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「おねぇちゃん!何やってんのよっ!いきなり斬りかかるだなんて!。ごめんなさいヤツカドさん。ほんとは…こんなに野蛮な人じゃないんです…」
森で助けたミミ・バーランドの実家だとゆう武器屋の店内。突然に振り下ろされた鋭い斬撃を、私は寸でのところで受け止めた。横に立つ銀色のプレート・メイルが無かったら、きっと真っ二つになっていたコトだろう。
「いやあ悪い悪い。ミミがボロボロなシャツ着てるのに驚いて、後ろに裸の男がいたから、アタシはてっきりミミを追いかけて来たんだと思ったんだよ。…悪かったね?アンタ。でも良い反射神経だ。元とは言え、A級討伐者の太刀筋を見切ったんだからねぇ?。うふふふっ♪大したもんだ。」
「…どうも。(日本で死んだばっかりなのに…また死ぬのかと思ったよ。この人が言っていたお姉さんか。紅い髪に赤い瞳。際どいミニティーシャツにホットパンツ姿って…。ちょっとふわふわ系なミミちゃんとはタイプがぜんぜん違うけど、やっぱり美人だなぁ。しかも姉妹そろって…胸が…)」
商品である大型な剣を担いだナイスバディーな美人さんが、ニカッと笑いながら手の平を差し出してきた。床にへたり込んでいる私は、その手を握って腰を上げる。斬りかかってきた時とは…まるで別人の微笑みだった。
「アタシはララ。ララ・バーランド。このバーランド商店の代表取締役と鍛冶屋をやってる。…あんた、良い身体してるねぇ♪鍛えてんの?。(やっば〜い♡黒髪に黒い瞳の若い男なんて初めて見るぅ。しかも〜♪身体の線は細いのに胸板や腹筋がバッキバキだし♡。こんな子…理想的だわ♡)」
「いいえ、特には。…それよりも、お邪魔しました。私は…これで。(金もないし…どこか落ち着ける場所だけでも捜さないと。…あ、シャツが…)」
「ほらほらアンタ。裸に裸足で一人で歩くと治安隊に捕まるわよ?。この辺では見ない顔だし、旅人って割りには軽装すぎる。…訳ありならララさんが聞いてあげるからさ、取り敢えず奥の部屋に上がりな?。…ミミ?」
「もう!最初からそんな人じゃないって言ったのに!。…ヤツカドさん、こちらへどうぞ。今お湯を用意しますので、先に足を洗いましょうか♪」
「え?でも。女性ばかりの家に男の私が上がり込む訳には。(裸の状態で関わりたくないなぁ。…姉妹にとって、良くない噂も立ちかねないし…もしも今の状況を客とかに見られて…犯罪者あつかいされるのも困るし…)」
流石に上半身ハダカのまま街へ出る気にはなれないが、このままココに留まる事にも抵抗がある。通勤中、鮨詰めな電車内で痴漢呼ばわりされた時のトラウマが蘇ってきた。あの汚物を見る様な大衆の目。経験上、露出の多い女子に近寄ると碌な事がない。でも…シャツの回収はしないとだし…
「別に良いわよ、あんたはミミの恩人なんだし。…な〜に〜?アタシたち姉妹が美人だからってビビってるのぉ?。そんなんじゃモテないわよ?せっかくハンサムなのに♡。…ほらほらぁ、遠慮しなくていいからさ♪」
「はあ。(なんだか…ララさんの態度が手のひら返しになった様な。こうゆう時の女性は怖い物があるのだけれど…行く宛もないし仕方ないな…)」
私は姉妹の好意に甘えることにする。アチラの世界で死んだ筈なのに、何がどうしてこうなったのか。今となっては成す術もない。奇跡的に戻れたとしても58歳の定年間近なおっさんだ。若い女性など見向きもしない。
