テラーノベル
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とても暑い夏のことでした。
その時、中学生だった私はいつもと違う道から帰ってみたのです。
直射日光で熱くなったサドル。
とても座る気にはなれず、てくてくと押して歩いていました。
陽炎がゆらゆらと揺れる道路。
顔を上げると、目の前を何かが駆け抜けて行きました。
たぬき。
頭にかさを被った、茶色いもの。
家の前にたまに置かれている置物のアレにしか見えなくて。
私は気になって、すぐに自転車に飛び乗って全速力でソレを追いました。
追いついてみると、ソレは座ってこちらを見上げました。
たぬき、だと思っていたんですよね。
実際、頭と体は完全な置物のそれだったし。
でも私、気づいたんです。
尻尾がね、ねこちゃんのものみたいだったんです。
たぬきはもっと太いですよね。
抱き上げたら、たぬきは跡形もなく消えて、普通のトラ猫になっちゃいました。
このねこちゃん、化けられるんだ。
何の抵抗も不思議に思うこともなく、すんなり受け入れたことだけは、鮮明に覚えています。
りすぐみ
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#コメディ
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