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これは、d!様の二次創作です。
ご本人様には一切関係ございません
エセ関西弁、捏造注意
その他の注意書きは第一話を参照ください
でははじまります
自分がやってきた鏡とは別の鏡の前で、深呼吸する。
きっと、その鏡に優しく触れればあっという間に鏡の中へ飲み込まれてしまうのだろう。
後ろには、もう一人の俺と、同期と、後輩。
俺が無事もとの世界に戻るまでを固唾を呑んで見守っている。
正直、何が起こるかわからない。
どこの部屋に出るかもわからないし、そもそも軍基地じゃないところに出る可能性すらある。そのことに少々恐ろしさを感じながらも、勇気を奮い立たせる。
syp「じゃあ、今までありがとうございました」
3人と顔を合わせて最後の挨拶をする。
と、
ぽんっ、と手のひらに何かが置かれた。
syp「へ…?」
syp『これ、土産です』
それはショートピースの箱だった。
syp『俺ら、ちゃんといるんで。大丈夫ですよ、イロニーさん。頑張ってくださいね』
そう言って優しく微笑む。
その箱を大事に胸ポケットにしまい込み、もう一度深呼吸して鏡の前に立つ。
ろくでもないことが待ち受けているのはわかっている。都合よくいかないことも、そもそも俺があの世界への帰還を期待されていないことも。
楽しかったです。
ほとんど動かなくなった表情筋をわずかに動かし、鏡につと手を触れる。
ずぶり
あの時と同じような感触がする。
柔くなった鏡の表面に、全身を埋める。
ずぶずぶと、あっという間に体が飲み込まれ、
気づけばあの世界は何億光年も離れているような遠い存在になっていた。
どさっ
俺が落ちたのは
syp「……、俺の、部屋?」
部屋を見渡してみると、家具の配置や置かれている書類はあの日のまま。だけど、鏡だけ、新しいものに変わっている。
と、俺が落ちた音を聞きつけたのか、俺の部屋に向かって慌てたような足音が近づいてきた。
バンッと音が鳴るほど勢いよく扉が開かれ、その目は確実に俺へ視線を注いでいる。
まるで死人を見るような目でしばし固まった後、
ci「sypが戻ってきた!!!!」
耳が割れるほど大きな、歓喜のこもった声で彼は叫んだ。
ci「戻ってきてよかったああああああ!!(泣)」
sho「うぅ、よかっ、た、グスッ」
rbr「せやなぁ、よかったな」
ut「おかえり…w」
kn「死んでたらどうしようかと思った…」
俺の部屋に幹部たちが集まっている。鼻をすする音や涙ぐむ声があちらこちらから響いてくる。この軍の中では極めて異常な事態である。
部屋の角へ目を向けると、ぽつんと離れて立っている新人の姿があった。
ci「rp〜、何でこっち来ないの?」
rp「別に、どうでもええから」
rbr「嘘つきやなぁ〜。いっちゃん頑張って行方探してくれとったやないか」
rbrのキャラキャラした笑い声が部屋に響き渡る。
rp「うっせぇなぁ〜!!//」
ci「あはは、良かったね!、sypが戻ってきて」
と、がちゃりとドアノブの回される音がした。ひらめく鮮やかな赤のマフラーで、一目で誰か分かった。
syp「tn…」
彼は少しばかり苦しそうに顔をゆがめ、しかしまたすぐにいつもの冷酷さをたたえた無表情に戻り、そっと、俺の頭に手を乗せた。
tn「良う帰ってきた」
その手のひらは、いつもあの剣で人を切り裂いているとは思えぬほどの優しさと暖かさを持っていた。
予測していない事態にしばらくフリーズしていると、tnはぱっと手を離し、全員に大声で告げた。
tn「さあお前ら。syp捜査は終了や。今から通常業務に戻るぞ。1秒でも期限遅れて見ろ。ばらばらにしたるからな」
sho「は、はい!」
rbr「了解っ」
ci「イェス!」
rp「おけでーす」
kn「頑張ろなぁ大先生」
ut「うん」
続々とみんな部屋を出ていく。
俺も立ち上がり、自分のデスクに残った書類を眺める。これ、今からやって間に合うか…?
そっと胸ポケットに触れる。
確かに箱の感触がある。
窓を開けて火をつければ、あの世界で吸ったときと同じ味がする。
syp「……、また、会いましょうね」
きっとまたいつか。この世界でみんなが救われたら。
ありがとう。
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