ましてや見ず知らずの私に、こんなにも親切にしてくれる美人姉妹なんてあの国にいる訳がない事も確かだ。とにかく今は落ち着いて、己を客観的に見てみようと思う。もしかしたらこの世界の慣習や価値観なども分かるかも知れない。激流に呑まれたような一日だ。今は休める時間が欲しい。
「ふぅん。コボルトの頭を一撃でねぇ。あ、レオくん、これも食べて♪」
「そうなの。ミミが渡したショートソードも使わずに、バキャ!って♪」
「もぐもぐもぐ。(…うう…うまい!。…しかもこんなに賑やかで、こんなに美味い飯なんて何十年ぶりだろう?。…野﨑の…結婚祝い以来かな?)」
58年の人生で、初めてなほど華やかな食卓だった。仲良く喋り笑い合う姉妹の表情が眩しくて、私は話し掛けるどころか愛想笑いすらできない。そもそも誰かと食卓を囲むこと自体が苦手なのだ。しかも美女となんて…
それでも私は、姉妹に歓迎されているらしい。白磁の大皿に乗せられた、こんがりと焼かれた何かの肉の塊をメインディッシュに、木のボールに山と盛られた色鮮やかなサラダや綺麗な皿たちが、食卓に華を添えている。花瓶に挿された大きな花束も、わざわざ寝室から下ろしてくれたそうだ。
この世界の主食はパンらしい。少しハードな噛み応えだ。そしてララ、ミミ姉妹の呑みっぷりが凄かった。なみなみ注いだワイングラスが瞬く間に空になってゆく。確かに飲みやすく、口当たりも軽い赤ワインだが、逆に飲み過ぎてしまいそうだ。借りたシャツを汚さないように頂かなければ…
「いくら下級魔族のコボルトって言っても…モグモグモグモグ。…装備も無しで闘うと無傷じゃすまないのに。…ほらレオくん、もっと飲んで♡」
「あ、ララさん。ワインはもう十分ですから。…とっとっと。…あの緑色の生き物、コボルトって言うんですね?。初めて見たので驚きました。…ぱく……もぐもぐもぐ。…あの森の付近には、魔物がよく出るんですか?」
「また増え始めたのかもねぇ。単体なら何てことないザコだけど、やたらと群れるから厄介なのよ。…それよりも、レオくんの事を聞かせてよ?。キミを家に招き入れた以上、アタシたちは知る権利があるでしょう?」
「わ…私のこと…ですか?。…そうですね、最初にちゃんと話した方が誤解やトラブルも起こらないでしょうし。…先ず私は、見た目ほど若くありません。記憶だけなら半世紀以上を生きています。正確には58年です。(これで予防線は引けたかな?。今の私の若い見た目を信用されて、変に接近されると色々と面倒だし、影でズルい男とか思われるのも嫌だし…)」
ワインを飲んだ勢いもあってか、私は口を滑らせた。そもそも自分が今の状況を理解できていないのに、聞かせて良い話しでは無い。しかし、今ここで隠し事をすれば姉妹の親切を裏切る事になるだろう。人生とは一期一会の連鎖だし…もう会うことも無い筈だが…やはり誤魔化したくはない。
「ふぅ〜ん。…こく、こく、こく、こく。ふぅ。レオくん58歳なんだ。」
「…つまり不老ってことなんですか?。もぐもぐもぐ…こくん。…ぱく…」
「へ?。(…なんだか二人の反応が。わ…私の…言葉足らずだったのか?)」
一瞬、私の中の時間が止まった。ジッと見ている美人姉妹の視線が、そのリアクションが、私の想像していたソレと余りにかけ離れていたからだ。微笑みながら尋ねてくるので姉妹の心理が読めない。フロウってなんだ?
