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前回の続きより
照Side
敵の術のせいで、体を動かすことが出来ない俺、翔太、舘さんの三人。勝ち誇った笑みを浮かべる敵を、ただ睨みつけることしか出来ずピンチを迎えていた。そんな時だった。
ガターン!!
🩷「ピンチヒッター俺、参上!!」
勢いよくドアが開け放たれ、聞き慣れた大声と共にピンクの男がやって来た。
❤️「佐久間……!」
「なに?!」
🩷「みんな、大丈夫?!」
💛「まあ、なんとか……」
「聞いてないぞ!応援を呼んでいるとは……」
💙「俺らも今びっくりしてんですけどね」
慌てふためく会社の……いや、敵の組織たち。佐久間が来てくれたことで、俺たちの形成は逆転した。
🩷「お前ら、自分が何したか分かってんの?」
鋭い目付きで佐久間が敵を睨みつけ、敵にジリジリと歩み寄る。そして次の瞬間、佐久間は能力を使ってまばゆい光を放ち、敵に目くらましを仕掛ける。
「ぬあっ?!」
敵の動きが止まったところを、佐久間が持ち武器であるナイフやくないでザクザクと刺していく。敵たちの目線は一斉に佐久間に向けられ、敵は次々と佐久間を攻撃する。
でも、佐久間の特殊能力は『アクロバティックレンジャー』。人より秀でたロンダートなどのアクロバットで難なく避け、不意をついてナイフを投げて反撃する。
佐久間が気を引いてくれているうちに、部屋に充満していたループ術も弱まり、俺も翔太も舘さんもすっかり動けるようになっていた。
💛「おし、俺らも行くぞ」
❤️「ああ」
💙「いっちょ暴れてやりますか」
俺らは頷き合うと、一斉に能力を解き放った。
俺の特殊能力は『ブロックロック』で、どんな場所にでも岩を作り出すことが出来る。その岩で敵の攻撃を防いだり、攻撃したり……体の一部を強化したりすることもできる、かなり万能な能力だ。武器は特に持たず、素手で戦う。
翔太の特殊能力は『シングウォーター』で、得意の歌と武器の二丁拳銃、水の術をかけ合わせて使う。攻撃の仕方がかなり幻想的なので、本人はもちろんメンバーのみんなもお気に入りの能力だ。
舘さんは『ロイヤルファイヤー』で、舘さんの貴族っぽさをさらに強めるような美しい炎と持ち武器のライフル銃をかけ合わせて使う。翔太の能力と合わせて使うことが多く、ゆり組にしか出せない幻想的な攻撃が出来上がる……
舘さんが指をパチンと鳴らすと、舘さんの周りに炎が浮かび上がる。
❤️「……Party Time」
そう呟き、再び舘さんが指を鳴らしたのを合図に、炎は敵に向かって飛んでいき敵は散り散りになって逃げ回る。俺も腕に力を込めながら敵を追いかけ、石化させた手で殴る。
💙「油断してんじゃねぇよ」
翔太は逃げ惑う敵にそう告げると、俺たちの曲のワンフレーズを歌いながら、両手の拳銃で一人一人正確に撃ち抜いていく。その曲で気分が上がった俺と舘さん、佐久間の動きも速くなる。
💙「〜〜〜♪」
歌にのせて能力を放つ俺たち。するとその時……
「あいつの歌で、全員の動きが変わりやがった……」
「うぅ、あいつさえ、倒せれば……」
床に倒れ込み、死んだと思っていたヤツらの話し声が聞こえた。対峙していた敵を一殴りで倒すと、俺は声の主を探す。すると、部屋の入り口の方で翔太に銃の焦点を合わせるヤツらがいた。俺は部屋のかなり奥まで入ってしまったから、今から走っても間に合わないかも……!
💛「翔太、後ろ……!!」
💙「……!?」
翔太が振り返った時には、敵は銃の引き金に手をかけていた。舘さんもそれに気づき、敵に術を飛ばそうとした。けれど、新しく涌いてきた敵の処理で間に合いそうになかった。ダメだ、翔太が撃たれる……と思った次の瞬間、
「グハッ……」
その敵は見えない何かの圧力で潰され、消えた。
?「ふぅ……危なかった。ちゃんと周り見とけよ、翔太?」
(続く)