岩本side
肌寒い朝。
鳥の囀りも風の音もない静寂の森の近くにSnowMan全員は番組の企画と聞き現地集合で館にやってきた。
だがスタッフも阿部ちゃんの姿は見られなかった。
森の近くだからなのか分からないが少し肌寒く、
全員で話し合い館に入ることにした。
中はとても綺麗で誰か人がいるのだろうと思い
佐久間が
「誰がいますかー! 」
と大きな元気な声で叫んだ。
だが誰からも返事は来ない。
スタッフさんが前日に掃除してくれたと考え
阿部ちゃんとスタッフを待っていると
ガチャという音が聞こえ誰かが来たのかと思い
後ろを向くがあるのは大きな扉だけ
不気味な事が起こった為全員黙って扉を見つめると
その沈黙を打ち破るように翔太が
「誰かがここで合ってんのか心配になってんじゃねぇの?」
と少し震えた声で言った。
みんなはそうだよなと言い扉の前に近づきドアノブに手を伸ばした。
…だがドアノブはびくともしない。
「はぁ…、?なんでだよ…!?」
ふっかが声を荒々しくしながら言った、
俺にも理解ができなかった。
「ねぇほんまに開かんの…?」
康二が泣きそうな声で言った。
その言葉でやっと事の不味さを知った。
俺はみんなに言った。
「なぁ。」
「これ…閉じ込められてんのか…?」
その瞬間全員がこっちに向いて少し引き攣った顔で
「ドッキリじゃない…?」
「こんなこと有り得るわけないじゃん…」
と次々に言っていく、まだ現実を受け入れてないようだ。
「あの、みん…!」
俺が言葉を放とうとした瞬間
ドシャッ という音が後ろから聞こえた。
「いてっ!…よっと」
後ろから高くて可愛い声が聞こえた。
「は…ぇ…、?」
誰も怖くて後ろを向けない状況に陥ってたら後ろから
「何してるのー!早くこっち向いてよ!」
という声が聞こえた。
「だ、誰だょ…、」
目黒が小さな声で聞いた。
相手は返事をしないまま時間が過ぎ去っていった。
もう自分たちが振り向かないと何も進まないことに気づき
全員で振り向くことにした。
「せーのっ…」
全員が振り向き目を開けるとそこには
小さなうさぎの人形が居た。
「な、なにあれ…」
ラウールが不思議そうな声で言うと
人形からさっきの高くて可愛い声が聞こえた。
「やっとこっち向いたー!」
うさぎの人形から声が聞こえる。
幻覚ではない。
「人形がしゃべった…、?」
舘様がメンバーが思っていることを言ってくれた。
「にんぎょー?まぁ人形か!ボクの名前は???
だよー!よろしくね!SnowMan!♪」
その人形は俺らのグループ名を言った。
何がよろしくなのか、一体???は何者なのか、
ドッキリなのかもう頭がごちゃごちゃになっていた。
「えーと!ゲームルールの話してもいーい!?」
明るく???は言い放つ。ゲーム…?なんの事だ。
そんなのスケジュールにも書いていない。
「あの…さ…ドッキリなんじゃない、?」
佐久間が震えた声で言った、その意見にみんなは納得した。
だってこんなこと現実にある訳ないじゃないか。
その後はみんなホッとし???の話を聞くことにした。
「ありがとう!ゲームの名前は リアル鬼ごっこ!」
鬼ごっこ…?普通じゃないか。と思い
黙ってルールを聞いていると信じられないルールが発表された。
「えーと!
まずリアル鬼ごっこはルール的には
普通の鬼ごっことほぼ一緒なんだけど
逃げる側は逃走者って言って
逃走者は鬼の正体が分からないんだよね
だから逃走者はもしかしたら話してた人が
鬼の可能性もあるんだよ!」
なかなか面白そうなルールだなと思い楽しみになって行ったがそれからのルールは…
「ちなみに逃走者は鬼に捕まったら殺されるんだよね!♪」
その発言により全員の頭にハテナが浮かんだ。
殺される…?鬼ごっこで…?
「鬼は逃走者を全員殺せば勝ち!」
???はとても楽しそうな声で言った。
…ちょっと待てよ。
鬼ごっこだとしたら鬼は誰になるんだ…、?まさか…
そんなことを考えていると考えてたことが口に出ていたかのように
???が答えを言ってくれた。
「鬼は君らの中から2名もう選んでるよ!
1人ずつ別室に呼ぶから来てね!♪」
は…?俺らから2名…?
ならその2名はメンバーを殺さないと行けないのか…、?
「なんで俺らがそんなのに参加しないと行けないんだよ!」
翔太が焦ったように口を出したが
???は気にせずルールを説明して行った。
「さっきのを簡単にまとめると!
逃走者は6人、鬼は2人!
鬼はもう決めてるから後で1人ずつ部屋に来てね!
鬼は逃走者を全員殺さないといけない、武器も使えるよ!
自殺不可。
鬼の正体を逃走者が言えたらチョーカーが爆発して鬼は死ぬからね!
逃走者は鬼の正体が分かったらボクに報告しに来てね!
途中で捕まって殺されたらそこで終わり。
って感じかな!質問あるー?」
???が言っていることに何一つ理解が出来なかった、
他のメンバーも一緒の状況らしい。
「質問ないねー!?なら岩本ヒカル?くんから来てー!!!」
高い声で俺は???に呼ばれてしまった。
進まない事には何も始まらないと思い俺は???について行った。
全員が別室に行き役職を発表し終わった。
俺は×××だった。
…頑張らないとな。
「はいはーい!みんな役職発表されたねー!?」
全員無言で頷くだけ。そんな態度に???は少し困っていた。
「テンション低いね…それじゃ!みんな外出てー!」
???はそう言い自分で歩き始めた。
「はえ!?歩いた!?」
ふっかが驚いて言ってしまった。俺もびっくりした。
「歩けるよそりゃあ!とべるし!」
???は当たり前のようにジャンプしてくれた。
…少し可愛いかも、笑
みんなが外に出て辺りを見渡すと辺りは
遊園地のように広い庭と森があった。
…広いな。
「柵があるからそこを過ぎなければどこに行ってもいいよー!
ちなみに過ぎると首のチョーカーが爆発して死ぬから気をつけてね!」
可愛い声で怖いこと言うなと思いながら自分のチョーカーを触っていた。
よく出来たやつだなぁ…
「じゃー10秒後にスタートしよっかな!」
「はーいはい逃げて!!!」
そう???が言いゲームが始まった。
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