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文化祭の熱気が冷めやらぬまま、学校は日常を取り戻しつつあった。イレブンとセーニャは演劇の成功を祝いながらも、次なる課題、学期末試験の準備に追われていた。二人はしばらく勉強に集中することになり、毎日放課後は図書室で勉強をする時間が増えていた。
「イレブン様、これからの試験、少し心配ですわ…」
セーニャが少し不安そうに呟くと、イレブンは笑顔で答えた。
「大丈夫だよ、セーニャ。僕たちは一緒に勉強してるんだし、きっと上手くいくよ。」
セーニャは少し安心したように頷いた。二人はしっかりと計画を立てて勉強を進めていく中で、お互いに励まし合い、少しずつ自信を深めていった。
試験が終わり、数日後、待ちに待った成績発表の日がやってきた。学校全体がざわざわとした雰囲気に包まれ、掲示板の前には生徒たちが集まっていた。
「どうしよう…」
セーニャは緊張した面持ちで掲示板に向かって歩み寄り、成績を確認しようとした。イレブンもその横に立ちながら、彼女を支えるように声をかけた。
「セーニャ、大丈夫だよ。結果がどうであれ、僕たちは頑張ったじゃないか。」
セーニャは少し息を飲み、掲示板の前に立った。そこには、試験の結果がずらりと並んでいた。イレブンも一緒に自分の名前を探しながら、少しドキドキしていた。
「イレブン様、見つけましたわ。」
セーニャが顔を上げると、そこには彼女の名前と成績が記されていた。予想していたよりも良い成績だったようで、セーニャはほっとした表情を浮かべた。
「私、合格しました!ありがとうございます、イレブン様!」
「やったね、セーニャ!すごいよ!」
イレブンはセーニャの肩を軽く叩き、笑顔を見せた。二人とも、その瞬間、試験の緊張が一気に解けて、安心した気持ちになった。
そして、イレブンの名前が掲示板にあるのを見つけた。彼も無事に合格しており、セーニャに向かってほっとした表情を見せた。
「僕も無事だったよ、セーニャ。君のおかげで頑張れた気がする。」
セーニャは少し照れながら、微笑んだ。
「イレブン様が一緒だったからこそ、私も頑張れたんですわ。」
二人の間には、何とも言えない温かい空気が流れた。試験が終わったことで、しばらくの間、忙しさに追われていた日常から解放された気がした。
その日の放課後、二人はいつも通り図書室で過ごしていたが、セーニャは何となくイレブンに視線を送ることが多くなった。成績発表の日の喜びが、どこか心の奥深くに残っているような気がして、彼に対しての感情が少し変わったことに気づいていた。
「イレブン様、最近、少し…変な感じがしますわ。」
セーニャが唐突に言うと、イレブンは首をかしげた。
「変な感じ?どういうこと?」
セーニャは少し照れながら答える。
「その…あなたと一緒にいると、心がとても温かくなるんです。前よりも、もっと特別な気持ちが湧いてきた気がして…」
イレブンは少し驚いた表情を見せたが、すぐに優しく笑った。
「僕もだよ、セーニャ。君と一緒にいると、すごく落ち着くし、安心するんだ。」
その言葉に、セーニャは顔を赤らめてそっと目を伏せた。
「それは…良かったですわ。」
二人の間に少しの沈黙が流れたが、その沈黙は心地よいもので、次第にお互いにとって自然なものとなっていった。
次回予告:
第10話では、試験後の余韻が覚める間もなく、二人に新たな挑戦が訪れる。ある日、学園の外で発生したトラブルに巻き込まれ、イレブンとセーニャは協力してその問題を解決しなければならなくなる。しかし、その過程で二人の絆はさらに深まり、心に変化が訪れることに…。