テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
地方でのコンサートを終えた夜。
ホテルの部屋割りが発表されると、目黒と岩本は同室になった。
「……よろしく」
「おう」
大きなベッドが二つ並ぶだけの部屋は、落ち着いた色合いで静まり返っている。
二人は慣れた様子で荷物を置き、シャワーを浴び、順番に髪を乾かす。
テレビもつけず、やがて部屋は小さなスタンドライトの明かりだけになった。
ベッドに潜り込んだ岩本は、は寝返りを打ちながら天井を見上げた。
「……なんか、落ち着かねぇな」
「珍しい。いつも寝つきいいのに」
目黒の低い声が暗闇に響く。
「お前と同じ部屋だからってわけじゃねえけど……なんか、静かすぎる」
「……ふーん」
しばしの沈黙。
岩本は目を閉じたが、どうしても眠れなかった。
隣から聞こえる目黒の呼吸が妙に意識に引っかかる。
「……めめ、起きてる?」
「起きてる」
「だよな」
岩本は小さく笑い、布団から腕を出した。
「こういう時、どうしてんの?」
「俺?……寝られない時?」
「うん」
「……隣にいるやつと話す」
目黒の声は、冗談めかしているようで、本気にも聞こえた。
心臓が一瞬だけ跳ねる。
「……じゃあ、今は俺と?」
「そういうこと」
暗闇の中、目が合ったような気がした。
普段はステージで堂々としている岩本が、今は子どものように落ち着かなくて、目黒はそれを面白そうに見ていた。
「……なんだよ、ニヤニヤして」
「別に。岩本さんって、怖がりだよな」
「は? おい、違ぇし!」
「昨日のホラーの話ん時も、めっちゃ嫌がってたじゃん」
図星を突かれ、岩本は言葉に詰まる。
「……お前、意地悪だな」
布団を被ろうとしたその瞬間。
目黒の手が、不意に岩本の手首を掴んだ。
「……んだよ」
「別に」
「……別にって……」
わずかな沈黙。
目黒の手は、すぐには離れなかった。
暗闇の中、二人の呼吸だけが妙に大きく響く。
「……離さねぇの?」
「嫌なら離すけど」
「……嫌とは言ってねぇ」
その答えに、目黒の唇がわずかに弧を描いた。
夜はまだ、終わりそうになかった。
―――――――――――――
え、こんなんでいいのかな?アドバイスやリクエストとください!どのcpか教えてくれれば書きますよ!