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「赤フードさんっ! 今回の報酬金ですよ! すごい! 多い!」


エルスを助け、無事に事件を解決した後。


特殊警備任務は完遂ということで、冒険者ギルドに戻ってきた私のことを、受付のお姉さんは前のめり気味に待っていた。


「お金に目がくらんだ顔をしている……」


どすっ! と重そうな音と共に置かれた金貨の袋の中身を確かめながら、私は呆れたようにつぶやいた。


「何言ってるんですか! 大事でしょ、お金!」


こんな人だったかなぁ……と思いつつ、最近は高額な報酬が続いていることもあり、大量のお金がお姉さんという人間を変えてしまったのかもしれなかった。


お金、恐ろしい。


「それで、ギルドの入り口から赤フードさんのことを覗いている、あの可愛らしいお嬢様は誰ですか?」


「うっ……」


ようやく普通に戻ったと思いきや、お姉さんは私の現在の悩みを的確に貫いてきた。


私はちらりと後ろを振り返る。すると、ギルドの入り口の扉を少しだけ開け、ちょこんと顔を出して私を見つめているエルスと目が合った。


エルスはもう目がハートになっていて、目が合ったことに気づくと、「きゃっ」と顔を引っ込める。


「……今回の依頼先のお嬢さんです。守ったら、気に入られてしまって」


「あら、よかったじゃないですか! 貴族のお嬢さまに気に入られるなんて、そんな幸運なことはありませんよ! なんなら、交際してみたらどうですか?」


いや、いやいや。


私、女ですから!


というか、エルスは友達ですから!!


「赤フードを脱ぐタイミングには気をつけないと……」


気に入った人のあとをつけてくるという、友達の知らない一面を知って複雑になりつつ、私はどこで令嬢モードに戻るか、頭を悩ませるのだった。

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