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???「よし!着いたな!」???「着いたって兎白さんの神通力で着いたんですからね?歩いた訳じゃないですよ」
???「いやぁ、わたしが瞬間移動で連れてきたかったんだけど……」
???「ダメよ。また怪我が悪化したらどうするの?」
???「みんな荷物もちゃんと一緒に移動できてるな?」
先日何悶着かあって、天国の温泉街に位置する高級宿に一泊しに来た「紫雲雨花」と「不山橙」、そして、「桃時」、「兎白」、「瑠璃人」。
各々荷物を持って宿の中に入る。
兎白「おぉ。すごい綺麗な宿だな」
桃時「調べたけど、サウナに足湯まであるみたいよ?」
瑠璃人「これ実際に金払ったらめっちゃくちゃ高そう……」
橙「確か一泊9万円だそうですよ?」
桃時・兎白・瑠璃人「嘘でしょ・だろ!?!?」
雨花「部屋どうする?五人ずつ分けることもできるし、女子と男子で固めることもできるみたいだけど。」
「それか……」と雨花は悪い顔をしてニヤリと笑う。
雨花「男女ペアずつにすることもできるよ?」
桃時・瑠璃人「そんなことできるかぁ!!!!」
桃時「兎白と一緒なんて出来るわけないじゃない!!」
瑠璃人「オレもだよ!橙と……その……一緒なんて……////恥ずかしい!!!!」
雨花「あれれ?わたし一回も兎白くんと橙ちゃんとの男女ペアだなんて言ってないよ?」
桃時・瑠璃人「はっ!」
雨花「スケベだな〜あはは!」
桃時「スケベじゃないわよ!!あんたの言い方の問題でしょ!!」
瑠璃人「そうだぜ!お前があんな顔して言うのが良くねぇ!!」
雨花「ごめんごめん!からかいすぎちゃった!」
桃時「別にいいわよ。はぁ恥ずかしい」
瑠璃人「お前のからかいは本当に恥ずかしくなるなぁ……一緒にやる時は面白いけどな!ぷっふふ」
兎白「お前たち揃って何してるんだ……早くチェックインするぞ」
雨花「はぁーい」
桃時「ていうか、雨花は治療にも効果的だし、丁度良かったわね。早く温泉行ってスッキリしたいわ〜」
橙「…………」
瑠璃人「どうしたんだ?橙」
橙は何やら顔を赤らめてモジモジしている。
橙「そ、その……瑠璃人さんと同じ部屋が……良かったな……って」
瑠璃人「!」
「じゃ、じゃあ……」と話を繋ぐ瑠璃人。
瑠璃人「朝の四時までやってる足湯屋さんがあるからお風呂入って色々身支度終わったらそこで話すのは……その……どうだろうか……」
橙「!、はい!」
そして、結局部屋割りは男女で分けて固まって取る事になった。
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桃時「うーん、ここまでは兎白の瞬間移動で来たからそこまで体こってないけど、さっぱりはしたいわね。」
橙「でも、遅い時間の方が良いのでは?」
雨花「あぁ、そうだね。特にわたしたちは……」
桃時「…………」
この三人の体には一生消えない
刻まれた傷がある。
心の傷と同じように深く深く刻まれた傷が。
雨花「部屋にも露天風呂付いてるけど……折角だし、大浴場も行きたいよね。深夜なら大丈夫じゃないかな?」
桃時「ありがとう。そうやって大体いつもあんたが回避策を考えてくれる。」
橙「私からもありがとうございます。」
雨花「いやいや!わたしが自分の傷みられたくないだけだよ〜あはは。」
橙「じゃあこの時間に……」
女子グループは、温泉に入る時間を話し合って談笑していた。
一方、男子グループは……
瑠璃人「わぁ〜布団ふっかふか!!気持ち良い〜」
兎白「その前に、手を洗えよ?折角の布団が汚くなる。」
瑠璃人「はいはい!」
瑠璃人は手を洗いに行った。
兎白「…………」
俺もできれば……
兎白「……なんてな」
