テラーノベル
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リト「あ、お醤油切れてる」
昼ごはんを作ろうと、適当に使えそうなものを漁っている時に気づいた。他にもあるかもと見てみると、砂糖や卵、牛乳も切れている。
リト「…砂糖はともかく、卵や牛乳はラトだな」
ラトは編み物をよくしているがお菓子作りも楽しいからとたまにクッキーやらシフォンケーキやらを作っている。いわゆる家庭科男子というものだ。
リト「でも、切れる前に補充しておいてよ…」
はぁ…と軽く肩を落とす。でもそのままでは何も進まない。カウンターにある紙とペンで買い物リストを作成。
トルク「リト…」
リト「どうしたの?_あ〜…それもないのか」
トルクが食器用洗剤の容器を持ってくる。あと数回しか使えないくらいの量しか入っておらず、トルクがいうには詰め替え用も無かったという。
リト「ありがとう、トルク」
トルクは何も言わないままそばにいる。ハイネックで見えづらいその口元がチラリと見える。嬉しかったのか、少し口角が上がっていた。
リト「天気予報では今日は晴れ100%みたいだし、傘は大丈夫かな。…荷物、もう一度確認しておこう」
昼ごはんまではまだ時間がある。今から買いに行こう。
トルク(絶対降るやつだ…)
リト「行ってきます」
…珍しいなぁ。いつもは僕が買い物に行くって言ってもついていかないのに。トルクは傘を持って僕の後ろに立っていた。
リト「あれ?買い物リスト…どこ行った?」
慌ててカバンの中を探すが見つからない。三回荷物確認したのに。
クイッと服の裾が引っ張られる感覚がする。見ると、トルクが一枚の紙を渡してきた。それは探していた買い物リスト。代わりに持ってくれていたんだな。良かった。
トルク(…同じの作ってて良かった)
無事買い物を済ませ、店を出ると…
リト「あ〜…(天気予報では一日中晴れって言ってたのに…)」
チラリとトルクを見ると分かっていたかのように持っていた傘を広げる。
リト(父さんに似て用意周到だなぁ)
帰り道、しとしとと降る雨の音を聞きながら隣で傘をさしてくれているトルクとゆっくり帰る。ほどよい静けさ。
リト(今日は天気に嫌われたんだなぁ。でも、こういうのもいいよね)
そう、感じる
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