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好きだからこそそう接してしまう

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好きだからこそそう接してしまう

5 - 第5話 普通に接するって難しい

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2025年09月20日

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普通に接するって難しい


修学旅行2日目の朝。

旅館の広い和室。男子の部屋はすでにガヤガヤしていて、パジャマ姿のまま菓子をつまむやつもいれば、寝癖のまま寝ぼけているやつもいる。


その中で、いるまは無言で荷物を整理していた。


「いるま、昨夜どこ行ってたんだよ。お前布団入ってなかったろ?」

クラスメイトの声に、いるまは眉をひそめて言い返す。


「……暑かったから風に当たってただけ」


「ふーん?らんもいなかったけどな?」


その瞬間、いるまの手がピタッと止まった。

けど、すぐに何でもないふうに再開する。


「アイツもじゃねえの。知らねーよ」


その時、部屋のふすまが開いて、らんが入ってきた。

ちょっと寝ぼけた顔。髪はまだ跳ねていて、目は半分しか開いていない。


「おはよ……」


一瞬だけ、らんと目が合った。


その瞬間、”ふたりだけにしか分からない“夜の記憶”が、ふっと空気に漂った。


……けど、らんは何も言わず、普通のテンションで隣のやつに話しかけた。


「なあ、朝メシまだ?」


「もうすぐって先生言ってた。寝坊すんなよー」


「だいじょぶ、だいじょぶ~」


ニコニコと笑いながら、らんはふだん通りに振る舞っている。


……いるまは、その背中をじっと見ていた。


(なんで、何も言わねぇんだよ……)


__昨夜、あんなにも近くにいたのに。

__あんな言葉、交わしたのに。


「……っ」


耐えきれず、いるまは小さく舌打ちした。

それが、らんの耳にだけ、ちゃんと届いた。


ふと、らんが振り返り、いるまを見る。


ふたりの視線が重なって――


らんは、ちょっとだけ寂しそうに笑った。


「……いるま、あとでさ。ちょっと時間ある?」


それは“ふたりだけの会話”を求める、静かな呼びかけ。


いるまは、口元を少しだけ緩めて、うなずいた。


「……ああ。お前が呼ぶなら、いつでも」

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