瑠璃人「何が「なんてな」なんです?」
兎白「ん?別に何でもない」
瑠璃人「分かった!桃時と同じ部屋が良かったでしょ?」
兎白「だから何でもないと言ってるだろ……」
瑠璃人「でも図星でしょ?」
兎白「…………」
瑠璃人「二人はもう付き合ってるんですし、親も公認なんでしょ?それなら後ろめたいことなんてないじゃないすか。」
兎白「そういうことじゃない……俺は……その……」
瑠璃人「あぁ……」
瑠璃人はニヤリと笑う。
瑠璃人「もっと単純に……恥ずかしいんでしょ?」
兎白「…………」
表情はいつも通り薄いが、兎白の耳は真っ赤になっている。
瑠璃人「兎白さんにもうぶなことろがあるんだな〜」
兎白「だから……そうじゃ……な……い……多分」
瑠璃人「オレ後で橙と足湯に行くんで、その時、桃時誘えば良いんじゃないですか?ここ、ゲーム機とかUFOキャッチャーとかあるみたいですし!」
兎白「お、お前……橙をデートに誘ったんだな。すごいじゃないか。俺はあまり自分からデートに誘ったことがないから尊敬する。」
瑠璃人「だったら尚更、今日兎白さんから桃時を誘えば、あいつ嬉しがるんじゃないですか?お互い頑張りましょ!」
兎白「あぁ!」
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桃時「アタシたちの部屋に集まってお料理食べることになったわ。もうすぐ部屋に兎白と瑠璃人来るみたい」
橙「そうですか。分かりました。」
雨花「お刺身あるかな?わくわくするなぁ〜」
そして、女将と仲居さんが料亭で出されるような料理を次から次へと運んできた。
兎白「美味そうだな」
瑠璃人「うわぁ!!お刺身とか鍋とか沢山美味そうなものがある!!」
桃時「アタシあれ食べたいわね。」
橙「牡蠣もありますよ!」
雨花「どれも美味しそうだね!」
それぞれ浴衣に着替え、早速ご飯を食べ始める。
雨花「うぅーん!美味しい!!このサーモンの刺身も美味しい!」
橙「とろっと脂身が乗ってますね」
桃時「鯛の刺身も美味しいわよ!」
兎白「鍋は豚鍋だな」
瑠璃人「豚の身がホロホロ溶けてまじうま!」
こうして五人は、談笑しながら料理を食べて行った。
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橙「もう深夜一時ですね。そろそろお風呂入りませんか?」
雨花「そうだね!入ろっか!」
桃時「誰もいないと良いけど」
三人は大浴場に向かった。この温泉は、とても源泉に近いと言われている。そして、サウナも併設されている。
桃時「ん〜!体にしみて気持ち良い〜」
橙「誰もいなくて良かったですね。お互い。」
雨花「そうだね〜後で洗いっこしようよ!」
彼女たちの今の表情と反して、体はとても痛々しい傷が残っている。
それをなんてことないように振舞っている雨花、橙、桃時の三人だが、
果たして彼女たちは、過去を、自分を────
桃時「ねぇ、きくか迷ったんだけど、何であんたいつも左腕隠してるの?」
橙「確かに、温泉に入ってるにも関わらず、アームカバーで隠してますよね?何でですか?」
雨花「ん?多分桃時ちゃんたちが想ってる通りだと想うよ?」
橙・桃時「…………」
「はぁ〜気持ちが良い〜」と何事もないように温泉に浸っている雨花。
橙「雨花さn((雨花「それ〜!!」
雨花は、橙に温泉のお湯を想いっきり被せる。
橙「ぷっは!!何するんです!?」
雨花「橙ちゃんに笑って欲しかったの!ほら次行くよ〜」
橙「望むところです!!そりゃあ!!」
桃時「ちょっとあんたたち!アタシにまで被せないでよね!」
ここからは、三人はずっとお湯の掛け合いをして、体を洗いっこして部屋に戻って行った。
