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プロローグ
あれは確か八月三日、夏休みに入ってすぐの事だった。
私は生まれつき目が見えなかったせいか気を使う人が多く皆んなと楽しく遊んだり追いかけっこをする遊びができなかった。
まぁしょうがない事なんだけどさ。
だから夏休みに入っても暇だったの。
何もする事がないんだもの。
でもね、ある日夢を見たの。
もちろん目は見えなかったけど確かに誰かと喋っていたのよ。
この独りぼっちの私が。
夢だったからあまり覚えていないけど幸せだった。
…まぁ夢だから、ね?
現実はそう甘くないのよ。
今この状態だからわかる。
でもこのままじゃきっとだめよ。
せっかく生まれてきたのにこのままじゃ、
だめよ。きっと。
でも、そんなに上手くいくほど人生は簡単じゃない。映画の主人公のようにはうまくいかないのよ。
だから、心の中でひっそりと願うだけ。
いつか、いつかでいいから私に幸せだと思う日がきますように。