【sn side】
それからというもの、pn先輩は毎日のように屋上に来るようになった。
pn先輩だけではなく、kr先輩もtr先輩も…。
kr先輩はお弁当を持ってこない僕のために僕専用のお弁当を作ってきてくれ、
tr先輩はたまに無茶を言うpn先輩のストッパーとなってくれる。
何で、こんなに良くしてくれるのかは分からない。
僕が同学年の人たちから色々言われているのを知らないのか、
それとも知っていて、関わっているのか…。
知っているなら何で…僕を、笑うため?
絶望に明け暮れた僕を見て、笑いものに…晒しものにするため?
よくしてもらっているのにも関わらず、嫌な想像が頭をよぎる。
何で僕、こんなに最低なんだろう…。
でも、この人たちと一緒にいると心が安心する。
ずっと僕が授業をサボっていても、何も言わない。
何も干渉してこない。
正直僕からすると、とても有難かった。
でも、ずっと逃げるのはダメだと感じた。
だから、今日は授業に出た。
んだけど……
mb「ね、何で普段はこんな格好しているの??」
この前の休日、好きな漫画の新刊を買いに行く時、男の恰好をして出かけたところをクラスの人に見られたらしい。
写真も撮られて、今、5人に囲まれながら質問攻めにされている。
sn「……別に、いいじゃないですか。」
「何か悪い事でも?」
mb「いや、悪い事っていうかさぁ…似合っているとは思うよ?」
sn「何も迷惑かけてないならいいじゃないですか。」
「どいてもらっていいですか?」
mb「あ~まぁまぁ待ってよ」
「だってさ、女の子がこんな格好してたら変じゃない?」
「もう女じゃなくて男じゃんw」
その言葉にクラスの人たちは笑い始める。
うるさい……囲まれているからなのかは分からないけど、笑い声がとてもうるさく聞こえて…。
思わず耳をふさごうとする。
しかし、ある一人が僕の手首をつかむ。
mb「その可愛い顔がもったいないよ~」
「俺らがもっと可愛くしてやろうか?」
その男の顔はとても不気味で、僕の身体は恐怖で動けなくなってしまった……。
【pn side】
tr「あ~~~疲れたぁぁ……ホントに何で数学ってこんなに難しいんですかね…」
kr「でも今から昼食だよ?」
pn「はぁ~…snくん、もう屋上いますかね、?」
tr「もういそうだよな、今日は授業出るとか言ってたけど」
そう言ってお弁当を持って、教室を出る。
3人で屋上に向かって歩いていると、女子たちの話し声が聞こえた。
mb1「ねぇさっきのやばくない?女の子1人に男5人って…」
mb2「ね~、でもあの女の子って噂の子じゃない?」
mb3「噂?そんなのあったっけ?」
mb2「あのほら、男の子みたいな女の子いるって話!」
mb3「あ~!あの子なんだ!めっちゃ顔整ってたじゃん」
「男の服着てたらわかんないかも!」
mb2「ほら、1個下の学年ってさ、色々と治安悪いじゃん?」
「だから、あの子クラスで浮いちゃってるみたい」
mb1「え、可哀そう…うちらと同じ学年だったら良かったのに…」
mb3「ね~うちらの学年、めっちゃ平和なのに!!!」
その時俺は、なんとなく胸騒ぎがして、その女子に話しかけてしまった。
pn「あ、ねぇねぇ、その女の子の名前って、分かったりする、?」
mb2「え、えーっと…snさん…だっけ?」
pn「ど、どこにいた?」
mb1「え、向こうの…階段の下のとこだけど…」
pn「っ…!!!ありがと!!」
俺はkrさんとtrをおいて、走り出した。
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