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部屋の中にあった鏡は、ただの家具ではなかった。
母・律子も、父・正樹も、その鏡を買った記憶がなかった。
だが、律子が若い頃、祖母の遺品整理で見つけた“ある日記”に、こんな記述があった。
「納戸には近づくな。
鏡の中に、過去を忘れられぬ者が棲む」
― 明治二十三年 高梨千代子
この家系では、長く“ある言い伝え”が伝わっていた。
「この家には、“過去を封じる鏡”がある。
それは、存在しなかった者たちの“影”を映す」
鏡は、ただの反射物ではない。
それは、高梨家において「忘れられた存在」を取り込み、静かに待ち続ける“器”だった。
そして誰かがその鏡を覗いたとき、
――「忘れられた者」が戻る準備が整う。
つまり、圭吾があの部屋に入ったのは偶然ではなかった。
鏡が彼を呼んだのだ。
あの鏡の中には、過去に消された「高梨家のすべての子どもたち」が映っていたのかもしれない。
圭吾の背後に、何人もの子どもの影が見えた――という話が、母の日記の片隅に残されていた。
ちょっと短かったかな??w前の作品から最後に私ちょっとだすことにしました!!できるだけ♡ほしいです