テラーノベル
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おはようを忘れた世界で僕は。
__次の日の朝、教室に入ると蛍光灯が僕をうざったい程に迎える。
蛍光灯の光が僕の目の奥にじんと刺さる。
…窓の外は、相変わらず…当たり前に、暗かった。
なんで、夜なんだろう。朝は…いつ来るのだろう。それとも、朝はもう来ない…?
「おはよー」
__誰かの声が教室に飛ぶ。
その挨拶に誰も違和感、疑問を持たない。
僕はこの違和感だらけの世界と教室に嫌気がさす。
物音を消して、僕は自分の席に座る。机の横に鞄をかける。
準備が終わり、ふと凪の席を見るとまだ誰も座っていない。習い事のある日の次の日は、大体いつも少し遅れ気味になるのだ。
「キーンコーンカーンコーン。」
チャイムが鳴る。
それと一斉に五月蝿かった皆の口がチャックを締められたように静かになる。
「ガラガラッ。」
ドアが勢いよく開けられる。
「はい、お前ら席につけー。」
担任の鬼谷先生。単刀直入に言うと、すごく怖い。怒ると手が付けられない、と皆から言われてるらしい。そのせいからか、皆は、オニ野郎とか呼んでるらしい。僕はなんだか違う気がして、普通に鬼谷先生と呼ぶ。
だって、鬼谷先生が怒る時は人が誰かを傷つけたときだから。
そんなときに怒り狂うのって、普通じゃないのかな。
…この考え方は、やっぱり“変”なのか?
周りと、違うのかな?
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