「まぁ、そう怒らないで」
阿部は笑ったまま続ける。
「俺、気楽に遊べる友達が欲しくてね。」
「え?」
「仕事だとさ、駆け引きとか上下関係とか面倒くさいじゃん。損得なしで楽しく過ごせる相手が欲しかったんだよね」
そこまで言うとニヤリと笑いながら
「ぶっちゃけこんな生活してたら友達少ないでしょ」
と踏み込んだ。
深澤は鼻で笑い、肩をすくめた。
「金の匂いしかしないけど?」
阿部はくすっと笑い、グラスを傾ける。
「それでもいいじゃん。俺はやりたい事をやる。お前もやりたいようにやる。充分、“友達”だろ」
深澤は一瞬息をのみ、でも自然と笑みがこぼれる。
「……何か、ずるいっすね」
阿部は楽しそうに肩を震わせると
「ずるい?まぁ、楽しむためにやってるだけだし」
グラスを合わせ、二人の間に軽やかな乾杯の音が響いた。
それは、今までとは違う生活の始まりの音だった。
そこから俺たちは友達らしく、お互いのことを話した。
阿部の仕事は投資家。
俺たちを引き合わせた例のパパは、なんと阿部の大学生時代のパパだった。
その時の金で大学生ながらコツコツ投資して、最近ようやく投資家として生活出来るようになったらしい。
それからなんと、男も女もいけるらしく、当然のように攻めも受けも、状況に応じて自在だそうだ。
俺も調べがついてるだろうとは思いつつ、
まだ芸能事務所に籍があること、でも仕事なんて全然なくてそろそろ辞めさせられそうなことをぶっちゃけた。
「阿部は、すごいね」
「ふふ、ありがとう」
「んー。でも年下に買われんのか?わら」
「……ねぇちなみに、身体の相性も良かったらもっと弾むけど?」
「え……」
正直、願ったり叶ったりな俺は戸惑いつつも
「試してみる?」とグラスをくるくる回しながら、わざと笑ってる阿部の誘いにまんまと乗った。
コメント
4件
えーこの展開は楽しみ🥺✨
ここにきて同期🤦🏻♀️🤦🏻♀️💚💜