キス表現、ぐちがほんのちょっとS?
好き
そんな “ 恋愛 “ 感情、俺にはないって思ってた、信じていなかった。
君の笑顔が好き、笑い声が好き、顔が好き、性格もカラダも全部好きだって。
いつから気づいたのだろう。いつものように一緒にゲームをしていたときだろうか。
君の笑っているところを見ると、心の中ではどくんどくんと心臓の音が聞こえてる。
男同士なんて変なのだろうか、俺は変なのだろうか?
「ぐちつぼ……ンハハハハwww」
癖のある笑い声、俺が一番好き。俺は君が好きなんだ。
「…………らっだぁ」
「え?何?…w」
まだまだツボっている君、幸せ者な君。みんなに愛されている。もしかしたら、俺以外にも君を愛しているがいるかもしれない。
俺は、君のモノになってもいい。君の友達、親友、仲間…そんなんじゃ嫌だ。
…恋人、それがいい。
「好き、付き合って」
「__ぇ、っ」
今日、君に俺の思いを伝える。
1週間前、らっだぁ、ぺいんと、ぐちつぼの3人で久々の雑談配信をしていた。そもそも3人での雑談配信なんてめったにない。
「え、ぺいんとは結婚したくないの?」
「結婚…うーん……難しいな」
「じゃあぐちつぼは?好きな人とかいないの??」
「ガキの恋ばなじゃねぇか…好きな人ね、」
好きな人、そんなのいないだろう。絡んでいる女性は少ないし、リアルでもいないし。
「いや、いないな」
「えー?マジで?俺はいるよ」
「え!?らっだぁいるの?」
「うーん、じゃあぺいんとで」
「じゃあって何だよw」
…ボケ、だったんだろう。らっだぁのいつものこと。いつも、いつも…?
俺のことは、好きじゃないのか。
とぅーんとらっだぁは仲良し、というのも知っている。俺も配信に誘われているからきっと仲良しとして見られているはず。
「…らっだぁは、とぅーんが好きなんだ?」
「まあおれとぺいんとの中だし~、え?もしかしてぐちつぼ嫉妬してる~?」
「……してないが?? 」
リスコメ:嫉妬
リスコメ:ツンツンサボテン
リスコメ:可愛い
「…かわいくねーしさぁ」
「リスナーいいぞーw」
何でだろう、俺はらっだぁが好きなのに。
__え、俺いま…すきって、
「…あ、ごめん。俺用事あるから抜けるわ」
「おっけー、じゃね」
「ぐちーつばいばい!」
ポロン♪
「…すき、」
好き、好き、すきすきすきすきすき………
「俺、らっだぁのこと…」
好き、だったんだ。
気づいてから、らっだぁと話したりゲームをしたり笑いあったりしているときは意識をしてしまうようになった。
笑い声を聞くとニヤニヤしたり、自分でも分かるくらいの幸せそうな顔をしていると思うだって可愛いんだからしょうがない。
「…?ぐちつぼ?」
「あ、なに?」
「いや、ぼーっとしてるからさ。なんか最近ぼーっとしてるよね」
「そっ…かな、」
ああ、好き。この気持ちを伝えたい。
俺はらっだぁが好き。
若干息が荒くなるが、すぐに深呼吸をする。
「俺んとこのリスナーも最近ぼーっとしてるって言ってるよ?」
「…ふーん」
「何だよそれw」
笑ってくれた。可愛い。
…まって俺変態じゃね?ずっとすき、かわいいって思ってるし。
「…ちょっと俺眠いわ。配信閉じる」
「おっけー、じゃあおれも閉じるね」
「…すき」
「ん?何か言った?」
「んーん、言ってない。おやすみ」
「おやすみー」
…………………………
(…心、もやもやしてる…)
この気持ちでずっと過ごしたくない。ずっとらっだぁと話すたびどきどきして、もやもやして。息が荒くなって、ずっと変態みたいなこと考えてて。
いやだ、こんな自分。変わりたい。
「…勇気、ないなぁ」
もちろん、言う勇気なんてない。もし言えても「え?やだよ」とか言われたり、俺のこと嫌いになるかもしれない。
「寝よ、もうもやもやすんのやだ…」
そんな考えをシャットダウンし、深い眠りにつく。
「…ぐちーつ?最近ずっとなんか…ぼーっとしてるって言うかさ、」
「いや、してないよ」
「嘘だ。何か悩んでる?」
次の日、配信じゃなくプライベートで色々な種類のゲームをとぅーんとしていた。
ゲーム中でも上の空だったらしい。無意識にため息もついてしまう。
「あの、さ」
「うん」
「らっだぁのこと、どう思ってる」
「……らっだぁ?仲良くしてくれる友達、かなぁ…?好きだし」
「…likeの方?それとも…ら、love?」
「likeだよ。もしかして、ぐちーつloveでらっだぁ好き?」
「じつは、…………………そう」
言ってしまった。秘密を暴露してしまった。言うと同時に顔があつくなっていく。
「あー、だから雑談配信のときね、なるほどなるほど」
「それで、気持ち伝えたいんだけど勇気出なくて、ずっともやもやしてて、いやで…」
「まあ、勇気いるよなぁ…ちなみにどんなところが好き?」
「全部。笑い方、笑顔、声…可愛いし、すき!」
「じゃあ、それを伝えるしかないよねぇ」
「……そうだけど、」
「………じゃあ、俺がらっだぁに告るかな 」
「ぇ、らいくの方って…」
「ぐちーつが勇気出ないなら…俺が貰っちゃうよ?」
「っいやだ!!俺が、おれが一番らっだぁのこと愛してる…!!!」
「…w」
「あ、っ」
ぜったいわざと言ったんだろうなと後に気づく。俺に勇気を出させるためだろう。
「じゃあ、その気持ちを伝えるだけだよ?」
「…俺、明日らっだぁとの配信で言う」
「配信で言うの?いいねー、配信みとくね」
「おう!」
決めた。明日、俺は気持ちを伝える。
らっだぁにすきだって、付き合ってって。
__成功させるから。
「よっし!」
今日は配信の日。らっだぁと二人きりのゲーム配信。確か、スイカゲームの二人対戦をやる予定らしい。
「んん゛っ…らっだぁやほー」
「お、きたきた。配信つけるねー」
声、いつもの落ち着く声。好き
「今日ぐちつぼとスイカゲームやるよーん」
「ぐちつぼでぇす!」
リスコメ:きたーー
リスコメ:やったぁ!!!
