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みずき
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北底@一ヶ月女体化中
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KIKU@ペア画中
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崎岡夏太が持ち込んだウイルスは、ついに授業の教材にまで感染し始めた。理科の授業。その日の単元の教科書を開いた瞬間、教室のあちこちから「ぶふっ」と押し殺したような笑い声が漏れた。
ページに載っていたのは、生き物の体の仕組み。そこには、男子たちが普段コショコショと言い合っている、あの「大切なアレ」の図がはっきりと掲載されていた。教科書という公式の『本』にそれが載っているというだけで、男子たちにとっては最高のご馳走だった。
「おい、見ろよこれ! マジで載ってるじゃん!」
夏太がニヤニヤしながら、隣の男子の教科書を指で叩く。たちまち、男子たちの間でコショコショとした囁き声と、卑屈な爆笑が波のように広がっていく。
「うわ、夏太、お前ガン見しすぎだろ! どんだけ好きなんだよ!」
大神蹴介は、すかさず大袈裟なツッコミを入れて周囲の爆笑を煽った。顔には「いつものお調子者」の完璧な笑顔。だけど、蹴介の心の中は、激しい不快感で満たされていた。
(ただの理科の勉強じゃん。なんで普通に授業を受けられないんだよ……キモすぎる)
先生は黒板に向かってチョークを走らせており、男子たちのこのニヤニヤした空気に気づいてさえいない。注意する大人がいない楽園で、教科書さえも彼らのオモチャにされていく。さらに最悪だったのは、次の時間の外国語(英語)の授業だった。
「Okay, everyone! Repeat after me. 『In』!」
ALT(外国語指導助手)の先生が、明るい声で発音を促す。何の意味もない、ただの場所や状態を表す前置詞の「in」。だが、その単語が響いた瞬間、夏太がニヤリと下品な笑みを浮かべた。夏太は左手でパッと小さな「丸」を作り、そこへ向かって右手の2本指を、勢いよくズボッと突き刺すようなジェスチャーをしてみせた。
「『in』だってよ、ひゃははは!」
夏太のその動きを見た周りの男子たちが、
「うわ、ヤバッ!」
「それ言うなよ!」
と声を殺して机に突っ伏しながら爆笑した。その下劣な連想ゲームは、あっという間に男子たちの間に飛び火した。給食班で夏太のノリに乗り始めた賢太も、少し顔を赤くしながら、一緒になって指の丸に2本指を勢いよく入れるポーズをして「in!」と笑っている。
「おいおい、お前ら授業集中しろって! 先生に怒られるぞ!」
蹴介はそう言って笑いを取りながら、自分も一瞬だけそのジェスチャーを真似して見せた。そうしなければ、「ノリが悪い」と夏太のターゲットにされるからだ。
(最悪だ。本当に気持ち悪い。指が腐りそうだ)
心の中で激しく嘔吐しながら、蹴介は完璧に道化を演じ続ける。如月翔は、自分の席で英語のノートに「in」と書き込みながら、完全に心を無にしていた。耳に飛び込んでくる男子たちのクスクス笑いと、視界の端で一斉に動く下品な手のポーズ。普通の英語の授業が、夏太たちの手によって、あっという間に最低な空間へと変貌していく。
(誰も注意しない。だから、みんな楽しそうに堕ちていくんだ)
昨日まで真面目にアルファベットを書いていた男子たちが、今は競うようにして指を突き刺すポーズをして、内輪で爆笑している。その様子が、翔にはたまらなく悲しかった。ふと顔を上げた翔の目に、ポーズを終えて席に座り直した蹴介の姿が映る。蹴介の口元はまだヘラヘラと笑っているのに、その瞳だけは、底のない深い沼のように冷たく沈み込んでいた。人混みの隙間で、一瞬だけ重なる2人の視線。世界が少しずつ汚されていく教室の中で、2人だけが、完璧なお面を被ったまま、冷え切った絶望を共有していた。
コメント
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うわあ……この教室の空気、読んでて息苦しくなりました。男子たちの下品なノリがどんどん広がっていく様子と、その中で必死に「お調子者」を演じる蹴介くんの内心のギャップが痛いほど伝わってきました。翔くんと一瞬だけ交わす視線——あの冷えた共感のようなものが、逆に2人の孤独を際立たせていて切なかったです。正常さを保とうとする者の苦しさが、とても丁寧に描かれていました。