もっとこう…眉を潜めたり、冷たい視線を向けられるのかと考えていたのに、姉妹はまだ瞳を輝かせている。私の転生(仮)とは、そんなに日常茶飯事的な現象なのだろうか?。確かめる為にも…具体的に語ってみよう。
「ええっと…勤め先で死ぬまでは58歳の身体でした。でも目を覚ましたら見覚えのない場所にいて、身体もなぜだか…もの凄く若返っていたんです。(それに、怖くなるほど強くなっている気もするし。緑の怪人の頭だって、たまたま手を前に出したら…勝手に吹き飛んだだけなんだよな…)」
「ふぅん。つまり〜別の場所で一度死んで、目が覚めたら若返っていたのね?。しかも死ぬ前の記憶はすべて残されたままで。う〜ん。それってなんだか『女帝さまが降臨なされた物語』に似てるわね?。ねぇ?ミミ。」
「うんうん。…女帝様も他所の世界から来たんだって吟遊詩人さん達がよく歌ってるもの。…発電所を作ったのも女帝さまだし、電話やガス燈や気球や火薬の作り方とかも全部、女帝様が授けて下さった新技術なのよ?」
「あとは鉄道や水道とかかなぁ?。未知の技術を伝えて下さったお陰で国は豊かになったわ。でもその分…外の国から狙われるようになったけど。」
「ごくごくごく。(そうゆう事か。冷蔵庫もあるし、ガスコンロらしき物もある。でもここに来るまでの街並みは中世なのか未来なのがよく分からない建物ばかりだった。その女帝が知識を持ち込んだとすれば未来の世界からだろう。しかし生身の人間が、身を守る物も無しに次元を超えるなんてあり得るのか?。時間の超越は理論上可能とされてはいるけれど…)」
更に目を輝かせながら姉妹が語る。この街の、国の繁栄を支えるのがたった一人の女性とは驚かされた。しかも国民たちは、彼女が此の世界の者ではない事さえも受け入れている。私の常識が異常なのだろうか?。私が知る限りニンゲンは次元を超えない。科学的な証明もなされていないのに。
私はどこかで、今日見てきた光景をリアルな夢だと思い込んでいた。 軽く小突いただけで吹き飛んだモンスター。肉体的な若返りと誰からも好意を持たれるだろう整った顔立ち。そして出逢った、理想を超える美人姉妹。
私は紋章の入ったランチョンマットの上で、未だに雫の伝うワイングラスをひと息に呷った。口内に広がる果実の芳醇さは疑いようもない現実だ。あまりの美味さに驚いた塊肉の味も、齧り付いた歯ごたえの良いパンの甘味も、シャクシャクと歯切れの良かったサラダの爽やかさも現実だ。
「それまで錬金術でしか作れなかった貴重な素材も、今では地面を削って取り出してるそうです。精錬技術?が他国とは桁違いらしいんですよ♪」
「そうなんですね。でも残念ながら、私には国を豊かにできるような知識はありませんよ。…ごちそうさまでした。…とても美味しかったです。(女帝さまの事もだけど、錬金術も気になるな。…どうにかして調べたいけど図書館とかあるのかな?。スマホもないし、街の探索から始めないと…)」
「あ、ごめんごめん。決してレオくんと女帝様を比較しているわけじゃないからね?。ただ、レオくんもコッチの世界に呼ばれたんじゃないかなって思っただけだから。…それにレオくんが自分の意志で来た可能性だってあるわ?。…もしかしたら、レオくんの世界でできなかった夢を、こちらの世界で叶えるために来た…とか。あ、これはアタシの妄想だけどね?」
何となく気分が沈んだ。私はもう…気楽な事を言っていられない現実を理解している。国を豊かにした女帝と呼ばれる女性のことはどうあれ、今のわたしに何ができるのだろうか?。この世界にはPCもAIも何も無い。