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兎白「温泉気持ちよかったな」
瑠璃人「それに、女湯の方から雨花たちの声が聴こえて楽しそうだなって想ってました!」
兎白「雨花たちは遅い時間に入るって言ってたからな。それに合わせた方がお互い丁度良い時間に会えると想うし。」
瑠璃人「そっすね!」
そして、一時間後、
瑠璃人「じゃあオレ橙のとこ行ってきますね?」
兎白「あぁ、気をつけてな」
瑠璃人は、部屋を出て橙に会い行った。
兎白「俺も行くか」
兎白も決心して桃時を誘いに行った。
瑠璃人side
瑠璃人「橙〜!待たせちゃったか?」
橙「いえ。大丈夫ですよ。」
瑠璃人「じゃあ行くか!」
早速二人は、足湯に浸かった。
橙「温泉と同じお湯が使われてるみたいで、とても気持ち良いですね。」
瑠璃人「そうだな……あのさ。橙。」
橙「ん?何ですか?」
瑠璃人「そ、そのぉ……橙って好きな人いたことあるか?」
橙「え?どうしたですか?突然。」
瑠璃人「いや、気になって……」
橙「好きな人……いたことないですね。それを感じる余裕がずっと無かったので。」
瑠璃人「そうか……じゃあさ」
橙「?」
瑠璃人は、橙の手に自分の手を重ねる。
瑠璃人「お、オレが初恋……にさせてみせるよ。橙の初恋はオレが貰う。」
橙「!、////ふふっ、待ってますよ。その日が来るまでね?」
瑠璃人「お、おぉ!」
二人は朗らかに笑いあった。
兎白side
桃時「どうしたの?こんな夜遅くに。」
兎白「今からゲームしにいかないか?ゲームセンターがあるみたいなんだ」
桃時「別に良いけど……雨花もう寝てるし……」
こうして、兎白と桃時は、ゲームセンターに行くことになった。
兎白「何かしたいものあるか?」
桃時「うーん。あの銃を使うゲームやりたいわね。」
兎白「意外だな。てっきりUFOキャッチャーとか可愛いものを選ぶと想ったんだが。」
桃時「アタシだって、たまには可愛さから離れることだってあるわ。それに可愛いの擬人化でもあるアタシがいるんだからそれだけで可愛いに包まれているのよ。アタシはね?」
兎白「(そういうことを言うことで、自己肯定感の低い自分を隠してるんだよな。お前は。)」
桃時「何してるの?早くやりましょ!」
兎白「あぁ」
ちなみに、ゲームは兎白の圧勝だった。
桃時「く、悔しい……」
兎白「俺はあんまりゲームやったことないんだが、桃時もか?」
桃時「兎白もやったことないの?ならどうしてゲームセンターに誘ったの?」
兎白「……あんまり俺からデートに誘ったことなかったから……だから……誘いたくて……でも…………やっぱり上手くできないな。俺は……」
兎白は、しょぼんとしてしまう。
桃時「うふふっ。気にすることないわ。あんたなりに考えてくれたんでしょ?アタシはそれが一番嬉しい。だから自分をダメな奴って想わなくて良いのよ。」
桃時は、にこりと微笑む。
兎白「!、ありがとう」
そして二人は、下手ながらも、引き続きゲームを楽しんだ。
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雨花「あはは!四人とも今頃楽しんでるかな〜」
雨花は、あの四人なら、デートに行くだろうと考え、ずっと寝たフリをしていた。自分が起きていれば、デートに行きづらくなるだろうと考えて。
雨花「よし……今日は新月。」
雨花は十字架のネックレスを月のある方角に向けた。そして、力を注いでいく。
雨花「…………わたしって本当にクズにすらなれないんだな……」
みんな今日一日楽しかったはず
それなのにわたしは……
やっぱりわたしは本当にクズにすら分類できない
まぁもういいや
どの道あと少しなんだから
こうして、雨花たちの一泊お出かけは幕を下ろした。