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8月10日、気温は38度と高い日だった。お盆だったということもあり、両親の墓参りへ兄と私で行った。帰りにアイスを食べようと、車の中で言っていた。
信号無視をする車がいた。お年寄りの車だったそうだ。アクセルとブレーキを踏み間違え、兄の車に追突した。兄は全身複雑骨折により死亡。私は頭を打ち付けたぐらいだった。
また、犠牲者を出してしまった。
こんなの両親の時と一緒じゃないか。私が殺したようなものだ。
これからは、私は人となるべく関わらないようにしよう。そう決めた。
これ以上私のせいで犠牲者が増えないように、不幸にさせないように。
血縁関係の人は全員亡くなった。私はこれからどうすればいいのか。まだ中学3年生だ。まともな生き方なんて知らない。
警察とカウンセラーと弁護士がよく家に来る。両親の時もそうだった。だが、隣に兄はいない。
今は一時的な保護施設にいる。部屋は6畳。元の部屋と何ら変わりない。
警察とカウンセラーと弁護士が部屋に入ってきた。表情は固い。悪い知らせだろうか。
弁護士が口を開く。
「裁判の結果、加害者側から慰謝料と賠償金を50万ずつ、計100万払ってもらうことになりました」
つまり、私の手元に100万が来るわけだ。金には困ってないのに。
両親と兄は今後のため、私のために予想以上のお金を残してくれていた。それこそ、5年はお金に困らない生活ができるほどに。
「身寄りの無い魁さんは児童養護施設に行くことになります」
続けて弁護士が言う。なるほど、だから表情が固かったのか。別に施設に行くのに抵抗はないのだが。
重い空気の中、警察が口を開いた。
「でも、1人、魁さんを預かりたいって言う人が現れたんです。調べた所、遠い親戚に当たる人で…」
今の警察の言葉でわかった。私が何を言ってもその遠い親戚の元へ行くことになる。
「それは嫌です」