TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

君の涙は美しい

一覧ページ

「君の涙は美しい」のメインビジュアル

君の涙は美しい

7 - 第7話

♥

101

2023年02月15日

シェアするシェアする
報告する

side目黒


阿部ちゃんはあんなに泣きじゃくっていたせいか、力がないらしい。


走ったはいいものの、いつもよりもずっと遅い。


今の阿部ちゃんに追いつくのは俺にとっては容易いことだった。


すぐに阿部ちゃんに追いつき、腕を掴んだ。


「阿部ちゃんッ」


「離してッ!!」


俺の手を振り払おうと腕を振るが、そんなもので俺の手はビクともしない。


「離してよ…!」


「阿部!目黒!」


そこへ、ふっかさんが来た。


どうやら、追いかけて来たらしい。


「阿部………ごめん!!」


勢いよく、頭を下げる。


「……」


阿部ちゃんは何も言わない。


「俺が悪かった。」


「ごめんで済むことじゃないってことは分かってる。」


「でも……阿部に嫌な思いさせた。」


「本当に、ごめん。」


ゆっくり、ゆっくり、自分の言葉を確かめるように言葉を紡いでいく。


「……いいよ」


「俺も、ちょっと頭に血が上っちゃった」


阿部ちゃんは微笑む。


でも、その微笑みは悲しそうに見えた。



side阿部


俺は、深澤に酷いことをしてしまった。


あんなに怒って、深澤は、凄く傷ついたような顔をしていた。


なんで、俺は人を傷つけることしか出来ないんだろう。


もう、こんな俺、この世にいない方が__


「高校生がこんな時間に何してんの〜?」


ゆったりとした声が後ろから届く。


みんなで後ろを振り向くとそこには


「そんなことしてたら先生の責任だって言われちゃうんだけど。」


「まあ、俺は養護教諭だから関係ないんだけどね笑」


「だてさん……」


保健室の主、宮舘涼太先生だった。


「ほら、早く帰らないと親とか心配するんじゃない?」


“親”という言葉に少し体が強ばる。


「特に深澤は妹さんいるでしょ?」


「いるけど……」


「早く帰ってあげなよ。」


「可愛い妹さんでしょ?」


「……分かったよ」


とは言うものの、深澤は動こうとしない。


「ほら、目黒も阿部も。」


「一人暮らしだからと言って、遅く帰っていいわけじゃないんだよ?」


「早く寝ないと、明日の学校に遅刻するよ?」


ここはどうやら、従うしか無さそうだ。


「分かりました。ほら、目黒、深澤。帰るよ」


俺が声をかける。


「うん……」


「分かった……」


2人は着いてくる。


「じゃあ、また学校でね。」


宮舘先生と別れ、3人で歩く。


その間、何も会話は無かった。


俺らの背後には、全て吸い込んでいきそうな、紺色の夜空が広がっていた。

この作品はいかがでしたか?

101

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