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買い物を済ませて家に着く。
買い物中もフラフラして、文字もほとんどぼやけていた。
「それじゃぁ私は上で勉強してくるから。」
「はーい」
階段を一段一段、ゆっくりと上がる。
ふらついているせいか壁によくぶつかった。
部屋に入る。
ドアを閉める。
ため息をひとつ。
教科書をどかす。
机にうつ伏せになりながら、今日の面談を振り返る。
目を合わせることができなくて、それでも頑張って目を合わせて。
これ以上話を聞きたくなくても、頑張って聞いて。
もう頷きたくなかったのに、我慢して頷いて。
いつもいつもいつもいつも、
と、その時。
腕に雫が落ちた。
どこか濡れていたのか。
いいや違う、これは…
自分の涙───
あぁ、結局一人の時は我慢できない。
我慢しなければいけないと言うのに。
1人の時、誰も見てない時に、1人で泣く
これは私だけの秘密だった。
一人で泣いてる、なんて誰かに言えるはずがない。
だってみんなの私へのイメージが崩れるから
小学生の頃は誰かの前で泣いていた。
でももう誰かの前で泣いたり、泣いてしまったことを言うこともない。
もう誰かに頼れない
気づいてくれる人が、もうここにはいないから。
最後まで私を心配してくれた、大好きだった先生はもう居ないから…
涙を拭く。
拭いても拭いても涙は流れてくる。
頭も痛い。
こんなことで泣いてくだらない。
こんなことで泣いてるなんて知られたら、きっと笑われる。
私だけが、笑われる。
他の人がこのような時に泣くのは、すごく頑張っているから。
ずっと無理して頑張って、耐えてきた人たちだから。
でも私は違う。
頑張ってもない、自業自得で我慢して、勝手に泣いているだけ。
頑張ってるみんなとは、全く違う。
「ごめんなさい…」
不意に出た、ごめんなさい。
みんなみたいに頑張れなくて、
みんなみたいに努力できなくて、
みんなみたいになにか出来なくて、
何も出来なくて。
無能で、
本当にごめんなさい
何度もつぶやく。
「ごめんなさい…ごめんなさい…!」
お願いだから…
「もう…許してよ…」と。
何を許して欲しいのかは分からない。
でも許して欲しかった。
みんなと違う私を。
こんなにも違う私を、許して欲しい。
これが贅沢と言うならば、
もう私は考えられない。
今度こそ何も出来ない。
その時はもう…××しかない…