体が重い。俺はゆっくりと上半身を起こした。
ぺ「よいッしょ…」
そして、ゆっくりと目を開けた。
ぺ「わっ!まぶしっ!!てかここどこ……あ、病院か」
刺されたときの記憶が蘇ってくる。
ぺ「ほんと通り魔に襲われるとかついてないよなー」
静かな病室で独り言を呟いた。
そして、これからどうするか考えることにした。
ぺ「とりあえずナースコールするか……いや、ドッキリを仕掛けてみるのもいいな」
とりあえずベッドから降り、立ってみた。
ぺ「意外と余裕じゃん!」
そのまま窓際まで歩き、外を眺めた。
ぺ「せっかく久しぶりに目を覚ましたってのに雨かよ!」
と言いつつも、久々に外の景色を眺めることができ、テンションが上がる。
ぺ「さて、何するかなぁ……そう言えばしにがみくん元気かな?
クロノアさんも……………クロノアさん……」
珍しく涙を流していたクロノアさんの顔を思い出した。
ぺ「心配…してくれたのかな」
何もすることがなくなった俺は、ベッドに座ってぼーっとしていた。
もちろん頭の中は空っぽだ。
ぺ「暇ーーーーー」
あまりにも暇すぎるので、外に出ることにした。
ぺ「よっしゃぁ!行くぞぉ!!」
ドアから少し顔を出し、廊下を覗きこんだ。
ぺ「誰も……いない…!」
病室から出て、長い廊下を歩いた。
廊下では、自分の足音だけが響いていた。
ぺ「どこ行こうかな…」
のんびり歩いていると、
看護師「え?」
後ろから声が聞こえた。
ぺ「え?」
声がした方へ顔を向けた。
看護師「ぺいんとくん?」
ぺ「はい、そうですけど…」
少し沈黙になった。
看護師「いやいやここで何やってんの?笑」
ぺ「いや~暇だったもんで」
看護師「てかいつ起きたの?」
看護師さんが笑いながら俺に近づいてきた。
ぺ「ついさっき起きました!」
看護師「ナースコールした?」
ぺ「やってません!」
看護師「なんでよ笑とりあえず病室戻りますよ!」
来た道を戻っていく。
看護師「先生呼んでくるから、ちゃんと寝ててくださいね!」
ぺ「はーい」
また暇になってしまった。
何かないかと辺りを見回してみた。
ぺ「あ、スマホ」
俺はスマホを手に取り、メッセージを開いてみた。
ぺ「メッセージは~……誰からも…来てないだと……!!」
誰からも一つもメッセージが来ていなかった。
ぺ「俺嫌われてんのかな……?」
先生「そんなことないですよ」
ぺ「うわっ!?ビックリしたぁ」
先生「ごめんなさい、ノックはしたんですけど…気づいてなかったですかね?」
そう言って、先生は俺の傷を見たり触ったりし、検査をした。
先生「まぁ…大丈夫そうですね」
ぺ「じゃあ退院…!!」
先生「今はすぐには無理ですよ笑」
ぺ「そうですか……」
でも俺はあきらめずに退院させてくれと何度も何度も頼んだ。
ぺ「先生!入院中めっちゃ暇なんですよ!暇すぎて死ぬ!!」
先生「死にません!それに今日の日付確認してみなよ」
ぺ「え?」
スマホを見た。
ぺ「え!俺一ヶ月も寝てたの?!」
先生「はい」
予想以上に寝ていてがっかりした。
先生「という訳なので!最低でも明日まで退院できません!」
ぺ「そんなぁ」
スマホを閉じたとき、メッセージの音がなった。
先生「じゃあまた来るから、安静にしててね」
ぺ「はーい」
先生が出ていったあと、スマホを確認してみた。
ト(ぺいんと?起きてる?)
ぺ(トラゾ~~)
ト(え!まじで起きてたの?!)
ぺ(おう!てかよく俺が起きたってわかったな笑)
さすが俺の心のともだ!あいつ俺のことは何でもわかるからな~笑
ト(じゃあ後でそっち行くわ!)
ぺ(了解)
メッセージだけどトラゾーと話せてさらにテンションが上がった。
ぺ「あれ?今学校にいるよな?忙しいのに何か悪いな……」
それでも、トラゾーと会えると思うと自然に笑みがこぼれた。
ぺ「あ!しにがみくんにも連絡しよう!」
ぺ(しにがみ!久しぶり~!!元気にしてた?)
しばらく待っていると、しにがみくんから返事が返ってきた。
し(ぺいんとさん?!)
ぺ(え?違うよ)
し(え、じゃあ誰なんですか)
心配してくれてる相手にいたずらするとか、俺って性格悪いなぁ笑
ぺ(ごめん嘘笑、俺だよ!)
し(何やってんすか!!笑)
ぺ(いやぁ、どういう反応するかなって思って笑)
し(こっちはめっちゃ心配したんですからね!)
「心配」、この言葉を見ると、なぜか嬉しくなる。
し(もうすぐ授業始まっちゃうので学校が終わったらすぐ行きますね!)
ぺ(おう!後でな!)
やっぱりしにがみくんは可愛いなぁ
視点 sn
ぺいんとさんからメッセージをもらったときは、すごくビックリした。
一ヶ月間も眠るから、もう起きないかもと心配してたけど、
起きたことがわかった瞬間涙が出そうになった。
し「そうだ!クロノアさんにも伝えよう!!」
し「クロノアさん!!」
ク「ん?どうしたの?」
し「ぺいんとさんが目を覚ましました!!」
ク「えっ!ほんとに?!」
クロノアさんの目が涙目になっていた。
それぐらいクロノアさんも心配だったんだろうな。
し「学校が終わったあと、病院に行くつもりなんですけど…クロノアさんも行きますか?」
ク「あー…俺はいいかな、用事あるし」
し「そうですか…」
ク「……邪魔になるだろうしね…………」
クロノアさんが何かぼそっと呟いたが、よく聞こえなかった。
それに、なんだか寂しそうな表情を浮かべていた。
ク「ぺいんとが帰ってくるまで委員会一人だけど頑張ってね!」
し「はい!」
午後の授業は頭に入ってこなかった。
ぺいんとさんともうすぐ話せると思っただけで、胸がドキドキした。
コメント
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クロノアさぁァァん!!泣くなァァァ!!てかぺいんとさんおきてよかったぁ!!