※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体などとは一切関係ありません。
〈Case 11@石のはらわた〉
「さあ一言どうそ、名探偵?」
聞き覚えのある声と、見知った顔に目を見開く。
撮影していたのは、俺にホームズ役を押し付けた調だった。
俺の目は自然と調のスマホからさーやへと移り、脳裏に響く言葉を舌でなぞる。
「真実が幸福の味方とは限らない」
これが調から託された唯一の言葉だった。
さーやの唇の端がひくついて、動揺を誤魔化すように頬杖をついた。
今の一言で、さーやは気が付いたんだろう。
これまでさーやがやって来たことを、俺も気が付いていると。
「もう一度言う。俺はホームズじゃない」
助け舟を出すつもりで、俺はそう言った。
さーやの考え方や行動が危ないことをわざわざ諭すような正義感は俺にはないし、踏み込んで関わってやるほどの親切心もないからだ。 ******
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