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ruruha
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ふとんがふっとんだ
#恋愛
#ホラー
天音ろっく
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2.『歪んだヒーロー』
幼いころは、今よりもっと中性的な顔立ちだった。親戚から「女の子みたい」と言われることも多かったし、女の子が欲しかった母親はよく女物の服を着せていた。
そのせいもあって、変態に襲われたんだ。
あのときの不気味に笑う男の顔も、ザラザラとした指先が肌を撫でる感覚も荒い鼻息も、忘れはしない。
怖くて、恐ろしくて、声を上げることも逃げ出すこともできず、ただただ我慢することしかできなかった。
その男を、一人の警察官が蹴り飛ばし馬乗りになって何度も何度も殴った。
遅れて駆けつけた母親が悲鳴を上げ、警備員がやってくるまでその警察官は、変態を殴り続けていた。
その、警察官が大西茂だった。
彼は、ボクを救ってくれたヒーローだった。
ボクも彼みたいに誰かを救う人間になるんだと、そう思ったのに。
数年後、ボクの前に現れたのは変わり果てたヒーローの姿だった。
”仕事を失った”
”何も自分には残っていない”
”助けてほしい”
そんなことを言っていたように思う。
変態を殴ったヒーローが、どうして仕事を失わなきゃいけないのか。
ボクは、ボクのせいで彼が不幸になったのだと思って助けてあげなきゃ、と思った。
「わかった。ボクにできることなら何でもするよ」
そう言ったことを今も後悔している。
変態を執拗に殴ったのは彼自身の罪であり、本来ならボクには全く関係無いことだったのに。
それからは、地獄のような日々だった。
大西茂の欲を満たすため、献身する日々。
変態に触られたときと同じように、ザラザラした指先が肌を撫でて鼻息を荒くして全身を舐め回してくる。
思い出したくも無い。
でも、けして忘れられない日々。
そして、ある日突然連れてきた若い女の子を目の前で殺害し、彼はボクに彼女をバラバラにしろと言った。
逆らえば、ボクも殺すと言って。
やり方は大西が教えた。
”関節の部分から切れ”
”骨を切ろうとするな”
”死体と目を合わせるな”
(ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…)
心の中で何度も謝りながら、ボクは知らない女の子をバラバラにした。
きっと、あのときに、ボクは壊れてしまったんだ。
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