ドクさんから折り返しがあり、一条あやめと連絡が取れたとの事だった。
「19時に歌舞伎町に迎えをよこすってよ」京子
私と京子さんは夕食をとりながら歌舞伎町で迎えを待っていた。
窓の外を見るとあの事件の夜を思いだす。NAOTOと食事をしながら、姉からの連絡を待っていた。
姉はこの東京でいったい何をしていたのだろう。
店の目の前に一台の黒いセダンが横付けした。
「あれだな🚙、いくぞ」
「はい」
黒服の男に誘導されセダンの後部座席に乗り込む。あやめは白真会の東京支部にいるようだ。何か糸口が見つかれば良いが。
歓楽街を抜けて新宿のとある場所に白真会の建物見えてきた、まるで巨大な神社をイメージしたような建物だ。
「こんな都会にこの広大な土地圧巻ですね」藍原
「全国展開の宗教団体だからな」京子
大きな鉄城門が開き車は敷地の中へ入っていく。敷地の中央部にある大きな建物のロータリーに車が止まった。
黒服が扉を開け建物の中に案内される。まるで高級ホテルのようなロビーがあり、和風の中庭がライトアップされていた。
私と京子さんは来賓室に案内された。
しばらく待っていると、あやめが側近の松本と現れた。
「あやめさん、お久しぶりです。」藍原
「こんばんは、花魁淵の時はありがとうこまざいました、京子さんもその節はありがとうございました。」あやめ
「あやめさん、ちょっとお聞きしたいことがありまして。。。」藍原
「学さんから、ある程度お電話でお聞きしました。」あやめ
松本はテーブルに一枚の写真を差し出した。
「この女性ですか?お姉さんと現場にいたのは」あやめ
私は写真を手に取り確認した。紛れもなく、あの事件現場で姉といた女性だ。
「この女性です。」藍原
松本が説明を始めた。
「このものは、白真会の信者、塩乃木というものです」
松本の話によると、事件のあと警察が白真会の本部に塩乃木について聞き取りがあったようだ。信者といえども何万人という規模でいる為、個人の行動、交友関係までは把握してなく、家族や職場を中心に聞き取りに切り替わっていったようだ。
「現場で霊視した時に、この女が一言だけ囁いた、それが白真会だ」京子
「私どもも警察が帰った後に、塩乃木が所属する支部に問い合わせたのですが、安易な目測で警察には伝えられない情報がありまして、警察には伏せていた事があります。」あやめ
松本は苦悶の表情で語り始めた。
白真会は明治維新の時代に分断された宗派で元はアマテラス信仰の日光天昇会という宗派でしたが、幕末の政治がらみもありスサノオ信仰の黒真会、アマテラス信仰の白真会に別れてしまいました。
現代では、黒真会では、極道との絡みなどもあり白真会の信者とのいざこざも時折ありまして、ここ新宿は特に問題が多くある場所なのです。
「先輩が現場で霊視した時、旧友が2人いたと言ってました。姉と塩乃木さん、そして先輩の旧友2人。そして正体不明の2人」藍原
「お前の姉ちゃんは、宗教戦争に巻き込まれたのか?」京子
「正体不明の2人は困難ですが、風間さんの旧友の所在を突き止め、話を聞ければ何かわかるかもしれないですね。」あやめ
「でもその2人と正体不明の2人が敵だったら、あやふやに近づくのは危険だな」京子
「まずは、先輩に相談したいのですが、先輩も体調不良のようで、、、」
「警察に知り合いがいるから当たってみるか、名前とか聞いてないのか?」京子
「たしか。。リキトとツバキっていってました。」藍原
あやめの方も当時の支部のものに塩乃木の件を再度聞き込みをすると約束してくれた。
「一歩進んだは進んだが、複雑になったといえば複雑になっちまったなぁ」京子
私と京子さんは白真会を後にして帰路にたった。
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