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ドッペルゲンガー

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ドッペルゲンガー

1 - ドッペルゲンガー

♥

801

2025年02月20日

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青さん中心の物語

自分の欲望全て注ぎ込んだものなので注意を

めちゃくちゃ長いです


桃青メインなはず 通報×









クラスで友達0人、中学の同級生たちもいま連絡を取れるか怪しい

陰キャでコミ障で地味で馴染めない僕は


「あははっ、かわいそ~!笑」


頭からバケツの水をかけられた。



いまどきこんないじめするやついるんだなんて

他人事のようにそれを受け止めていた。

空になったバケツを投げ捨てて彼らはその場を去っていった。


真冬に冷たい水を頭から被れば流石に寒い。

早く教室からタオルと体操着を取りに行かないとなのに昨日階段から突き飛ばされたせいで足が痛んで歩けない


いや頑張れば足を引きずって辿り着けるだろう

でも僕にはあいつがいる。


だからその場に座り込んで動かないでいた。


蒼「ほら、タオル。風邪ひくよ?」


やっぱり来てくれた。

僕の前に突然現れ、ふかふかのタオルを持って拭いてくれた。

心配そうに眉を顰めて、体操着まで用意してあった。


青「いたんだったら、止めてくれれば良かったのに」


蒼「他の人の前には姿を出さないでって言った人誰だったっけ?」


そう僕の前にいる彼は、僕と同じ髪色で声も同じ背丈も同じ、まさにドッペルゲンガーそのものだ


去年の夏休み最終日、虐めに耐えられず

命を絶とうとしたとき、彼が突然現れたのだ。


蒼「僕が青のことを助けてあげる」


次の日学校へ行ったら、

その日から暴力をされることは無くなっていた。

毎日顔や身体を傷だらけにしながら帰ることが無くなって少し心が軽くなった。


それに味方という存在が大きかった。


ドッペルゲンガーというものは出会ったら死んでしまうなんて言われていたが、僕は逆にこいつに救われた。

本当にドッペルゲンガーなのか、分からなくなる


でも幽霊なんかじゃない

ちゃんとこいつに触れられる。


蒼「ん?なにどうしたの、笑」


青「いや、触れるから」


なんだそれっとケラケラ笑う僕と同じ顔をするやつ

こっちの僕はそんな顔最後にしたのはいつだったっけ

そもそもそんな顔したことあったっけ


チャイムが学校内に鳴り響く

昼休みが終わってしまう


急いで立ち上がり歩き出そうとした時、あいつに止められた。

また心配そうに見つめていた。


蒼「お昼ご飯は?」


青「今日お弁当忘れたし、お腹空いてないしいいよ」


そう言うとポケットの中からおにぎりを取り出した。


蒼「おにぎりならあるよ」


青「聞いてた?お腹空いてないって…」


蒼「少しでも太らないと駄目だよ、だから食べたら?」


青「お前だって細いし」


蒼「青が太れば僕もそうなるよ」


目の前の僕と似てるけどどこか爽やかなオーラを放っている奴が太るのは少し気になる。

だが、僕まで太るのは話が違う。

いいんだ、僕はこのまま変わらないままで

どうせ変われないままなのだから



教室に戻れば誰かの食べ終わったごみが僕の周りに散乱していた。

犯人のグループに少し視線を動かせばニヤニヤとしていた。

仕方なく、それを拾い集めてゴミ箱に捨てた。










次に目を開けたら、青い空だったらのがオレンジ色に変わっていた。

僕は今までなにをしていた?