ましてや金も服も寝場所もないのだ。のんびりとはしていられない。そしてさらなる不安がある。文明も技術も開かれたこの世界では、自分を証明する物でもなければ働けもしないのではないのか?。国家を支えるのは民だ。その個々人を活用するための身分証が必須であってもおかしくない。
「…………。(これって、自分で思っている以上にピンチだよな?。来たにしても呼ばれたにしても今はそれどころじゃない。身の置き場だよ。自分の居場所を捜さないと絶対にマズい。まだ夕方だし…何とかしないと…)」
「あ。れ、レオさん?。スグにお風呂の用意をしますから入って下さい。ごちそうさま。お姉ちゃんはちゃんと食器を洗っておくように。いい?」
「あ〜い。…ごめんねレオくん。他人事みたいに言っちゃって。あはは…」
「いやいや、他人事でいいんですよ。気にしていませんし。ただ、心配してもらえてるのかな?なんて、ちょっと自惚れてしまいました。はは…。(いくら緊急事態でも、この姉妹を頼るのは論外だ。私が若い男の姿であるからには、あらぬ迷惑がかかるのは間違いない。満腹になれたし体調も問題ない。とにかく余力がある内に…私にできる職業を探さなければ…)」
少しばかり申し訳なさそうに言ってくれたララさん。彼女のその優しさにも感謝したい。しかし私の頭の中にあるのは焦りばかりだ。肉体的には問題がなくともこの世界の常識が全く分からない。そして、どんな世界でも人が生きるにはカネがいる。会社とゆう狭い世界でしか生かされたことの無い私に、未知の世界で生き抜く力があるのだろうか?。…自信は無い。
「その謙虚さ。ホントに頭の中は58歳なのね。でも…アタシはその方が楽だわ?。若い男はスグに感情を剥き出しにするから。怒鳴り散らして威嚇して、それでマウント取ってるつもりなんだろうけど、ぜんぶ自分の見栄と、自尊心を守る為のワガママだって気付いていない奴が多いのよね。」
「それ、確信犯ですよ。…少年の頃に上級生から脅迫強盗とかやられてました。…でも『誰にも言うな』が決まり文句なんです。大人にバレると罰を与えられる。悪い事をしている自覚があるのに手を染めるんです。そして社会に出ると『昔ヤンチャしてました♫』って笑い話にするんですよ。被害者がいる事も忘れて、若気の至りで片付けるのがニンゲンなんです。」
私は当たり障りのない程度に淡々と応えた。少年期の私はやはり社交性に乏しく、そのくせ背だけは高かったので格好のイジメ対象だった。目立ちたくなくても目立ってしまう理不尽さ。背を低くする為に両脚を折ろうとさえ思い詰めた時期もある。そんな学生時代が…6年も続いたのだった。
「他人に非情で自分に甘い人間の闇も経験済みかぁ。流石は半世紀以上を生きている男ね♪。ねえ?彼女とか。いいえ…結婚とかしたことあるんでしょう?。愛する女との生活ってさぁ〜♪夜はやっぱり気合入るのぉ?」
「………すみませんララさん。私…そうゆう経験はまったく無くて。結婚どころか同棲も…恋愛すらもした事が無いんです。…どう答えていいのか…」
「えっ!?。……そ、そう。ゴメンねぇ?レオくん。デリカシー無くて。でもアタシもミミもお年頃だしぃ?そうゆうのに興味があるのよね〜♡」
些細な見栄さえ張れない自分が嫌になる。そう…この年になる前から、会社で感じていた疎外感は正にそこにあるのだ。壮年未婚。だが二十代から四十代に至るまで女性とお付き合いする機会が皆無だったわけではない。
社内でも寿退社は珍しくなかったし推奨さえされていたのだ。そして私が三十代になった頃、現実にあった上司の娘とのお見合い話。しかし私は丁重にお断りしてしまう。養える金が無いのと生い立ちに引け目があった。
