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海溝のその先へ

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海溝のその先へ

8 - 1歩ずつ

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2024年03月25日

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おばあちゃんの家から通える高校に行きたいと母に話した時ものすごい顔をされたのを覚えている

本当にいいのと何度も尋ねられた

私はその時母の本当の気持ちに気づいていなかった

娘が早い段階から親元を離れる悲しみではなく今まで避けてきたあの家に本当に行くのかという意味だった

ただ、この家にいるととても健康になりそう

食事は和食で決まった時間に起床就寝を繰り返しあのころのぐーたらした生活は次第になくなっていった

何も文句1つない良い生活だった

庭が広く丁寧に管理されていたため散歩しているだけで心が和むし少し古くさいが私はそこがとても好きだった

ただ、一つ気になったのがおじいちゃんは酒癖が悪いのか酔うとおばあちゃんに対して少し気持ち悪かった

際どいラインを触ったり、普段の切れ長の目はとろけていやらしい目付きになり

いい歳したご老人がなんと汚らわしい

まるでキャバの如く毎晩おばあちゃんはおじいちゃんの横に座って酒を注ぎ続けた

着物を少しめくり足と足の隙間へ指を入れその度おばあちゃんがやめてくださいと照れながら言っていた

ただ普段堅苦しい人達ほど気が抜ければこんなにもなるのだろうか

なんやかんやしてるうちに学校が始まった

田舎の学校の規模をら知らなかったがそうとうだった。1クラスしかなく、ひとつの教室に10人程度の人間しかいなかった

こんなんで果たして学校は成り立っているのだろうか?

男女の割合的には男子の方が多くどいつもこいつも芋っぽくて情報通の衰えや町の老朽化などを感じた

流行り物の店などひとつもなく前住んでいたところに比べれば退屈だった

私はそれなりにネット活動や中学での熾烈なカースト争いに何度か参戦していたため見た目とかそういうものは多少気を使っていた

むだ毛だとか肌の綺麗さとか全部人工だけど繕って繕って今がある

入学式とかいう意味があるのか分からない行事を手短に済ませクラスで少し話をしてその日は解散した

親が来ていなかったのは家だけだった

なんか少し寂しかった

ただ、自分で決めたことなのだから不満を口にしてはいけない。これから私は新たな土地で1から人生をやり直すと誓った

次こそは間違えない。笑顔で卒業を目標に私はまた歩み始めた

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