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みぅです🤍🥀 第35話、読み終わりました…。 侑加くんが「本当の名前で呼びたい」って言った場面、すごく胸にきました。ずっと偽名で距離を取ってた月呼にとって、その一言がどれだけ重くて温かいか…。疑うことに疲れてた月呼が「教えたい」って心から思えた瞬間が、すごく丁寧に描かれてて泣きそうになりました😢💔 2人の距離が確かに縮まってるのを感じられて、この先がもっと気になる回でした。来週も楽しみにしてますね🌙
夕食の後、月呼は侑加と部屋に戻る。くるるとエステティックルームを利用するのは、一時間後だ。
『ごめん、前沙。野利彦がお腹をこわしたみたいで、一緒に行けなくなった』
けれども、約束していた時間の十五分前に、内線通話を通してくるるからキャンセルが告げられた。
「気にしないで。浪本さんのそばにいてあげて」
『この埋め合わせは必ずするから。そうだ、明日あたしがヘアメイクしてあげる』
「うれしい! 私よりくるるちゃんの方が上手だから」
『まあ、ひとりでもエステティックルームに行ってみて。バレンタインデーの前にきれいになっておきたいでしょう?』
くるるは気のきいたことを言う。月呼は彼女のそんなところが好きだった。
「くるるちゃんとこれから会う約束をしていたんだけれど、急遽行けなくなったみたい」
月呼は受話器を置いてから、侑加に伝える。
「……」
侑加は月呼をじっと見ていた。
「……前沙さんって、本当の名前はなんなの?」
「えっ?」
月呼は意表をつかれる。侑加はここで本名をしゃべらせて、自分をリタイアさせたいのか、と。その場合、侑加はなんのルールも犯したことにならず、彼にのみ一千万円の賞金が支払われる。
「え、えっと――」
月呼がうろたえていると、侑加が月呼の口元を手のひらでおさえた。
「あっ、今は言わなくていいよ」
「う、うん!」
月呼の心臓の鼓動ははげしいままだ。きっと、思ったことが口から出たのだろう。
でも、こうも考えられる。もう家に帰りたくなって、一千万円だけ持って帰るという考えからの言葉なのでは――と。でも、やっぱり三億円以上が欲しいと、気が変わった。
「ずっと気になっていて。本当はなんて名前なんだろうって。俺は本当の名前で呼びたい」
そう言う侑加には迷いがない。自分はなぜ彼をあやしんだりしたのだろう、と月呼の胸が痛む。
このままずっと侑加のそばにいたいけれど、彼を疑ってばかりの日々からは解放されたい。月呼はそう思った。
「私も教えたい。私、お父さんとお母さんがつけてくれた自分の名前を気に入っているの」
自分の名前の由来はツキを呼ぶで月呼、だと、空美から聞いている。人生でツキを呼んだと感じたのは、大学受験に合格した時だ。でも、それはほとんど自分自身の努力による結果で、すべてが運によるものではない。そして、今、名は体をあらわすようにツキを呼んだ。月呼にとってのツキとは侑加のことだ。
彼のことを知りたいのと同時に、自分のことを知ってほしい。住んでいる街のこと、一緒に暮らす家族のこと、通っている大学のこと。ありのままの自分を。
その後、月呼はエステティックルームをひとりで利用する。必要な国家資格を持つ女性局員による美容行為を受けながら、明日のことで頭がいっぱいだった。
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