月の信託

私

達は知らないことばかりだ。

しかしだからこそ知りたいと思う。

知ろうとする意志こそが未来をつくるのだ。

知ることを諦めた者に明日はない。

知ることを怖れる者は、何も得ることはできない。

知識欲のない人間には価値がない。

なぜならそれはただ生きているだけだから。

生きるということは何かを知ることだ。

だから我々はもっと知らなくてはならない。

私達がこの世界で生き続けるために。

私達が存在する意味のために。

今はまだ知らぬこともいずれわかるようになるだろう。

その日まで私は求め続けよう。

たとえそれがどんなに残酷なことであっても。

死への誘惑。

生の意味の喪失。

絶望と狂気。

それでも私は止まらない。

私は進む。

例え行き着く先が奈落の底であろうとも。

私は歩みを止めない。

いつか必ずたどり着くと信じて。

全てを知ったとき、私が何を思うのか。

それを想像することさえできない。彼女はこの世に存在する全ての愛を知っている。

それは彼女が全てを受け入れているからだ。

その魂は決して汚れない。

どんなに醜く穢れたものも、 彼女を傷付けることはできない。

なぜなら、彼女には全てを許してしまえる強さがあるから。

たとえ自分が消えても、 残された者が幸せになれるよう願う優しさがあるから。

それが彼女の美しさの秘密なのだ。

そうして彼女は、今日もまた、誰かを愛し続ける。

罪を犯した者にすら許しを与え、神の愛の深さを知ることを教えてくれる、偉大な女神たち。

その愛は海のように広く深く、すべての人を包み込む。

慈悲深い海の女傑たち……