教室に戻って散乱したゴミを捨てて、その後の出来事が記憶が全くない。


僕はいま屋上のベンチに腰をかけていた。

青色のカーディガンがかけられている。

体操着を着ていた僕は制服になっている。

でも濡れたはずの制服じゃなくて、しっかり乾いている


蒼「おはよ」


もう1人の僕が顔を覗き込んできた。

こいつはいつも突然現れる、地味にびっくりするから辞めて欲しい


青「ねぇ、さっきまで4時間目だったよね、?」


青「気がついたらもう帰る時間になってたんだ」


蒼「…?青疲れてるんじゃない?」


蒼「早く帰ろ~、僕昨日の続きしたい!」


僕の発言を不思議そうに受け止め、別の話題へと流された。

何かがおかしい

意識が無くなった間なにが起こっていたのか知ってしまうことが怖い


あいつは絶対なにか知っている。

いつか聞き出してやる



だって前からおかしかった。


僕の数学の教科書はビリビリに破られていたのに、鞄の中に入っていたものは全てのページが詰まっていた


青「ねぇ、なにかした?」


教科書を見せてそう言ったって、あいつは不思議そうに首を傾げていた


青「嘘つき」


なんてぼそっと口に出したとき、微かに隣から声が聞こえたけどはっきりとは分からなかった。



次の日、教室の扉を開けたときに浴びせられる視線

それがおかしかった。


あんな怯えられるような視線なんかじゃなかったのに、みんな僕を見てすぐに目を合わせないようにしていた。


「おぃ″、青てめぇ″、!!」


いつものいじめてくるやつが僕に凄くキレていた

こいつもいつもと違う


いつもはもっと馬鹿にするように笑って絡んでくるのに、いまは怒っている

そして胸ぐらを掴まれて何かを話しているが、またあの時のように意識を失った。






「あ?なんだよ」


「っ″?!またお前、二重人格みたいになりやがって″、!!」









また目を覚ましたら屋上のベンチで寝ていた。

それにいまは放課後


やっぱりあいつに乗っ取られているのか?徐々に


このままでは僕のイメージがどんどん変えられてこの僕の方が偽物だって思われてしまう

早いところ、あいつを捕まえて…


なんて1人で悶々と考えていると、屋上の扉が開いて誰かがやってきた

あいつなら突然現れてくるから、扉を開ける必要なんてないのに


「お、持ち主はっけ~ん」


あいつの声じゃなかったので勢いよく振り返ると、そこにいたのは真っ赤な髪をしていて黄色と紫色のオッドアイの目で僕を捉えていた。

それにその人の腕の中にあいつがいた

担がれていて、頬に血がついている


自分のなのか誰かとやり合ったのか


「危なかったね、君。知らないところで殺人犯になるところだったよ」


青「は、?」


あいつは唇を噛み、そっぽを向いている。

やっぱり意識がない間あいつが動いていたのか


「上手くコントロールしないと駄目だよ?君飲み込まれそうになってたよ」


コントロールって言ったって、突然現れて消えるこいつをどうすればいいんだよ


「赤、生徒の手当してきた」


「ありがと~朱」


目の前には全く同じ髪色で背丈で同じ声の人がいる

僕以外にもいたんだ、知らなかった

世界は狭いもんだな、


赤「改めて自己紹介しよう、俺は生徒会副会長の赤だよよろしくね~!」


赤「で、こっちは君はご存知の通り、俺の似たような存在…ドッペルゲンガーと言うべき?朱だよ」


朱「…どうも」


生徒会副会長、そう言われると朝会で聞いたことある声だ


青「青って言います、ぁ、そいつは蒼」


赤「ふんふん、青くん…いや、青ちゃん!」


朱「赤、会長が捕まえたら来てって言ってなかった?」


赤「ぁ″、そうだったあぶな~、笑」


赤「ということで来てくれない?青ちゃん」





赤「会長~、ただいま戻りました!」


黄「おかえり、赤」


黈「赤っ、!!」


黄「黈?」


まさか生徒会長まで僕と同じようにいたとは

結構いるのか?こういう人って


ただいま分かったのは会長の本体は副会長のドッペルゲンガーの方みたいで副会長の本体は会長のドッペルゲンガーのようだな


自分で言ってよく理解し難いが


黄「どうぞ、座ってください」


紅茶を2人分差し出され、やっぱりこいつは他の人に見えるんだなと再認識する。

ほんとにドッペルゲンガーなんだな


僕がついじーっと見てるといつもならなに?とケラケラ笑ってくれるのに、今日はそっぽを向くばかりだ


黄「それで、青さん」


突然会長に言葉をかけられ、身体が硬直してしまう

副会長が少し笑いながら、そんな緊張しないでなんて言っている。


黄「意識が無くなるようになったのはいつからですか?」


青「ぇっと、1週間前くらいから、?」


黄「危なかったですね、もう少し遅かったら取り返しがつかなかった」


黄「ドッペルゲンガーの侵食。と言って、本体の身体を乗っ取ろうとするんです」


やっぱりこいつ…と少し睨むと、複雑そうな顔をしてまた僕から目を逸らした


黄「僕も乗っ取られかけたことがあって、あの時は大変でした」


赤「え~?あの時の会長可愛かったのにぃ」


黄「…本来自分が隠している人格がそれなんです」


そう言って僕のドッペルゲンガーを指さした


確かにそう言われると納得がいく

会長のドッペルゲンガーも副会長のドッペルゲンガーも蒼も


