうパートナーがいるんだからさ!」
「そうなのか?」
🎈「え」
「こんなに顔整ってるんだからいるに決まってるじゃん!」
嫉妬、独占欲。これも全て僕には無縁。ましてやパートナーだってそうだ。こんな症状が重たいSubを誰も引き取りやしない。引き取るやつなんて、奴隷として扱う、ろくでもないやつしかないんだから。
「ふーん、ならいいが。」
「わかったら、離してってば!!」
🎈「あはは…」
胸のあたりがチクリと痛む。ずっとずっと、Sub性を発散できなくて。そのせいで過去に酷い仕打ちをうけた。
「た、体育遅れるからっ!! 」
「あー、そうだな、先行っとくぞ」
「はぁ、、はいはい、、」
心許せる人が欲しい。