2週間後_。
万全な支度をして、車に乗り込む。
向かう先は、らっだぁの家。
仕事の話をする約束があるとはいえ、前回家に行った時のことを思い出すと気持ちは落ち着かなかった。
玄関のチャイムを押すと、数秒の間をおいてドアが開いた。
「おはよ」
らっだぁは片手で髪をくしゃくしにしながら、眠たげな目でこちらを見た。
「朝から悪いな、またお邪魔しちゃって」
「いや、いいよ。どうせ今日も一人で家にいたし」
部屋に入ると、前来た時よりも散らかっている気がした。
テーブルの上には開きかけの資料やカップが無造作に置かれ、ソファには脱ぎ捨てたであろうスウェットがあった。
明らかに仕事の疲れを引きずっている。
「最近寝れてないの?、」
「まあね。なんか最近ずっとバタバタでさ」
そう言いながら、 らっだぁはリビングへ案内し、俺をソファに座らせ、自分もすぐ隣に腰を下ろした。
距離はほとんどゼロ。
膝が触れるほど近いのに、さらに彼は遠慮なく身を預けてくる。
「…….ちょっとだけ、こうさせて」
そう囁くと、らっだぁの腕が腰に回り、力強く抱き寄せられた。
頭を俺の肩にぐいっと押し付けるようにして、低い吐息が首筋にかかる。
らっだぁの指先が腰を逃がさないように食い込むたび、俺の身体はわずかに震えた。
「おまえってさ…..俺が拒めないの知っててやってるだろ」
「知ってる。だから離さない」
そう言うなり、らっだぁはさらに身体を近づけた。
片腕はしっかりと背中を支え、もう片腕は腰を固定する。
動けない。
抵抗しようと腕に力を入れても、そのたびに強く抱き込まれてしまう。
「……らっだぁ、?」
「 おねがい…..俺だけに、甘えさせてよ 」
額がこつんとぶつかる。
見上げてきた視線は真剣そのもので、そこに冗談めいた色は全くなかった。
「 今だけは……絶対、逃がさない」
囁きながら、らっだぁはさらに腕を強めた。
胸と胸が押し当てられ、鼓動が互いに伝わる。
至近距離で伝わる熱気に、俺は 息を詰める。
拒めない。
拒みたくない。
どちらが本音なのか分からないまま、ただ彼の腕の中で震えるしかなかった。
今回短くてすみません
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ❤︎1000
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