武器を構えるデルモン
地面に倒れるエンジン
それを見て固まる一同
「エンジン!!」
「…あんた今…エンジンに…何した…??」
然し何も答えないデルモン。その目はどこか虚ろな目をしていたと後にルドは語る。
「オイ…お前が何かやったのか!?お前人通者だろ。それに、その靴にオレの “3R” 同じ印…一体…何なんだお前!!」
ルドの問いには答えず、アモはニコニコと笑っていた。
「で!どんな人がタイプなの?」
「……ッ」
「?何で黙るのよ」
「お前自分が何したか分かってるのか?」
「フツウの会話はコミュニケーションの基本でしょ?それにアモだけが口動かしてても距離は縮まらないじゃない。人間って自分語りが大好きなの。だからみんなも自分の事話せば楽しくなれる!せっかくのお客さんだもの会話も楽しんでもらいたいんだ!まぁ盛り下げるヤツは別だけどね」
「(だめだ…会話出来る気がしねぇ…)」
ルドはその場にへたりこんでしまった。
「よぉわかったわ。あんたが作る話題に沿えるやつの声と盛り下げるやつの声しか届かんゆう事じゃな。ほんなら俺の声はよおぉく届くじゃろぉてブス。気色悪い話はもう終いじゃボケ。どんな手使うたかしらんがよくもエンジンをこんなんにしてくれたのぉ。天界とかの話、俺はどうでもええ。敵意があるなら潰すだけじゃ」
暴言を交えつつザンカがアモを見るとアモは涙を流していた。
「何で…?何でそんなひどいコト言うの…??アモ何もしてないのに…ひどい…ひどいなぁ…アモすっごく、すっごく…傷付いちゃった」
するとデルモンがザンカに襲いかかってきた。
横にいたラムレザルは咄嗟にザンカを突き飛ばしエンジンを抱えて後ろに下がった。
「デルモン!てめぇ何してんだ!!仲間だぞ!!?」
「よくも彼女を!!傷付けよったなあああ!!」
「は?」
「何処の誰だろうが!たとえ仲間であろうが!!ゆるっさんぞぉ!!!彼女がわしの戦う理由!!!彼女を守る!それが大義なり!!」
「何言ってんだお前…」
「これ、本心だよ…ラム…」
「ああ…だろうな。なんとなく分か…っ(なんだ?急に目眩が…クソ、こんな時に…)」
「ラムさん?大丈夫??」
「大丈夫だ…気にするな。それよりエンジン見てくれ」
ラムレザルが急に静かになったので近くにいたトウムが声をかけたがラムレザルはただの目眩だと振り切って大丈夫だと言った。
「おじさまはず〜〜〜っとアモのファンだったのよ。」
「!?」
「デルモンが!?いつから…」
「違ぇ。たったそれっぽっちの事で仲間に手ぇ出す奴じゃ「わかってないなぁ。アモのためならあんたら余裕で裏切れんのヨ」
「気味わりぃ顔だなぺちゃんこ…(なんなんだよ…さっきの目眩に加えて頭痛まで…クソ!)」
どんどん酷くなっていく体調にラムレザルは膝をついてしまった。
「ラムさん!?やっぱりどこか悪いんじゃ…」
「さっきから頭痛して…薬持ってるか?」
「頭痛薬は無いけど鎮痛剤なら…」
「それでいい。くれ」
薬を飲むと痛みが和らいだ気がした…が、その瞬間頭の中にノイズが走った。
《次はどこに行こうかラム》
「え」
《お前は美人だな。自慢だよ》
《プレゼントだラム。誕生日おめでとう》
《背が伸びたなラム。いつか追い越されそうだ》
《物は大切にしなさい。いつか恩を返してくれるから》
《仕事に行ってくるよラム》
《ごめんなラム》
《弱い者イジメはするなよ?それがお前の弱点になる》
《先に逝くダメな父親を許してくれ…》
同時刻、ルドもラムレザルと似た幻覚を見ていた。
「そうそう。実はねアモのファンがこの中にあと二人いるのよねん。アモの望みはみんなで楽しくずっとここで語らうこと…でも…もしまた誰かが盛り下がる事言ったりしちゃったらその子達がおしおきしちゃうかもね?」
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