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│海が恋しくなって
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│空を見上げると
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│そこには海月がいた。
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│海月は海よりもさらに広い空を悠々と泳いでいた
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│海月は90%以上が水分らしいし、
│入道雲は湖くらい水分含んでるらしいし、、
│
│
│─────同じ、か、?
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│スッキリしない頭でそんなことを考える。
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│「ついに限界きたかなー」
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│そう独り言ちると
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│海月がゆらゆらと近づいてきた。
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│水彩絵の具でぬったような、
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│いや、もっと繊細な、
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│空から色をとって、
│海の泡を吸い込んだような色。
│
│
│
│「綺麗…」
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│ふわっ、と私の頬を包んだ毒のない優しいその
│手は私に触れた途端に
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│「おいで」とでも言うようにゆっくりと
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│私から離れていった。
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│今すぐにでも泡になって消えてしまいそうな
│海月は頼りなく揺れて
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│何よりもわたしを強く
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│励ましてくれた。
│
│
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│「海に帰ろうか」
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│私は海月を見送り
│
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│
│
│海に向かう電車に乗った。