黄「解決方法はちゃんとあります。しかも殺すとか一生目の前に現れなくなるとかそういうものじゃなくて」


黄「自分の隠している気持ちを適度に出すことです」


黄「今日からその人格になりなさい。じゃなくてほんとにほんの少しで大丈夫なんです」


黄「自分の気持ちを押さえ込んじゃうと、誰しも限界を迎えちゃうので」


黄「そうすれば、乗っ取られないようになっていきますよ」


そう言って笑顔を見せた。

生徒会の仕事を真面目にこなしていて、周りが勝手にロボットような人だと言っていたので僕もそう決めつけていた


けど違った。

ちゃんとあんなふうに笑うんだって

副会長にいじられて恥ずかしそうに顔を赤らめることだって


僕もあんなふうに…


赤「また何か困ったことあったらいつでも来ていいからね~!青ちゃん!」


朱「お前も、来ていいよ」


蒼「へ、ぁ、ありがとう…笑」


黈「これからよろしくね!」


黄「僕たちもこれから仲良くしていきましょうね、えっと…青、ちゃん」


赤「いいな~、会長のあだ名呼び第1号じゃん~!」


黄「赤も犬ってたまに呼んであげてるじゃん」


赤「ぇ″、あれあだ名認定なんですか…?笑」


黄「わんちゃん…笑」


赤「んも″~!黄ちゃん!!」






帰り道を歩いていると突然また現れた

怒られた犬みたいに眉を下げて、僕を見つめていた


蒼「ごめんね、勝手に色々しちゃってて」


あの時上手く聞き取れなかった言葉がいまなら分かる気がした

ただ青を助けたかった。


そうだろう?僕。


青「僕のためなんでしょ、ありがと」


あいつは少し驚いてすぐに目を細めた。


蒼「これからも傍にいてもいい?」


青「もちろん。今日ゲーム付き合ってよね」


蒼「へへっ、やった、笑」









いきなり自分の気持ちを出せなんてまだ難しいけど、僕はほんの少し勇気を出してしばらく開いてなかったメッセージアプリを開いた。

ずっと疎遠になって距離を置いていた友人にメッセージを送信した。


するとすぐにいまから会えない?と返ってきた。


青「ちょっと出かけてくる」


蒼「うん、行ってらっしゃい、笑」


君は笑って送り出してくれた。

それだけで僕はずっと救われてきた。









青「桃くん、」


桃「青、ぇっと、久しぶり、笑」


幼なじみでずっと仲が良かった。

けど高校に上がってから避けられていると感じて自然と話さなくなって行った。


誰にも言えなかったSOSを言うために、メッセージを送ったんだ。


青「僕ね、ずっといじめられてたんだ」


桃くんは話を遮らないようにただ僕の話を黙って聞いてくれていた。


話終わったころには自然と涙が溢れて、

あぁ、僕こんなに限界だったんだ。なんて今さら気付かされた。


ハンカチで涙を拭いてくれて、相変わらず優しいなと昔の記憶が蘇ってくる。


桃「話してくれてありがとう」


桃「でもごめん、知ってたんだ全部」


桃「見て見ぬふりしちゃっててごめん、怖かったんだ。余計なことして青のいじめが酷くなるのが…なんて言い訳みたいだな…笑」


桃「あと、青が死んだような目してて凄く怖かった、」


だから桃くんと目が合った時目を逸らされたのか


青「僕のこと嫌いってわけじゃない、?」


桃「それはもちろんっ、!!」


勢いよく肩を掴まれ、桃くんははっと我に返って公園のベンチに座り直した。


桃「これからは俺が傍にいてやる」


青「ありがとう、桃くん。でも僕助けて貰ってたから大丈夫になったの」


桃「そう、なのか、良かった…」


青「でも、桃くんも大事な1人だから、これからもよろしくね、笑」


桃「おう、!」


桃「とりあえず、今度カラオケ行こうな」


青「やった、笑」


喧嘩してたわけじゃないけど、仲直り出来て良かった。


桃くんは家の前まで送ってくれた。

僕の頭をわしゃわしゃと撫でたら満足そうに帰って行った。


するといつの間にか僕の後ろにいた君がむすっとした顔で立っていた


蒼「おかえり」


青「ふふ、ただいま」


青「仲直り…できた」


蒼「そう、よかったね」



なにやら不満気な君。

僕も嫉妬深いからな…


青「僕のこと救ってくれてありがとね」


蒼「僕は何も出来なかったよ、返って余計なことしたみたいになったし」


青「傍にいてくれただけで、僕は嬉しかったの」


青「ずっとずっとありがとう」


蒼「…最後の別れみたいなこと言わないでよ」


青「今日ゲーム付き合ってくれるんでしょ?」


蒼「もちろん寝かせないから、笑」



ありがとう僕。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

2

ユーザー

律さんのお話久しぶりに読めてすっごく嬉しいです!!投稿ありがとうございます🥹💕ドッペルゲンガーって怖くて出会っちゃいけないイメージしかないけどこんな風に捉えて素敵なお話に出来る律さん天才すぎて流石でした🖤ほんとの気持ちを押さえ込みすぎちゃだめってメッセージも受け取れて素敵な作品でした!黄赤が相変わらず可愛すぎて黄くんの本性が可愛いのを知ってる赤くんと仲良しな黄赤の会話が尊すぎました🤦‍♀️

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