「あははは。私の実年齢を知ればそうゆう質問もしかりですよ。わたしは大丈夫ですから気にしないでください。それと、改めて礼を言わせてください。私の様などこの馬の骨とも分からない男に、温かい食事を提供してくれて。…この恩は必ずお返しします。少し時間はかかると想いますが…」
「ふぅん。一宿一飯の恩はぁ〜♪必ず返してくれる訳ねぇ?。それじゃあお店を手伝ってもらおうかしら?住み込みで♡。君みたいにハンサムな男子を、この街に野放しにするのは危険すぎるわ。一緒に暮らしましょ?」
「え!?や!雇ってもらえるんですか?。見ず知らずのわたしをっ!?。(一緒に暮らすぅ!?。…まぁ大丈夫だよな?わたし童貞だし。世の中には知らなくて良いものが沢山あるんだよ。知らぬが佛とも言うしな…)」
「コボルトどもの魔の手から妹を救ってくれたヒーローだもの。それに力持ちみたいだし♪。主に鍛冶仕事の助手がメインだけど、お給金はちゃんと弾むわよ?。週に銀貨10枚ね?。この辺の宿だと一泊で銀貨1枚だから悪くないでしょ?。それと部屋は空いているから無料にしてあげる♡」
これぞタナボタだしヒョウコマだ。現実を受け入れた途端に発生した焦燥に押し潰されそうな私に奇跡が起きた。しかもこんなに良い香りのする美女に雇ってもらえるなんて頬を抓りたくなる。ここは迷う余地さえない!
「条件は賜りました。なんの異論もありません。ありがとうございますバーランド社長。この八門獅子!全身全霊を持って務めさせて頂きます!。(住み込みってことは…寝る場所もあるって事だよな?。やったぁ♪。安心してください社長っ!間違っても妹さんと変な事にはなりませんっ!)」
「うんうん。全てこのララ・バーランドに任せて着いてきなさい♪。スグに一流の武器職人にしてあげるから♪。…あら?ミミ。…どうかしたの?」
美人社長のお誘いに舞い上がっている私の背後に、繋がりを作ってくれた妹さんが立っているらしい。慌てて振り返った私の目に飛び込む銀髪の美少女。ふわりとした桜色なワンピースが彼女の肌の白さを輝かせている。女性に不慣れなせいか、私はつい見惚れてしまった。…あまりに美しい…
「お姉ちゃん…ありがとう。…ヤツカドさんの事を認めてくれて。…ぐす。」
「なんでアンタが泣くのよぉ?。…ミミは初めからこうして欲しかったんでしょ?。何年アンタのお姉ちゃんをやってると思ってるのよ?。それに話してみて分かったわ。レオ・ヤツカドはぁ…若い美人に弱いってね ♡」
「う。さすがはバーランド社長。返す言葉も見つかりません。(!?。思わず社畜の癖が出た!。腰と頭を低くするのは社畜の基本。ですが社長?ひとつだけ違います。私は若い美女に弱いのではなく…苦手なのです…)」
「レオくん?その丁寧すぎる口調は頂けないねぇ。もっと砕けた話し方をして。これは社長命令だから。それと『私』じゃなくて『俺』。いい?」
「はい。社長のお言葉とあれば是非もありません。…それじゃ今から、肩の力を抜かせてもらうよ。…よろしくララさん。…よろしくミミちゃん。(うああ…背中がムズムズする!。でも焦りと不安が…スッと消えた?)」
「はいヤツカドさん♡。宜しくお願い致します♪。(ちょっと低くてシブい声♡。甘めなルックスとのミスマッチが凄く好き♡。…レオさまぁ♡)」
「うふふっ♡その調子でよろしく♪。(低めの声が胸に突き刺さってくるみたい♡。この街の男たちは女を道具としか思ってないから相手にもしなかったけどレオくんは違うわ!。傍にいるだけで…濡れてきちゃうし♡)」
そんなこんなで私の身の置き場が決まった。鍛冶屋の仕事など教育番組で見た程度の知識しかないが何とかなるだろう。いいや、何とかしなければまた焦りに煽られる。この好機を潰さないためにも懸命に務めなければ。