テラーノベル
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着替え終わって更衣室を出ると、これからカンナと一緒にモデルをする少女たちがくつろいでいる待合室だった。
いずれも流行の色とりどり、おしゃれなデザインの服を着ている。同じ年頃の同性ばかりで、夏の盛りらしい肌の露出度が高い服装の子たちだが、それでも晶子は急に今の自分の格好が気になり始めた。
両肩かた腕は完全に肌がむき出しで、肩の布地も細く、ブラジャーの肩ひもが見えやしないかと、何度も位置を直す。
太もものかなり上の方まで露出するスカートは、小学校の時以来初めてだった。晶子は歩く度にスカートの裾を手で押さえた。晶子は心の中でつぶやく。
「カンナ、よくこんな格好で外を歩けるなあ」
入り口のドアから、脚立やライトスタンドを担いだ若い男性が入って来て女の子たちに告げる。
「みんな、小林さんがそろそろ楽屋入りしてくれってさ」
その顔を見た晶子が思わず声を上げる。
「え? 良太さん?」
それはカンナのカレシの良太だった。良太が不思議そうな顔をして近づいて来る。
「あれ、晶子ちゃん、だよね? なんでここに」
横に立っているカンナの格好を見て、良太は全てを察したようだった。
「ああ、おまえが制服の当てがついたって言ってたのは、晶子ちゃんの事だったのか」
カンナは右手を頭の後ろ、左手を腰に当てて、やや体をねじったポーズを取って得意げに良太に言う。
「どうだ。お嬢様JKだぞ」
良太は晶子に向かって言った。
「ええと、こういう時の諺(ことわざ)、馬子(まご)にも衣装、で合ってる?」
良太の脚にカンナの蹴りが入った。カンナが良太を半分笑いながらにらみつける。
「今日の晩飯は良太のおごりだかんな。一番高いもん食ってやる」
晶子が良太に訊く。
「良太さんこそ、どうしてここに?」
「俺もここで一日だけのバイト。荷物運び」
撮影会場は4階の小さなステージのあるスタジオという事だった。他のモデルの少女たちと立ち去りながら、カンナが良太に言った。
「撮影の間、会場の後ろの方で晶子と一緒にいてやってくれ」
そして階段を登って上の階へ行き、カンナはステージの裏へ、晶子と良太は客席の一番後ろの席に座った。
コメント
1件
晶子の初々しい戸惑い方、すごく伝わってきました。自分もこんな格好したら絶対気になっちゃうなあって共感しちゃいました。カンナと良太さんの掛け合いも可愛くて、あの「馬子にも衣装」で蹴り入れるシーン、思わず笑っちゃいました。晶子の緊張と周りの温かさが対照的で、すごく好きな場面です🥀
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宇津Q
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