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私
達は、あの時あなたと共にいたかったのだ。
けれどそれはできなかった。
だからせめて今ここにいるよと伝えたい。
たとえ私が死んでしまっても、どうか忘れないでほしい。
あなたを愛していた人達がいたことを。
私達があなたにとって必要だったということを。
たとえあなた自身がもう必要としていなかったとしても。
それでも愛しているということだけはわかってほしいんだ。
私達のことを覚えていてね、忘れないで欲しいわ!
「愛している」なんて言葉じゃ足りないくらいよ! だから、お別れの前にもう一度キスして頂戴!!
「また会う日まで」と言って、手を振ってくれればいいの! 私が泣いている間、黙っていてくれるだけで良いんだもの。
「さようなら」と言わなくてもいいのよ。
ただ黙って、そこにいてくれれば。
あなたが行ってしまった後でも、私は泣いたりしないわ。
だって、あなたがそばにいるってわかるんですもの。
あなたはもういないけど、私は一人じゃない。
私の胸にはあなたがいるし、いつも一緒よ。
あなたの笑顔を思い出して微笑むことができるわ。
あなたがいなくなっても、私達は何も変わらない。
きっとこれからもずっと一緒に歩いて行けるはず。
あなたがどんな姿になっても、私はあなたを愛し続けるでしょう。
あなたがいないと生きていけないと言う人もいるけれど、私にとってはそんなことはない。
あなたを失ってしまったら、もう何もかも意味がないのよ! そんなことを思っても、彼女は決して言葉にして伝えようとしないし、そもそも伝えられるようなことではなかった。
なぜなら彼女にとってそれは真実だったとしても、相手にとっては所詮、他人事に過ぎないからだ。
だから彼女は今日も一人、胸の奥底に押し留めて黙ったまま見つめるだけ。
たとえ、彼女の視線に気づいてくれなくても構わない。
ただ傍にいられるだけで良かったのだ……それなのに。
―――『君さぁ、俺のこと好きだろ?』
唐突に投げかけられた問いに、彼女は呆然と目を見開いた。
何故、分かったのか?いつからバレていたのか? 様々な疑問が頭の中を巡るけれど、結局答えなど出ないまま、口をついて出たのは何とも情けない声音だけだった。
「ちっともわかってくれない!」「あいつはいつもそうだ」「もうたくさんだ」など。
病名:空想家症候群 空想とは、「夢想」、「幻想」を意味する言葉。
空想家は、自らの生み出した物語の中に入り込んでしまう精神疾患である。
空想の中で生きる彼らは、現実社会との折り合いをつけることが困難となる。そのため日常生活に支障をきたしたり、人間関係にも問題が生じることが多い。
また、空想癖がある者の多くは他者との関わりを避ける傾向にあるため、コミュニケーション能力の発達不全が見られることもある。
治療には薬物療法のほか、セラピー、カウンセリングなどの心理的なアプローチもある。
「さて、皆さん。これから楽しいゲームを始めましょう!」
突然、聞こえてきた声に俺はビクリと体を震わせる。
声の主を探して辺りを見回す俺だったが、それらしい人影はない。……あれ? どこから話しかけられたんだ?
「うふふ、どこにいるのか分かりませんよね?」
再び声が聞こえる。
今度は間違いなく正面からだ! しかし、目の前にいるのは誰なのか? それはもう、どうだっていいことだ。
この瞬間を逃さず撃ち抜くのだ。
今度こそ奴らを殺してみせるぞ。
ああ、あの女はどこへ行ったんだろう? 彼女はぼくにとってなくてはならない存在なのに。
それとも、これも幻だったのか? 彼女のことを思い出そうとするたびに頭痛が起こる。
まるで、何かを思い出してはいけないみたいに。
いや、そんなはずはない。
あれは現実に起きたことなのだ。
そうだね、と僕は思う。
あの時、僕たちを助けてくれたのは彼女だったんだろう、と。
それは、僕の思い込みかもしれないけれど。
それでも、きっとそうなんだと思うことにしている。
僕たちの物語はまだ始まったばかりなのだから。
―――とある世界の神話より抜粋 【解説】
『終末』とは、神の定めた寿命のことです。聖書においては、『死すべき定めにある者は全て滅びる』とされています