リスコメ:楽しみ
「はい~、おれの勝ち!」
「らっだぁ強すぎだろ…!!不正!歪!!」
「雑魚乙~~!!」
…嬉しそう、すき
「あぁーっ!!やばいやばいやばい!」
「はいかち^^」
「クソつぼ」
「は??w」
焦ってるの、すき
「ぐちつぼ……ンハハハハwww」
すき、すき、すき
「………らっだぁ」
「え?何?…w」
リスコメ:?
リスコメ:どした
少し間をあけて、深呼吸をして
__好き
「好き、付き合って」
「__ぇ、っ」
リスコメ:!!!?
リスコメ:ぐちつぼ!!?
リスコメ:おおおお!!???
「まっ、て…?ドッキリだよねぇ…、びっくりしたぁ」
「ドッキリじゃない」
「いや、さすがに嘘だろ」
「嘘じゃない」
「…なん、で…そんな声色変わってるの?」
「好き」
好き
好き
俺の気持ち
伝わらないのか?
なんで?
俺は勇気を出したのに
なんで…?
「好き、だって…」
「え、え…?」
泣くな、泣くな泣くな泣くな…!!!
我慢しろ、気持ちを伝えろ。
「…お、俺。らっだぁのことが好き。だから、その!!」
__付き合ってください…っ!!
その言葉を発した瞬間、コメント欄がもっとざわついてきた。
どうすれば信じてもらえる?どうすれば、
「…………、」
あー、黙った。終わりか。
俺の恋も、ここで…
~~♪
「……電話…?ぐちつぼじゃない?」
「…ん」
[もしもし、ぺいんとでーす]
「ぺいんとじゃん、配信みてんの?」
[うん、みてるよー!まさか、ぐちーつがらっだぁのこと好きなんてね]
…演技?なんで演技なんかしてるんだ?
「…なに、?」
[…じつはさ、俺もらっだぁ好き。付き合ってよ]
………え
「は?」
いや、嘘だ。だって、らいくのほうだって。
[本当に好き、付き合って]
「…ドッキリじゃない?」
[うん、お願い!俺が一番らっだぁを愛してるよ…!!]
その瞬間、俺のなかの糸のようなものがぷつんと切れた。
「俺が一番愛してんだよ、黙れ」
[え~~?俺だって!]
「え、え…??」
「俺が一番なんだよ!!おれが、一番らっだぁのこと愛してる!!俺が、俺がっ!!!」
__じゃあ、らっだぁはどうする?
「…」
[じゃ、切るね~…
がんばって、ぐちーつ]
ぼそっと呟いてから電話を切られる。
…なんだ、やっぱ嘘じゃねぇか。
「…あらためて、言う 」
「俺と、付き合って」
「…ごめん」
リスコメ:断った!!?
リスコメ:そもドッキリっぽいもんな
「ぁ…っ、」
「おれの方が、ぐちつぼ愛してる。ぐちつぼがおれを好きなようにおれもお前が好き。おれからも、言う」
__よろこんで
「わこらだ~」
「はい、ぐちつぼもいるぞ」
リスコメ:きちゃ!!
リスコメ:カップルじゃん
「えーと、今回は愛を確かめるだけの配信でっす!昨日付き合いたてだしw」
「…すき」
「笑うたびに好きって言うのやめよっか? 」
「ゴメンナサイ;;」
リスコメ:www
リスコメ:愛を確かめるってなにすんの?
「えーとね、愛を確かめるのは__」
ちゅ
「…ぇ?」
「これでいいだろ?らっだぁ」
「…お前、ぐちつぼ ほんと」
一生愛すから
__また甘い音が配信に鳴り響いた。
コメント
2件
好きっっっっです!こんな配信が本当にあったら間違いなく尊死してますね👍