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悪魔ってやっぱり悪魔なんだなぁ
レイマリさん出てくる度に毎回ABCの歌歌います(
──────ゼンさん視点──────
あの時の自分は自暴自棄だった。今ならそんな冷静なことが言える。心臓はバクバクと高なっていくのに、手足は急速に冷えていく。視界は段々とぼけていき、ぽれは自身の武器を取り落とす。
人生で2度目の窮地であった。1度目は契約を交わすことによって生きたが、2度目はもう無理だろう。何しろ相手は天使で、今は殺すために争っているのだから。死にたくないなー、なんて薄っぺらいことを考えながら、その命の灯火が尽きるその瞬間を待っていた。こんなにも脳が回転しているのはどこかでぽれはまだ生きたい、と願っているからかもしれない。───椎名に悪い事をした、と思っているから。椎名は何も悪くないのに勝手に当たっちゃって、何も言わずに戦いに行って、そして負けて死体として帰ってくる。
申し訳なさと悔しさで視界がさらに滲み、ぼやける。
──────やっぱり、死にたくなかったんだ。人生をまだ楽しみたかったし、椎名を色んなところに連れていきたかった。どうして、なんて言ってももう遅いのだろう。
ごめんなさい。ごめんなさい。
相手の攻撃が飛んでくる。ただの死体のくせに、生者の足を引っ張り、ぽれを死者に招き入れようとする。ふざけんな、勝手に死んどけ。ぽれを巻き込むな。やめろ、やめろよ!!───やめてください…っ
これ以上、ぽれを苦しめないで。ぽれのせいで死んだ人たちを出さないで。ぽれを1人にして欲しいし、1人にしないで欲しい。そんな曖昧な気持ちのまま、ぽれは死んでしまうのか。そんなのは嫌だ。ぽれは殴ろうと拳を構えるが、力が全く入らず、また当たる前に当てられ、ぽれは軽く宙を舞う。その後、複数の死体によって、何回も何回も斬られ、殴られを繰り返す。
そうして、ぽれは命を落とした。
──────Iれいまり視点──────
「し・い・なちゃーん♪おーきーてー!」
妙に軽いテンポと謎のハイテンションの声で私の意識は急浮上する。と、言っても頭が重くて、起き上がる気にはなれない。なんだろう。別に頭痛とか、そういう類のものではない気がする。違和感を感じつつも、私は起こした相手を見て心底驚いてしまい、目を見開く。
「…レイマリ?」
私がそう尋ねると、目の前の私そっくりのやつ───レイマリは私のことを嘲笑いながらそう、と肯定する。
「そう、私がレイマリ。元々この世界で生きてきて、幸せな日常を送る予定だった私。今日、ここに来てもらったのは、ひとつだけお願いしようと思って。」
ここ、というのはどこのことか。少し考えてから、ひとつの仮説を立てる。もしかしたら、ここは私の思考の中の世界なのかもしれない。そうでなければ、私の目の前にこいつがいる理由がならない。いや、そもそもひとつの肉体にふたつの魂がある、なんて状態も異常で、体を使う時にはどちらかしか使えない、ということもよく分からないが。
とにもかくにも、その願いとやらの内容を聞いてからではないと話が進まない。私はそう結論づけてその続きを促す。
「なんですか?」
「ん〜?この肉体の主導権を私にちょーだい!元々私のものだったんだから当然と言えば当然だよね〜?」
そんな軽々しく言う内容の願いではない。無論、私の答えは決まっているが、あくまで相手は私なのだ。丁重に答えてやろう。
「…そうですか。ちょっと難しいですかね、それは。」
「───なぁーんで?昔さ、もう死んでもいいみたいなこと言ってたじゃん。今更過ぎない?それ。」
私がわざわざ丁寧に教えてやったと言うのに、レイマリは不満げに瞳を揺らし、反論する。───割と痛いところをつかれた。たしかに、私は昔死んでもいいと思ってた。けど、今は。
「ゼンがいるんです。私には。あの子と契約を交わしたからには、私はあの子を幸せにしないといけないんですよ。」
私が反論してやれば、レイマリはしばらく俯いたあと、小さく声を漏らすと、それは段々大きくなり、肩を大きく震わせ、笑い声を脳内に響かせた。
「あ〜!なるほど!───じゃあそいつが死ねばお前は肉体を譲ってくれるわけか!ふふ、ふふふふっ!!じゃああと少しじゃん!!」
───あと少しじゃん。そんな悪意と人情のない言葉に私は顔をしかめる。それはゼンがそろそろ死ぬ、と言っているようなものではないか。
「あのですね。ゼンはあなたが思うよりも弱くないんですよ。過小評価をしないでください。」
「ありゃ、知らないの?ゼンって悪魔が言った戦場にはほかの悪魔全員が手を焼く【神器:傀儡の踊り子】を持つ天使が現れるんだよ。七つの大罪ですら負ける可能性があるのに…w───ゼンってやつは七つの大罪より強い?そんなわけないじゃんw!!」
そう嘲笑うがごとく、私の希望を粉々にしてくる。───心のどこかでぱりんっと何かが割れる音がした。
「ひーっwひーっw笑いすぎて腹痛い…wで、諦めはついた?身体を譲る準備は?」
「───お前はわかっててゼンをその場に送らせたのか?死ぬって、わかってて───」
全てを知っているかのような口ぶりから、こいつは何かを知っていたのだろう。しかし、こいつは止めることもせず、メメによって、ゼンのところに行くことも叶わなかった。それを、こいつはなにかできたはずなのに何もしなかった。どうして───?
そんな答えを、やつは簡単だと言わんばかりに言う。
「───あいつが死ねば椎名は生きる気力を無くすでしょ?」
「…それだけの為に、ゼンを見殺しにしたんですか?」
「人聞きが悪いな〜。私だってここまで上手くいくと思ってなかったんだよ!運がいいねー!私!」
「死ね。譲るわけないだろ。人の心が荒むことをして何が面白いんだよ。こんな非道なやつに私の体をあげるわけねーだろ!!」
「んー。交渉決裂。なら、争お?───この肉体の主導権をかけて。元より私はそのつもりだったし?」
そう言って目元を歪ませる悪魔は今は私の敵でしかなかった。
脳内で私たちは戦いの火花を散らす。
ここで切ります!もうそろそろ毎日投稿中と宣言しようか迷ってます!!そして、そろそろIルートが終わりを迎え始めました。長すぎる。わんちゃん100話行くんじゃないかとオドオドしてましたがそんなことはなく。
ちなみにれいまり編の後はメテヲ編に入りますのでー!そっちは20〜30話くらいになると思います。…れいまり編みたいに色んなルートがある訳じゃないのでね。
それでは!おつはる!