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rd「ぺーんちゃん!」
pn「何?」
rd「俺ぺんちゃんのこと大嫌いだから別れよ!」
pn「は──────?」
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俺のことが…大嫌い?
いつもあんなにくっついて来たりするのに…?
pn「全部、遊びだったってことかよ…」
rd「へ…??」
自分から告って来たくせになんなんだよ!!
pn「俺と過ごして来た日々は偽りだったんだろ!!好きだったのは俺だけだったってことだろ!!」
俺だけ…俺だけだったんだ。ずっと、ずっと!!!
rd「ち、ちが───」
pn「別に気ぃ使おうとしなくていいから…。今まで、ありがとな!!」
今俺、どんな顔してんのかな。
俺はらっだぁに背を向けて家を飛び出した。
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rd side
今日は4月1日。エイプリルフールだ。だからぺいんとに嘘をついてみることにしたんだけど…まさかこんな大事になるとは予想もしていなかったんだ。実は嫌いでしたという嘘をついた。そしたらぺいんとは家を飛び出してしまった。勿論すぐに追いかけた、愛しの彼女を。
そんな真に受けるなんて思わなくて
ただのイタズラだったのに
鳴り止まない鼓動と電話
よく帰りたくないからと座って過ごした思い出の公園のベンチ
よく遊びに行った商店街
告白したもう古びてしまった遊園地
初めてキスを交わしたイルミネーションの綺麗な駅
プロポーズしたムードもなにもない、思い出の公園
どこに行っても居なくて どこを探してもいなくて
鳴り止まないうるさい鼓動に紛れた電話の音にやっと耳を傾けることができて、通話に出た。
sn「やっ、やっとでたッ…!!!ぺいんとさんが───────」
鼓動の音がより一層高くなってスマホを思わず落としてしまった。そのまま身体が前に傾いて足が動いて走り出した。うまく息が出来ているだろうか、そんなこと気にならないくらいに必死に走った。ぺいんとの元へ一目散に走ったんだ。
もう、間に合わないのに
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rd「ぺいんと!!!!」
戸を開ければたくさんの管に繋がられたぺいんとがいる。一命は取り留めたものの意識不明な状態らしい。俺のせいだ。嘘なんてつくから。何がエイプリルフールだよ。こんなもの、滅びて仕舞えばいいのに。胃液が逆流しようとした。必死に口を押さえた。汚い嗚咽の音と鼻を啜る音と泣き声が病室に響いた。ぼたぼたといつもより冷えたぺいんとの手に涙が落ちてゆく。
─────どうか、どうか。早く目を覚ましてくれ。ぺいんと、まだ俺、お前と過ごしたいよ。もっと色んなことしたかった。それに今回のこと謝れてないよ。だから、だからさ。
目、覚せよ……。
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1日目
今日はぺいんとの見舞いに行った。改善は見られず、目が覚めそうもなかった。
2日目
今日も見舞いに行った。まだまだ辛そうだけど息はあった。
3日目
今日はエビフライを持っていった。沢山声を掛けたけど目を覚まさなかった。
4日目
今日は日常組のみんなもいた。みんな悲しそうな顔をしていた。ただ俺のことは一度も責めなかった。
5日目
今日も見舞いに行った。管の量が増えていた。
─────毎日 毎日 毎日
彼女の元に行ってお見舞いをした。
××日目
今日も見舞いに行った。目を覚まさなかった。
××日目
今日も見舞いに行った。目を覚まさなかった。
××日目
今日も見舞いに行った。目を覚まさなかった。
××日目
今日も見舞いに行った。目を覚まさなかった。
今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も 今日も
どれくらい経っただろうか。始めは毎日のようにみんな見舞いに来ていたのに今では一ヶ月に数回になった。俺はそっと今日もぺいんとの手を握った。早く目が覚めますように。
ぴくっ、指先が少し揺れて俺の手の甲に触れた。俺ははっとぺいんとの顔に目を向ける。
pn「ぁ………」
ふわりと男なのに綺麗で長いまつ毛が上がり、宝石のように綺麗な瞳が現れた。
pn「あれ、ここは…………」
rd「ぺいんと…?ぺいんとなの…??」
pn「そう、だよ…?」
rd「ぺいんとっ、俺ッッ、ごめっ………本当は大好きだから!愛してる、からッ………」
ぼたぼたと彼女が倒れた日と同じように涙が溢れた。でも当の本人はきょとんとした様子だった。
pn「愛してるってw何言ってんだよ俺ら男同士じゃんw」
rd「……は、?」
pn「どうしたんだよ急にさ。もしかして頭でも打った?w」
涙が、枯れるような感覚がして。心が締め付けられた。俺のこと、忘れちゃったんだ。恋人としての俺のこと。
rd「…なんでもないよ。でも、ぺんちゃん。俺は…さ、本気だから。いつか俺のこと好きにさせるね。」
作ったような笑顔を貼り付けてぺいんとの手を握った。そっとそっと割れ物を扱うように。もう、嘘などつかないと、もうぺいんとのことを悲しませないと、ずっとそばに居ると。絶対にまた振り向かせるから。
pn「…ッ♡」
なんだこの終わり方、なんだこの話って多分、思いましたよね。実はエイプリルフール用に作り出してずっと放置していたもので、どう片付けようか悩んでいて、こんなオチにしました。
少し解説しますとぺんさん、記憶全部あります。ただもうらっだぁが離れないように縛り付けるために記憶がないふりしてます。らっだぁはきっとこのまま気づかないでしょうね。気づいてもきっと言わないでしょう。悲しませないために、敢えてぺんさんの罠にかかり続けるんでしょう。共依存エンド、ということで。今度はちゃんとしたの作るので今回は許してください🙇ちゃんと長編とかも動かそうかと思ってるので気長に全てお待ちください……。