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2024年06月27日

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校舎の廊下を歩くと、至る所に掲示板があり、そこには生徒達の成績表が張り出されていた。

教室に入り、席につくと、教師の厳しい目が一瞬で全員を見渡す。

誰もがその視線にさらされることに慣れているが、心の中で感じる重圧は日に日に増していくばかりだった。

先生「みんな、席について。今日はテストの返却をするから」

教師の声に従って、教室は一瞬で静寂に包まれた。 テストの結果が生徒達の運命を決める。

ただの紙切れに過ぎないが、その紙にはそれぞれの未来が刻まれているように感じられた。

先生「次、〇〇。これどういうこと?」

〇〇はビクッと体を震わせ、前に出て行った。

教師の手には低い点数が記された紙が握られている。

教室中の視線が〇〇に集中する中、〇〇の顔は紅潮していく。

〇〇「すみません…次は頑張ります」

その言葉に教師は冷たく頷き、〇〇の肩を叩いた。

それは慰めのようであり、失望の表れでもあった。

先生「次はもっといい結果を出してくれ」

席に戻る〇〇の背中は、その言葉の重さに押し潰されそうだった。


放課後になると、〇〇は図書館に向かった。

そこは唯一、自分のペースで勉強できる場所だった。しかし、その静寂の中でさえも、評価の影は〇〇を追い続けた。

日々の生活は次第に厳しさを増し、心が擦り減っていくのを感じる。

学校の中では、成績以外の価値を見出すことが難しくなっていた。

友人との会話も、点数や評価に関するものが多くなり、純粋な楽しみは消えていった。


先生「次のテストで平均点を超えてない者は部活動を退部してもらうから」

生徒達の顔が暗く沈んだ。部活動は彼らにとって、唯一の息抜きであり、仲間と共に過ごす大切な時間だった。それが奪われることは彼らにとって大きな痛手となる。

〇〇もまた、その話を聞き、不安を覚えた。成績が低ければ息抜きの時間すら奪われる。

〇〇は益々勉強に没頭し、夜遅くまで机に向かう日々が続いた。

しかし、その努力は次第に彼の心を蝕んでいった。焦りと不安が募り、次第に〇〇の表情から笑顔が消えていく。


自宅の自室で勉強机に向かいながら、両親の言葉を思い返していた。

居間から聞こえるテレビの音と、両親の会話が微かに耳に届く。

父「〇〇の成績落ちたみたいだな。どうなってる?」

父の厳しい声が一階から聞こえた。〇〇は溜息をつき、机に広げた教科書に目を戻したが、集中できなかった。母の会話が微かに耳に届く。

母「もっと頑張らないとダメね。あの子の将来を考えると、このままじゃ困るわ。」

母「なんでうちの子はこうなんだろ。〇〇さん家の子は賢いのに。」

父「そうだな。たくさんお金をかけてきたのに、全然結果が出てないもんな。」

〇〇はペンを握りしめ、手が震えた。

自分の部屋でさえ逃れられない。学校だけでなく、家でもプレッシャーに押し潰されそうだ。

翌朝、〇〇はあまり眠れぬまま学校に向かった。

教室に入ると、教師の冷たい目が〇〇を捉えた。

先生「〇〇、遅刻だぞ。はやくノートを提出しろ」

〇〇は無言でバッグからノートを取り出し、教師の机に差し出した。教師はノートを一瞥した。周囲のクラスメートから囁き声が聞こえる。

クラスメート「〇〇、また叱られてるなぁ。」

クラスメート「もっとちゃんとやればいいのにw」

放課後、〇〇が家に戻った。

母「今日はどうだった?成績のことで何か先生から言われた?」

〇〇「別に…」

〇〇は短く答え、急いで自分の部屋に逃げ込んだ。ベッドに倒れ込み、天井を見つめた。自分の居場所がどこにも無いように感じられた。

逃げられない。

夜、再び居間から聞こえる両親の会話に耳を傾けた。

母「〇〇がこのままじゃ、△大学も難しいわね」

母「偏差値が70も無いところは絶対に駄目なんだから。あの子の将来の為にも」

父「もっと厳しくしないとダメだ。甘やかしては将来が無い。」

その言葉に、〇〇の心は完全に折れた。〇〇はベッドから起き上がり、机の引き出しから何かを取り出して、震える手で跡を刻んだ。




ある日、〇〇はふとした瞬間に、自分が何のために勉強をしているのかが分からなくなった。

成績のため、評価のため。

それだけが目標になり、夢や希望は次第に消えていった。

〇〇「なんで生きてるんだろ」

その問いに答えを見つけることができないまま、また机に向かい、努力を続けるのだった。

時が経つにつれ、〇〇の心の中には暗い影が広がっていった。

夜中に目が覚めることが増え、無意識に窓の外を眺める時間が長くなった。

心の中で繰り返される問いに答えを見つけられないまま、次第に自分自身を見失っていった。

ある晩、〇〇は家を出て、静かな夜の街を歩いた。

心は重く、先が見えない暗闇に包まれていた。

橋の上に立ち、冷たい風が頬を撫でる。

ふと、下を流れる川を見下ろした。

〇〇「無理だ…」

その囁きに従うように、彼は一歩、また一歩と足を進めた。

最後に見た夜空には、星が静かに瞬いていた。

そして、次の瞬間…

田中の姿は闇に消えていった。

結局〇〇は逃げ切ることなんて出来なかった。

翌朝、川から遺体が引き上げられた。

学校中に悲報が伝わったが、たいして生徒達や教師の心には深い傷なんて残らなかった。

〇〇の自宅の机の上には、刃物で乱雑に切り刻んだ跡があった。

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