はぐれ組3人同棲ネタ(in日本のつもり)/※人名呼び※/現パロっちゃ現パロ/朝が若干口悪め
「……ん、さむ…」
朝、ふと夢から覚めて感じたのはその言葉。寝る前はしっかりフトン、とやらをかけて寝たはずなのに…。目を閉じたまま、手探りでベッドの上を探し回る。なんせ成人男性3人が一緒になって寝るものだから、キングサイズのベッドを買ったのだがそれが裏目に出るとは。一向に見当たらないソレに少し煩わしさを感じながら、諦めずに探す。身を起こせばいいだろうが、どうせまた寝るのだから無駄に体は動かしたくなかった。もだもだとしていれば、ふと指に慣れた感触が触れる。あ、あった。自分の方へ寄せようと、それを目いっぱい引っ張るが微動だにしない。おおよそ、己の可愛い恋人が独占しているからだろう。そんな彼の姿を脳裏に思い浮かべて、少し頬を弛めた。しかし、寒いのは変わらないので引っ張るのは諦めて、その塊へ身を寄せることにした。bagwormのように体をくるめているのか、触れるそれは彼の背中を丸くかたどっていた。あわよくば、と思ったか彼の腹の方へと手を寄せ、体をさらに密着させた。そして、頭の方へ手を寄せた時…
「……ん?」
なんか…デカイな……。思えば、腹の方へ回した手も、己の知っている菊の腰の細さとは段違いだった。もしかして、太ったのか?と一瞬思ったが、昨夜見た感じだとそんな 雰囲気はなかった。えぇ、なら……最悪な想像をした。それが現実じゃないように微かな希望を抱いて、目を恐る恐る開く。そこには__
「…Shit!!!!!!」
「ッ?!…おい!アーサー!!君、うるさいんだぞ!!!!」
「……Why did I do it? …Bollocks…」
「は?君一人でなに言ってるんだ?意味がわからないんだぞ…」
マジ、か…。あぁ、そうだ、俺の最悪な予想通り。俺はどうやらこの愚弟に抱きついていたらしい。目を開けて入ってきた色が金色だった時点で、察した。正直もう立ち直れないかもしれない(色々な意味で)。fワードを超えて、少し紳士らしからぬワードが出たのは一応反省しておこう。目の前でこちらを怪しそうに見つめる視線は無視して、頭をベッドの端で抱えていれば、ドアの向こうから足音が聞こえてきた。
「そんな大声上げて…どうされました?……あ、虫ですか?なら無理です、失礼します。」
そう呟きながら白いカッポウギ姿で、愛しの恋人が現れた。…かと思えば、アルフレッドの方をちらりと一瞥してドアを閉め始める。
「ち、違う!…菊……ちょっと、こっちに」
「なんですか…」と疑うように零しながら、彼は素直にベッドの端へ足を進めた。未だ身を起こさないアルフレッドを軽く蹴って、場所をどかせた。ぎゃんぎゃんと即座にこちらへ噛み付いてきたアルフレッドは無視して、目の前でクエスチョンマークを浮かべる彼へと手を伸ばした。
「はーーーー……これだよ、これ…。俺が求めてたのはこの薄さだ…」
そう呟いて、菊を抱きしめ、彼の首元へと顔を埋める。そしてこっそり、くんと匂いを嗅いだ。なぜだろうか。同じソープを使っているはずなのに己とはずっと違う、魅力的な香りのように感じる。…菊の、体臭?
「……」
「…もう……アーサーさんにしては珍しく甘えたですね。どうしたんですか?」
「好きだ…菊……」
「あらあらまあまあ…。私もお慕い申していますよ」
楽しそうな声色で菊はアーサーの頭をゆっくりと撫でる。不思議な効力があるのか、以前彼に撫でられていたあの野良猫のように、だらりと体から力が抜けていくのを感じた。このまま寝てしまおうか、と思ったところで急に菊の体が大きく揺れる。
「アーサーばっかりずるいんだぞ。俺にも構って、菊」
そう言って、前から抱きついているアーサーとは反対に、アルフレッドは菊へバックハグをした。そして、彼の形のいい輪郭を掴み、ぐい、と上の方へ傾けさせた。菊が何か言おうとしたのも気にせず、アルフレッドはその唇へキスを落とした。
「…すいません、その……アーサーさんが可愛らしくて…」
ぼっ、と赤く染まる彼の顔に思わず眉をひそめた。そんなお子ちゃまなキスでお前は満足なのかよ…?
「…菊……」
「あっ、なに…」
今ばかりは愚弟の力(体)を借りるか、と菊の方を押して、アルフレッドの方へ少し押し付けるようにする。困惑したような顔を浮かべながら、こいつの体に大人しくすっぽりと収まる菊が可愛くて仕方なかった。菊の瞳をじっと見つめてから、白く美しい足へキスを落とす。
「あ、アーサーさん…?その……朝餉は…?」
「菊」
「えっ?…あ、やだ、まって…」
「…はー、全く君は朝から元気だね。尊敬するよ」
「うるせぇ、バカ」
…そんなことを言っておいて、自分もしっかりと菊の腕を掴んでる癖に。
「まってください、その…こんな早くからするんですか……?昨日もしたでしょう…」
「関係ねえよ、菊がエロいのが悪い」
「や、…ぁ、ん、全くもう…元気ですね……」
「あ、いいのかい?菊はてっきり断るかと思ってたぞ」
なんて、断ったところでどうせその拘束は外れないだろうに、アルフレッドは意外そうに言った。あのしっかりした菊の顔が、とろりと情欲に解けていくのが好きだった。今、みたいに。
ちゅんちゅん、と外で鳴く鳥の声は無視をして、また3人はベッドへと身をつけたのだった。
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