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はいどうも莉月です!!
連載書かずに短編小説しか書いてないって言うね…w
今回は保護者組の感動系です
黒桃(黒青?)です
地雷の方🔙
アンチ❌
パクリ❌
では本編へどうぞ
悠佑は、病室の扉をそっと開けた。真っ白な空間の中で、彼女のないこは静かに目を閉じていた。かすかに聞こえる心電図の音が、まるで時の流れそのもののように、彼の胸を締め付けた。
「ないこ…」
悠佑は息を呑みながら、静かにないこの手を取った。少し冷たくなった手を握りしめると、ふと涙が溢れそうになりないこに心配をかけまいとこらえようとしたが、それをこらえることができなかった。
「なんでこんなことになったんよ…。俺、まだお前と一緒に思い出作りたいんやけどお前のウェディングドレス姿見てないんやけど。」
ないこは目を瞑っていたが、悠佑の声を聞いているような気がした。ないこの顔には、最後まで悠佑を気遣う優しさが残っていた。
悠佑が毎日、何もかもを忘れて支えてきた日々。しかし、ないこの病は日に日に悪化していった。ないこの苦しむ姿を見るのが辛くて、悠佑は何度も神に祈った。「どうか、もう少しだけ時間をください」と。
でも、その願いは叶わなかった。
「ねえ、悠佑…」
ないこがかすかな声で呼んだ。悠佑は驚いてその顔を覗き込む。ないこの瞳は、以前のように明るくはなかったけれど、そこにあったのは間違いなく悠佑への愛だった。
「どないした、腹でも減ったか?」悠佑は、あふれる涙を必死で抑えるため冗談を言った
「んふっw」
ないこは、少し笑いながらゆっくりとした動作で手を差し出し、悠佑の顔に触れた。ないこの手のひらは、ひどく冷たく、でも、その温もりが胸にしみ込むようだった。
「アニキ…お願い、俺がいなくなっても、悲しまないで。」
「そんなこと、できるわけないやろ…。お前が居らんようなったら、俺はどうすればええんよ?」
ないこは、わずかに笑みを浮かべ、力なく頭を振った。
「アニキが幸せでいてくれることが、俺の一番の願いだから。」
悠佑は、その言葉を何度も胸の中で繰り返した。あまりにも優しすぎて、ないこがそれを言うことに耐えられなかった。自分がないこを失ったら、もう一度幸せになれる気がしなかった。
「なんで…なんでこんなに俺を思ってくれるんや…?」
ないこはゆっくりと目を閉じ、最後の力を振り絞るように言った。
「アニキ最後のお願い…約束して。アニキが俺を失った後も、自分を責めないで、前に進んで。幸せに生きて…」
その言葉が最後だった。悠佑は声にならない叫びを胸に呑み込みながら、ないこの手を強く握った。その手のぬくもりが、徐々に冷たくなっていくのを感じながら、彼はただ涙をこぼすことしかできなかった。
そして、ないこは静かに息を引き取った。
悠佑は、ないこが最後に残した言葉を胸に、ないこの死を受け入れなければならなかった。けれど、どうしてもその「幸せに生きる」という約束ができなかった。
何度も、ないこと過ごした思い出の場所を訪れた。ないこと一緒に行ったカフェ、二人で座ったベンチ、そしてあの日、初めて出会った公園。どこに行っても、ないこの笑顔が蘇り、悠佑はその度に泣きそうになる。
「ないこ…お前が言った通り、俺は幸せになれるんやろうか…」
しかし、どんなに時が経っても、ないこの死は悠佑を縛りつけ続けた。ないこが残した「幸せ」という言葉が、悠佑にとっては重すぎた。幸せなんて、もう感じることができないと思っていた。
そんなある日、悠佑は再びあのカフェに行った。ないことよく行った場所だ。カウンターに座ると、店員が新しく出されたコーヒーを置いた。そのとき、ふと彼の目に留まったのは、隣の席に座った青髪の男性だった。
その男性は、少し戸惑ったように窓の外を見つめていた。そして、ふと目が合うと、彼は微笑んだ。
悠佑は、突然胸の中で何かが揺れるのを感じた。ないこのことを思い出しながら、悠佑はその微笑みに少しだけ心が温かくなるのを感じた。
悠佑は、心の中でないこに告げた。「ありがとう。お前のおかげで、もう一度前に進む力が湧いてきたわ。」
その瞬間、悠佑は初めて本当に、ないこが望んだ通りに生きる覚悟を決めた。
ないこがいなくても、悠佑は前を向いて歩き出す。遅すぎるかもしれないけれど、少なくとも、ないこの願いに応えられるように。
(幸せに生きてね)
ないこの声が聞こえたような気がした
悠佑は振り返るが、そこにないこの姿はあるはずもない
悠佑は静かに目を閉じて、心の中でないこに告げた。
「あぁ…俺ないこの分も幸せに生きるわ、約束する。」
お疲れ様でした!!
感想やリクエストお待ちしてま〜す
おつりつき(。・ω・)ノ゙
2002文字